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第127話 戦略兵器エルフの最期

2022-03-08 10:55:54 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第百二十七話 戦略兵器エルフの最期

一方、第127戦略魔法軍団とその護衛部隊を壊滅させたパコママは思案していた。
「あと、18箇所…。この地図を見るとこの大陸は相当広いのにあちこちに分散していて、やっかいこの上ないわあ。やっぱり、上の人とO・HA・NA・SHIしてどうにかするのが早道よねえ…。このあいだの伝令を頼んだ兵士さんはちゃんと伝えてくれたかしら?よし!首都のペイキンとやらに向かって皇帝というのに直談判しましょう。この途中の第101戦略魔法軍団というのもついでにお焚き上げしちゃえばきっと物わかりもよくなるわあ。」

そうキメたパコママは、またバスに乗るとペイキン方面に旅立つのだった。
この段階になると、さすがにダイシン帝国の公安部も異常に目立つ耳が長く、異常に巨乳のエロい恰好の美女を覚知していたが、フル装備の軍隊を壊滅させるだけの能力を持ったバケモノを拘束しようという無謀なことは行わず、遠巻きに監視・追尾することに止めていた。

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第101戦略魔法軍団はペイキンに最も近い場所に駐屯基地を設けていた。
前述の通り、ダイシン帝国の戦略魔法軍団の最新装備は、8台のトレーラーに積層魔法陣を搭載し、機動運用できるというものである。
戦略魔法師団が出動するというのは自国が敵軍に攻め込まれるような段階で強大なダイシン帝国がそんな事態になるのはまさに最終戦争の時であろうと、戦略魔法師団の誰もが考えていたのだが、皇帝陛下からの勅命で出動命令が下されたことに驚きを隠せなかった。

「なんでも既に第131・第127魔法軍団が潰されたらしい。コーライ侵攻に備えた国聯軍第二梯団も壊滅させられ、第127では厳戒態勢で警備していた大部隊もまとめてやられたとか…。」
「それでとうとう我が軍団の実戦出動か。まさか本当に自国内で戦略級大規模魔法の実戦使用がされることになるとは、正直考えたこともなかったよ。せっかく機動運用が可能になったのだから、トレーラーごと敵国に運んで使用するものばかりかと思っていた。」

そんな会話をしながら、彼らと積層魔法陣を載せたトレーラーの車列はペイキンにほど近い布陣の指定地点に向かうのだった。

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第101戦略魔法軍団の駐屯基地に今度はなんとハイヤーで乗り付けたパコママ。
しかし、今度は基地を防衛しようという大部隊もなく、どことなく閑散とした雰囲気を漂わせていた。
パコママは臆することなく、門衛に尋ねた。
「ここは第101戦略魔法軍団の基地で間違いありませんのん?」

「そうだが、緊急出動命令が下されたので、部隊の誰も残っていないぞ。ちなみに出動先はここだ。」
と親切にも場所を記した地図を渡してくれた。

「まあ、ご親切に…おおきに!」
と気を良くしたパコママ。

しかし、仮にも専制君主国家の軍人が一般市民?にこんな紳士的な対応をするのが有り得ない話なのでアルw。
まともな知能があればなんらかの罠を疑うべきであろう。
繰り返すがエルフは、その知能を膨大な魔法演算能力に全振りした副作用として、一般的知能はアレでアルw。
そして、どんな罠を張り巡らされたところで、それを魔法力で食い破るだけの戦闘能力を持っていたので、更に無頓着な思考様式を持っていた。だからこそ、騙されてまんまと大陸間弾道弾のwar headにされてしまうおマヌケな事態になったのだがw。

「まさか今度は、アノ兵器を使おうという腹なのかしら。許せないわね。キツーいオシオキしてあげなきゃだわ!」

親切な門衛から貰った地図を片手に的士(タクシー)を拾うと、この地図のところに行って!と指示した。

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指定された陣地に到着した第101戦略魔法軍団は早速、八台の積層魔法陣を八卦陣のように駐機し、接続。起爆寸前の臨界まで持っていく作業を開始した。4時間ほどかけて臨界状態に持っていき、タイマーを設置した後に作業員は、重装甲の指揮トレーラーに待避して爆心地から急いで離れるというのが最近の戦略級大規模魔法の運用方法だった。

パコママを尾行していた公安要員から、その陣地に接近中の報を受けると魔法軍団の指揮官は、予想到着時間に合わせて戦略級大規模魔法の起動を命じた。
いくら機動性を向上させたとはいえ、敵だって機動性のアル軍勢にタイミング良くぶつけることが実際に可能なのかという点は、軍関係者の間では広く議論が紛糾していたが、今回は、わざわざ敵性存在が飛んで火に入る夏の虫の如く向かってくるのであるから、その成功をみな確信していたのだった。

