大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・音に聞く高師浜のあだ波は・22『視聴覚教室の余熱が冷めるまで』

2018-02-25 06:26:32 | 小説6

高校ライトノベル
 音に聞く高師浜のあだ波は・22
『視聴覚教室の余熱が冷めるまで』
         高師浜駅



 アホって言っちゃダメだよ!

 姫乃がホットカフェオレのパックを三つ持って真剣な顔で割って入ってきた。


「え、あ、えと……そんな深い意味は無いから~」

 すみれがユル~ク返す、放課後の視聴覚教室。
 当番の掃除は終わったんだけど、六時間目の暖房の余熱が残っている視聴覚教室から出るのが惜しくて、一番後ろの席でダベッテいたんです。
 なんで一番後ろの席かと言うと、視聴覚教室は階段状になっているので、暖められた空気は最上段の後ろの席にわだかまっている。
 別に、その理屈を考えた上とはちゃうねんけど、ま、猫が自然に部屋の一番温いところで寝そべるのと同じ感覚。そういや、すみれはスレンダーな体つきで目が大きくて、なんや猫のイメージ。あたしは、どっちか言うと、ややタレ目のタヌキ顔やねんけど、だらしなくクターとしたとこは我ながら猫じみてる。

 あ、そーそー、なんであたしがアホと言われたか。

 そもそもは「きょうはメッチャ寒いねぇーー!」という話から。

 そもそも視聴覚教室に居続けしてるのは、他の教室も廊下もクソ寒いから。で、温かいもん飲みたいね~ということになって、三人でジャンケン。で、姫乃が三本勝負の果てに食堂の自販機までホットカフェオレを買いに行くことになった。
 で、姫乃が買い出しに行っている間に「大晦日でも、こんなに寒むなかったな~」という話になり、それから紅白歌合戦の話題になった。

「オオトリのスマップはメッチャ感激やったねーーー!!」と、あたしが言うと。
「え、紅白にスマップは出てへんよ」と、すみれが変なことを言う。
「なに言うてんのよ、NHK始まって以来のサプライズでNHKホールは興奮の渦やったやんか!」
「しっかりしいや、それ、どこのNHKやのん?」
「日本のNHK!」
「スマップは解散してからは、メンバー揃て露出することはあれへんねんで」
「せやさかいにサプライズやったんやんか!」
「紅白の時間帯、スマップは高級焼き肉店でメンバーだけでお別れ会やってたはずやで」
「せやかて、お祖母ちゃんも感激して二十歳は若返ったよ!」
「も、て、ホッチも若返ったんかいな」
「ハイな! 若返って剥きたてのゆで卵みたいやったわさ!」
「あんたがニ十歳若返ったら消滅してしまうでしょーが!」
「あ、いや、それは言葉の勢いで、ほんまにスマップの『世界に一つだけの花』は感激やってんさかい!」
「ちょ、ホッチ、あんたほんまにアホとちゃう!?」
「ア、アホとはなんやのん、アホとは!」
「せやかて、アホとしか言いようがない!」

 で、ここで姫乃が帰って来たというわけです。

「アホというのは、東京弁ではバカのことやし」
 と、回りまわって説明すると。
「なんだ、バカなんだ」と、なんでか納得しよる。
「ちょ、トドメのバカで納得せんとってくれる」
 大阪の人間に「バカ」は侮辱の言葉や。
「そういう意味じゃなくって」
 で、それから十分ほどかけて関東と関西における「バカ」と「アホ」との温度差を理解したのだった。

「だけど、紅白にスマップが出てたというのはありえないわよ」

 姫乃が異議を唱えて、あたしの分はいっぺんに悪くなった。
「ほんならネットで検索して確かめよう!」
 ということで、三人スマホで検索してみた。

 ほんまにビックリした。スマップは紅白には出てへんのです!

 ハックション!

 もうちょっと調べて論議しよと思たら、三人仲良くクシャミになりました。
 気が付くと、さすがの視聴覚教室の余熱もすっかり冷えてしもてました。

 しかし、なんで、うちとこのテレビだけ紅白にスマップが出てたんやろ……。

 

ジャンル:
小説
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