
画像:Wikipediaより
この嘔吐しそうな不快感は抑えようがありません。13日の夜に起きたパリの同時テロ。フランスの検察は死者129人、重体が99人と発表しました。何ということをしてくれるんだと叫んでいます。
15年前の2011年ニューヨークの同時多発テロ。死者2700人余。世界貿易センタービルが炎上し、その巨大なビルが崩壊する様子にがくがくと身体が震えたものです。直後にNYの知人女性から絶叫に近い声で、東京に電話が入りました。
「ミスター嶋津、何ということでしょう、ポートオーソリティの皆が死んじゃったよ。ロッシーさんも旦那さんも亡くなったみたい。みんな、みんな死んじゃったよ」。
世界貿易センターを所有するNYポートオーソリティは、空港、港湾などを保管する巨大な企業体です。都庁にとってはNY市とともに友好関係にあり、東京都NY事務所も、この世界貿易センタービルに現地オフィスを構えていました。その入居選定は当時の駐在代表であった私の仕事でした。
それだけにあの崩れ落ちたビルには多くの知人、友人が働いていました。その人たちの死が次々と知らされたのです。とりわけテレビ映像から聞こえるドス、ドスという音は、地上に落ちる同僚たちの身体のようにさえ聞こえ、身震いしたものでした。
あの時に絶望的な怒りを、今また味わわされています。嘔吐を催させる、あの不快感です。ニューヨーク、そしてパリ。次は東京になろうとは誰も否定できません。しかし怒りが大きいだけ、無力感も大きいという外ありません。