ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




横浜銀行本店別館。神奈川県横浜市中区本町5。1987(昭和62)年8月9日

本町5-46にあって、横浜銀行として使われていたときの写真である。銀行の店舗は写真の後ろのビルにあったらしく、写真の建物は別館と呼ばれていた。
第一銀行横浜支店として、設計=西村好時、施工=清水組で1929(昭和4)年4月に竣工している。三角形の敷地なので先端を半円にして玄関を並べ、その上は円柱で囲ったバルコニーにしている。贅沢なものだ。西村好時は「1914年(大正3)清水組設計部技師、第一銀行建築課長となり、本店及び支店三十数か所の設計を行なう」と『ウィキペディア』にある。横浜支店が竣工した翌1930(昭和5)年11月には東京丸の内に第一銀行本店が完成する。



本町通りの側。1987(昭和62)年8月9日

第一銀行は1971(昭和46)年に日本勧業銀行と合併して第一勧業銀行になる。その翌年、日本不動産銀行がこのビルに移った。日本不動産銀行は1977(昭和52)年10月に日本債権信用銀行と改称。2000年にみずほホールディングスに組み込まれ、2001年1月にあおぞら銀行と改称した。『日本近代建築総覧』は「日本債権信用銀行横浜支店」の名称になっている。1980(昭和55)年、日本債権信用銀行は店舗を新築して移転し、横浜銀行が入ってきた。(『海岸通り紀行』参照)


左上、左:1987(昭和62)年8月9日
右上:1991(平成3)年7月28日

現在はこのビルが建っていたところは広い道路に変わり、その下には地下鉄の駅ができた。少し西のところに横浜アイランドタワーが建ったが、そのビルの前面に旧第一銀行の建物が再現された。ベランダのある部分は元の建物を持っていったものである。回りが広く開いているのですごく目立つ。よく考えられた保存方法だと思うが、やはり街中にある建物がいい。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )