大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・トモコパラドクス・53『友子の夏休み 軽井沢・4』

2018-11-10 06:32:38 | トモコパラドクス

トモコパラドクス・53 
『友子の夏休み 軽井沢・4』
 


 三十年前、友子が生む娘が極東戦争を起こすという説が有力になったん…未来。そこから来た特殊部隊によって、女子高生の友子は一度殺された。しかしこれに反対する勢力により義体として一命を取り留める。しかし、未来世界の内紛や、資材不足により、義体化できたのは三十年先の現代。やむなく友子は弟一郎の娘として社会に適応する「え、お姉ちゃんが、オレの娘!?」そう、友子は十六歳。女子高生としてのパラドクスに満ちた生活が再開された! 娘である栞との決着もすみ、久々に女子高生として、マッタリ過ごすはずであったが……いよいよ夏休み。王さんの別荘に来ている。

 
 バニラエッセンスが急にやってくることになっちゃった!


 バニラエッセンスとは、この春まで、東京ドームの横っちょでヘブンリーアーティスト(東京都が発行している路上アーティストの許可書)で、ディユオをやっていたコンビ。そこに、わが乃木坂学院に長年住み着いていた幽霊の水島君が、宇宙人マイの戦争のお手伝いしたお礼に、かわいいアテンダントの義体をもらい、女子高生として、この世に復活。そして、このデュオが気に入って仲間入り。名前もバニラからバニラエッセンスと改名、いまでは「いきものがかり」にならぶ男女混成のトリオユニットとして有名になってきた。

 で、水島……いや、清水結衣の夏休み企画で、ボーカルの結衣が友だちの夏休みにお邪魔するという企画をプロダクションが急に決まったのだ。

「お早う、みんな!」

 にこやかにやってきた結衣の後ろには、メンバーの岩崎と西川、そして画面には映らないが、カメラや音声、スタッフの面々がゾロゾロ。で、その後ろには、軽井沢に避暑に来ている老若男女がゾロゾロゾロ……。

 何も聞いていない梨花たちはオロオロ、その能力で、あらかじめ知っていた友子と紀香はオロオロのふりをしながら、スタッフに混じって、場内整理にかかった。で、この際、社会的なマナーを身につけさせてやろうと竹内興産のセガレグループも呼んでやった。

 最初は結衣を中心にして、デビュー前の思い出、乃木坂駅前のパンケーキ屋さんの話なんかに花が咲き、なぜか用意されていたパンケーキをみんなで食べ、ヘブンリーアーティスト時代の苦労話。そんな中、毎日岩崎と西川の演奏を聞きに来た結衣との運命的な出会い。それぞれの学校時代、結衣は、まだ現役の女子高生だけど、そんな話に発展し、この軽井沢がジョンレノンにゆかりの地であることに話題が移り、

「それでは」

 ということで、バニラエッセンスが即興でビートルズやジョンレノンの曲にチャレンジしてみせるという、まるでアドリブのような構成台本通りに進んだ。

 結衣には、もう幽霊時代の記憶はない。三月前以前の記憶は作られたものだが、それだけに美しかった。
 宇宙人マイが作った結衣の経歴はドラマチックであった。中学のころは新聞配達のバイトで、母子家庭の家計を助け、高校授業料無償化のおかげで、思いもかけず乃木坂学院に入学、気後れから、なかなか友だちが出来ず、ようやく友だちになってくれたのが、この軽井沢に来ている友子たち、そして生まれもった音楽の才能をひらかせてくれたバニラの二人。

 友子は気づいていた。プロダクションは、あたかも偶然のように見せかけて、次のアルバムでジョンレノンの曲をカバーさせようと狙っている。そして、結衣が自然にジョンレノンやビートルズにリスペクトの気持ちを持つように演出していること。
 友子も、やらせではあるが、結衣には自然な発展と進んで協力した。
 バカの竹内興産のセガレグループを運転手と案内人に仕立て、紳士的に軽井沢を案内させた。

 そして、これは予想外だったけど、メンバーの西川君が、雰囲気にイマジネーションをうけ、『軽井沢の思い出』という曲を休憩時間に創ってしまった。まだ、詩はできていなかったので、結衣はスキャットで合わせ、適度にジョンレノンへのオマージュになっていた。

「良い曲だなあ……」

 竹内興産のセガレグループは、本当に感動の涙を流していた。
 いいところ持って行かれそうになり、友子と紀香はある企みを企てた……。

ジャンル:
小説
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