ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




小田原籠清。神奈川県小田原市本町3-5。2010(平成22)年7月9日

国道1号線の本町交差点の海側の裏通りで、昔は千度小路といったところ。籠清は1814(文化11)年創業の蒲鉾の老舗で、写真の出桁造りの家が本店の店舗である。この辺りまで来る観光客は少ないのではないかと思うが、支店で補っているのだろう。同じ通りにあった鈴廣の本店は風祭に移してしまった。
建物は関東大震災で壊れた家を大正13年に建て直したもの。昭和20年8月15日の終戦の日、この辺りに空襲があり、ほとんど隣まで焼失している。籠清の建物も危なかったのではないかと思う。
「加古清」の看板の文字は三井物産の創設者、益田孝の揮毫。益田は鈍翁の名前の茶人としても有名で、テレビの美術番組や『開運!なんでも鑑定団』でも名前を聞く。益田は1906(明治39)年に小田原市板橋に掃雲台という別邸を造営しているから、小田原ゆかりの有名人である。



籠常商店。小田原市本町3-2。2010(平成22)年7月9日

籠清の前を少し東にいった向かい。籠常は明治26年創業のかつお節の製造販売の店。「街かど博物館」のひとつ、「かつおぶし博物館」にもなっている。店の間口はそう広くはないが奥がかなりあり、店の裏手はかつお節の製造所になっているのだと思う。

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