ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




SCAI The Bathhouse(柏湯)。台東区谷中6-1。左:2007(平成19)年12月1日、右:1990(平成2)年2月18日

言問通りの上野桜木交差点を北へ入ったところで、下町風俗資料館敷設展示場(旧吉田屋酒店)やカヤバ珈琲、喫茶愛玉子(オーギョーチー)といった谷中の観光スッポットや有名店が集中する場所である。「SCAI The Bath House」というのは柏湯を改装した現代美術ギャラリーで、1993(平成3)年に開業した。
柏湯は文化元年(1804年)創業という歴史のある銭湯という。廃業したのは1991年1月。建物は『東京都の近代和風建築』(東京都教育庁編集、2009年)によると、昭和27年の建築で、「木造2階建入母屋造桟瓦葺」という構造。この辺りは空襲の被害は免れた地域なので、東京の伝統的な様式の外観でもあり、戦前の建物と思っていたが戦後まもなくの建築だった。
谷中岡埜栄泉』に「戦争当時、空襲の噂が絶えなかった谷中町は、警察署に被害が少ないようにと周辺を更地にしました」とある。昭和22年の航空写真を見ると谷中警察署(下谷警察署谷中警部派出所(1966年の地図)>警視庁少年保護センター(1986年の地図)>台東少年センター)の周りの建物がなくなっている状態が判る。そう広い範囲ではなく、住宅で1・2軒の幅だ。愛玉子はすでに今の店舗が建っているように見える。



谷中岡埜栄泉。谷中6-1。2000(平成12)年5月3日

SCAI The Bathhouseの横を言問通りの方へ行くと、隣が波トタン張り看板建築で、今は看板は下ろしてしまったが上の写真では「西垣靴店」。その隣が和菓子の谷中岡埜栄泉。やはり建物疎開で取り壊されたのを、戦後に建て直したものだ。『東京都の近代和風建築』では昭和27年の建築、木造2階建入母屋造桟瓦葺という構造。戦前の建物を再現したかのような立派な日本建築だ。


谷中岡埜栄泉。谷中6-1。2007(平成19)年12月1日


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 中村活字、小... 嵯峨の家、オ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。