ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




四軒長屋。台東区谷中2-4。1988(昭和63)年11月3日

あかぢ坂下にある四軒長屋。写真左の白いトタン張りの壁を見ると五軒長屋の端を取り壊したようにも見えるが、その駐車場になっている場所には別の家が建っていたようだ。長屋の右に2階建ての家があるが、建て替わる前は山崎ゴム商会の出桁造りの大きな家だった。現在、長屋の右の2軒が取り壊されて二軒長屋になってしまい、横側の白いトタンの壁には錆が浮き出して茶色に変色している。
この長屋は桐谷逸夫・エリザベス夫妻が住む長屋として有名だった。手元に『東京いま・むかし』(日貿出版社、平成8年)という夫妻共著の画集がある。この本にはぼくが写真に撮っている家が数多く載っていてうれしくなる。ぼくは写真を撮るのにほんの数秒しかかからない。撮った家をろくに見ることもしないで次へ移動してしまう。その点、スケッチであっても場所を選び、対象にじっくりと向き合って描く絵はその場所の雰囲気までが写し取られている。実際以上に強調される家の傾きなどは当然写真では表現できない。



1989(平成1)年3月12日

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