ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




福岡種店。千葉県松戸市本町。2003(平成15)年10月29日

旧水戸街道(現・県道5号線、流山街道)沿いの古い商家。今も商売は続いている。すぐ北の並びにある原田米店の旧店舗とほぼ同規模で同じ造りの家である。
『昭和の松戸誌』(渡邉幸三郎著、崙書房出版、平成17年)によると、「福岡種子屋は大正元年に福岡籐八より分家、家屋は大正12年新築の中二階」。福岡籐八とは、福岡種店のすぐ南、春雨橋際に屋敷を構えている江戸期からの旧家で、薪炭商をしていたらしい。
店舗をよく見ると一階の軒が原田米店より短く、従って軒を支える柱もない。知らないとそういう造りかと思ってしまうが、軒を短く切られてしまったためだ。『昭和の松戸誌』には、昭和10年に水道管を埋める工事とともに道路も拡幅された。その際、四尺五寸の従来の軒を三尺切り取られたと記されている。


1989(平成1)年4月1日

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