大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・高安女子高生物語・90〔そういう訳やないねん……〕

2016-06-14 16:42:58 | 小説6
高安女子高生物語・90
〔そういう訳やないねん……〕
        


 死者2重軽傷者8の大事故やった!

 あの時、うちの靴紐が切れへんかったら、確実に巻き込まれてた。亡くなった人は、うちらのすぐ前を歩いてたサラリーマンの人らやった。
 うちとカヨさんは、しばらく動かれへんかった。
 ほんのちょっとした運命のイタズラでうちらは助かった。ほんで目の前で血ぃ流して倒れてる人ら。
 警察を呼ぶ声! 救急車を呼ぶ声! 倒れてる人らを励ます人。あたりは騒然とした。

 ほんで、警察と救急車とマスコミが同時に来た……。

 で、あくる朝、お母さんに言われて気が付いた。10人も死傷者が出たんで、ニュースは全国ネットで流れた。なんとスンデのとこで巻き込まれそうになった代表みたいに、うちとカヨさんがニュースに出てたらしい。それもモザイクなしで。
 うちは覚えてへんかった。とにかく、足が震えて、その場を動かれへんとこに、なんや人が寄ってきたぐらいの記憶しか無かった。
 けっこう喋ってた。事故や、事故前の様子。ほんで、自分らがMNB47の研究生やいうことを……。

「あんた、覚えてた!?」

 朝やけど、カヨさんに電話した。
「なんや、アスカ覚えてへんのん? 難波テレビのインタビュー受ける前に、事務所に電話して許可もろたん、あんたやで」
「おい、明日香、新聞の三面のトップやで『またしても脱法ハーブの惨禍! MNBメンバー危うく難を逃れる!』

 そのあと、うちがやったことと思うたことは二つやった。

――あれ、助けてくれたん、正成のおっちゃん?――
――感謝せえよ……といいたいけど。わいにも分からん。出雲阿国ちゃんとちゃうかな?――
 で、カヨさんにメールで聞いたら「阿国さんも正成はんとちゃうかて」と返ってきた。偶然か、うちらの運の良さか……?

 ほんで、学校に着いてからが大変やった。

「そういう進路にかかわることは、早よ、担任に言え!」と、ガンダム。
「佐藤さんには幸運の女神さまが付いてるんやわ」宇賀先生は喜んでくれはったけど、先生の傷を思うたら複雑な気持ち。
「なんで、アスカは言わんのかな!」これは、美枝とゆかり。
「アスカ、アイドルだね。事故とスキャンダルはスターの条件だからね!」この変な励ましは麻友。

 みんなの質問に共通してたんは「なんでMNB47のこと黙ってたか。

「やっぱり、言うたらあかんことになってるんやろ?」
「明日香の奥ゆかしいとこやねんな!」
「もう、選抜になるねんやろ?」
 と、いろいろ言うてくる。

 そういうわけやない。

 ガンダムに、進路選択迫られて、いろいろ体験入学やら申し込んでる中に、MNBがあっただけ。うちは、どうも人からズレてる。
 関根先輩からも「がんばってんねんな。今度のことは無事でなにより!」いうメールが来た。
 お礼のメールは打っといたけど、それだけ。
 今日は、うちの苦手なリズムのレッスンがある。

 タ タン タ タン タン タン………タ タン タ タン タン タン………ムズ!

 五拍子のリズムなんか、だれが作ったんや! そない思いながらも、歩きながらリズムをとる明日香やった……!


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