大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・乃木坂学院高校演劇部物語・73『施設一覧の図面を広げた』

2019-01-14 07:07:06 | はるか 真田山学院高校演劇部物語

まどか 乃木坂学院高校演劇部物語・73   




『施設一覧の図面を広げた』


 思いあまって、柚木先生に相談に行った。

「……わたしも、ペーペーだからね。普通教室じゃ、だめなのよね」
「ええ、机と椅子を全部出しても、舞台の半分もありませんから」


 里沙が、図面を出して説明した。手書きだけどセンチの単位まで書き込まれていて、さすがに里沙。
 事実上の部長であるわたしも負けているわけにはいかない。なじみの技能員のおじさんにコピーしてもらった学校の施設一覧をカバンから出そうとしてぶちまけてしまった。
「アチャー……」
 わたしのオッサンみたいな声に、夏鈴が手伝ってくれた。
「なにこれ……」
 夏鈴が袋からはみ出た胡蝶蘭の折り紙と自衛隊の体験入学のパンフを見つけた。
 わたしは手近に滑ってきたパンフの方をポケットにつっこんだが、胡蝶蘭は間に合わなかった。
「なんだか、ヘタッピーな折り方だね」
「どれどれ……これ折ったのは……男の人。とにらんだ」
 柚木先生まで覗き込んできた。
「こ、これは兄貴が折ったんです。お誕生祝いに。兄貴にはいろいろ貸しがあるから。アハハ、こんなもので誤魔化されちゃった」
 みんなの視線が集まる。
「そんなことより、稽古場、稽古場」
 わたしは、机の上に、施設一覧の図面を広げた。
「さすが、井上さん(技能員のおじさん)部屋毎の机の配置まで書いてある」
 先生が感心した。
「あ、ここ良いんじゃないかなあ!?」
 里沙が一点を指差した。そこには同窓会館談話室と書かれていて、ピアノと若干の椅子が書かれているだけ。広さも間尺もリハーサル室に近い。
「ここだ!」
 と、四人の師弟は声をあげました。

「……はあ、そうですか。いや、ありがとうございました。いいえ、交渉相手が分かっただけでも参考になりました」
「おじさん、なんて言ってました?」
「同窓会館の管理は。同窓会長の権限だって」
 柚木先生は、さっそく技能員のおじさんに内線電話をしてくれたのです。
「同窓会長って……?」
「たしか、都議会議員のえらいさん……」
 先生は、パソコンを開いて確認してくれた。三人も仲良くモニターを見つめる。
「去年の春に亡くなってる……てことは……」
 先生は、同窓会の会則を調べ始めた。
「次年度の総会において、会長が選出されるまでは、理事長がこれを代行するものとする……」

ジャンル:
小説
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