ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




日本学生会館。文京区本郷2-2。1985(昭和60)年7月21日

駿河台から神田川を隔てて撮った写真で、画面のまわりをトリミングして掲載した。勿論いずれ外堀通りから撮影するつもりだったが、その機会がないうちに解体され、残されたのがこの1枚である。
日本文化アパートメントの名称で1925(大正14)年に竣工した高級アパートである。設計はヴォーリズ、施工は大林組。
『乱歩と東京』(松山巌著、PARCO出版局、1984年)では「お茶の水アパート」の名称で記述している。それによると、文化生活研究所を組織して中流階級の生活改善を啓蒙してきた森本厚吉が企画して実現したもの。後の1億中流となった中流ではなく、森本は東京ではそのクラスの人の数を2%と考えていた。分かりやすく言えば上流のことだ。想像するに、戦前は華族が上流で庶民は中流以上にはいかなかったのではないか。
戦後は進駐軍将校の家族宿舎として使われた後、旺文社が買い取って日本学生会館になったらしい。修学旅行生の宿などに使われ、1986(昭和61)年に取り壊されて、現在はセンチュリータワーが建つ。


富士屋、高山美容館
本郷2-3
1988(昭和63)年10月16日

1枚目の写真の左に写っている商店を歩道から撮ったものだが、通りの向こうから撮らなくてはいけない。

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