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第101戦略魔法軍団が布陣し、戦略級大規模魔法を励起したその場所に、とうとうパコママは到着した。的士で来た!
「なにこのヤクい魔力は…。まさかもう爆発寸前でイきそうな感じなのかしら。急がなくちゃ!」

エルフイヤーは地獄耳。無意味に長いだけでなく優れた魔法感覚器官なのでアル。
いつになくおっとりとした雰囲気をかなぐり捨てて、土魔法・風魔法・重力魔法・空間魔法の緻密な複合魔法を駆使した強襲突撃形態で一気に軍団に迫った。
その強力な防殻を纏った突撃で司令所に突っ込むと一番偉そうな司令官を締め上げると、
「まさか、自爆覚悟でアレを使うつもりだったのかしら。甘く見られたものねえ。この感じだとまだ術式完成まで8割というところね。こんな遅い術式構築速度では、私たち相手にぶつけることなど不可能ですえ。」
実際、古代の魔導大戦でエルフに対してぶつけられた同種の兵器は、起動に数分もかからなかったし、最後期には空間魔法で直接ぶつけることで対応時間を無くすという運用までされていた。過去の戦略級大規模魔法を解析して原理だけを復活させた現代のそれとの技術的格差はどうしようもなく開いていた。

「こんなの簡単にこうしちゃんだから」
と、乳を振るわすと、いつもの通り、同時並列行使した重力魔法で8台のトレーラーに300Gを超える荷重を加えてぺっしゃんこにした。

その光景を見た軍団長は不敵に笑った。
「まあ、そうだろうよ…だが計画通りだ。マオ皇帝万歳!」

その瞬間にその場は業火と閃光に包まれた!

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現在の機動性のアル戦略魔法軍団が編成される以前は、技術的に未熟だった戦略級大規模魔法というのは実に大仰な移動不可能な魔法陣の設置を要し、北コーライがそうしたように、あらかじめ敵軍の侵攻が予想される地点に埋設し、敵軍を引きずり込んで起爆するという運用方法しかなかった。大洋戦争での超大型艦船を使用した運用はマジキチレベルの費用と、完全な制海権の確保などという前提を要した例外でアル。
世界一の強大な通常軍を持つツイステ合衆国では、自国土での劣勢というものを想定すらせず、またエルフが非常に怖かったので、本土にそうした戦略級大規模魔法陣の埋設という軍備は一切整えなかった。ツイステの所有する戦略級大規模魔法運用部隊は全て海外配備であった。
一方ダイシン帝国では、10年くらい前までそうした旧来の防衛線敷設型の戦略級大規模魔法を運用していたが、技術革新により車載型が開発されると次第に現在の機動的な戦略魔法軍団という形態に再編成が進んだ。
しかし、多くの費用をかけた防衛線敷設型の戦略級大規模魔法陣を廃棄するのは、さすがのダイシン帝国でも憚られ、モスボール状態で保存されていた。
今回、エロフ撃退に当たって、英明なマオ皇帝は、二重の罠を仕掛けた。
首都防衛用の敷設型の戦略級大規模魔法陣のひとつを再稼働させ、その真上に第101戦略魔法軍団を布陣させ、地下と地上で同時に魔法陣起動を開始させたのであった。
これまでの通常軍の鎧袖一触ぶりからすると、なまなかな方法でエロフに戦略級大規模魔法直接当てるのは困難であろうと予想したマオは、まるまる一個軍団をエサにするという残虐な作戦を下命したのだった。
魔力感知に長けたエルフでも、まさか地上と地下の二重起動を分解して察知することは不可能であり、まさしくマオの計画通り、パコママは爆心地で戦略級大規模魔法の業火に包まれることになったのだった…。



5 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-03-08 11:54:00
パコママの逆襲に期待しています。
Unknown (新宿会計士)
2022-03-08 13:26:23
>的士で来た!

ほら!またぁ!文章で遊んでる!!
Unknown (Unknown)
2022-03-09 08:15:23
パコママ、瞬間移動だ。避けろ。
Unknown (Unknown)
2022-03-10 16:14:06
パコママ 「フー 致命傷ですんで良かったわ」
「おいたが過ぎるので、きつーいお仕置きをしなきゃ」
Unknown (新宿会計士)
2022-03-12 08:45:35
そう言えば本小説の主人公様は監獄行きが確定したみたいですね。

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