ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




小浦邸。中央区佃3-4。1985(昭和60)年6月2日

清澄通りの新佃島バス停の前。壁面にレリーフを施した洋館の住宅があった。今なら大通りに面して住宅を建てることなど考えられないが、戦前であってもこの辺りは工場とそこに勤める工員向けの長屋が立ち並ぶ町で、かなり目を引いたのではないだろうか。
写真左の家は「帝国メタル工業」で、戦前からの会社らしい。右のマンションは「佃大橋ビル」で、小浦邸との間には路地が通っている。


左:1989(平成1)年12月31日、右:19909(平成2)年1月21日
南洋のジャングルの中に立っているようにも観たてられる。「植民地風」と表現した本があった。
昭和20年代の火保図に、洋館の後ろの家「葛原医義」と=で結ばれている。葛原医院として建てられた建物らしい。『月島物語』(四方田犬彦著、集英社、1992年)に「壁に紋章を頂いたバルコニーのある新佃の葛原医院は廃屋になっている」という記述が出てくる。

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