遊煩悩林

住職のつぶやき

向こう岸

2022年09月17日 | ブログ

 

 

「およそなりたくないものになるという身の事実」

 

子どもたちとの会話のなかで、たまに「何になりたい?」という話題が出てくる。

いわゆる将来の夢というのか。

いや、まだはっきりしていなければ夢ではないか。

老人になるんやで。どんな老人になりたい?

病人になるんや。どんな病人やろか?

死人になるんやで。どんな死に方すんのかな・・・

家族団欒。

さて、夢も希望も今は昔の世代。

誰と何を語らうべきか。

何になりたいか。

欲を言えば「お化け」か。

できるだけ「若く」「健康」で「長生き」をしたいとすれば。

2-30歳の身体能力を保ち、病気もせずに100歳まで行こうとするならば、お化けとでも言われたい。

「およそなりたくないもの」は、「老人」「病人」「死人」だと。

身の事実を学ぶというのはなかなか。

そんな暇があれば、ジムに行ってトレーニングして、エステに行って、ドラッグストアでサプリメントを買って、と。

学んでいる暇はない。

ただ、老病死が道理である以上、どこまでそれに反していけるか。

その頑張りも大事な煩悩。

煩悩の身にこそ届いてくる世界があるという。

学びの向こう岸には、決して私の都合のいい夢や希望はなくても、願いと光が溢れているのだ。

ともに学びの場に。

 

台風の影響が気になるところですが。

どなたさまもご用心を。

彼岸に会えますことを。

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