合気道龍大阪 村川真啓のブログ

主として、合気道龍大阪の稽古内容をアップしています。

合気道の受けについて(その2)

2008-06-06 12:47:28 | 合気道

2.受けの効用

合気道の受けは、うつ伏せに倒れたり仰向けに倒れたり、転がったりと運動量も多いですし、二ヵ条などの関節を極める技は痛みも伴います。「仕手だけやれば辛くないし技もより上達するのに・・・」と思う人もいるかもしれません。

しかし、体力増強や健康増進には、仕手の動作よりも受けの動作のほうが強く関与しているのではないかと、私は考えます。

一ヵ条から四ヵ条、そして小手返しなどは、腕から肩の各関節を曲げたり伸ばしたり引っ張ったり縮めたりしますので、関節の可動域を広げ腱や筋肉を強くします。各種投げ技の受けをすると体全体を反ったり丸めたり、かなりキツイ姿勢を強いられます。仕手が圧を加えてますから、補助の人がついたストレッチをやっていることになります。

小手返しのような投げ技の受けは、「飛躍受身」と呼ばれる受身をします。つまり、一瞬、空中に浮いた状態からうまく体を丸めて、大きなダメージが残らないように受身をとります。ダメージが残らないといっても、ある程度の高さから落下するわけですから背中などに衝撃を受けることになります。この適度な衝撃が背中や腰の筋肉をほぐし、内臓を強くします。また、一瞬、頭が下に足が上と逆さになりますから平衡感覚も鍛えられます。多くの人は学校の体育以来、でんぐり返しや逆立ちなどほとんどしなくなっているでしょうから、脳の活性化にもなると思います。

反対に、仕手の姿勢は、常に一定の状態をキープするようにこころがけます。中心線がぶれないようにというのが第一で、基本技は構えの姿勢と臂力の養成(一)の姿勢の2種類でほとんどの技が構成されています。

仕手と受けを交互にすることにより、バランスよく体を鍛えることができます。

(つづく)