大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・かの世界の片隅へ:46『シリンダー融合体との激戦!』

2018-11-09 14:16:24 | 小説5

高校ライトノベル:かの世界の片隅へ:46     

『シリンダー融合体との激戦!』

 

 

 連携して戦うのは初めてだ。

 

 でも、四人はベテランのパーティーのように展開した。

 弓を得物とするケイトは後方から矢を射かける。

 グリは戦車兵のはずなのが、いつのまにか五メートルはあろうかという鞭を構えて融合体の右翼にまわっている。

 ブリはヘリコプターのようにツィンテールを旋回させて左翼でホバリング。

 わたしは、ソードを右手にダガーを左手に構える。

 

 合図があったわけではない。

 

 四人とも、無意識に全員の態勢が整うのを待っていた。

 そして、ほんのコンマ二秒で占位し終えると、一斉に融合体に跳びかかった。

 トリャー! ブリは一声を放つとツィンテールを高速回転させながら融合体の周囲を飛んで蹴散らしていく。

 セイ! セイ! と掛け声を掛けて、一振りで数十個のシリンダーを叩き潰すグリ。

 ……! ……!  意外に無言で攻め立てているのはケイトだ。

 矢筒には数本の矢が入っているだけなのだが、それはいくら撃っても減りはしない。ただ、ツィンテールや鞭に比べて速度が遅い。一矢放つのに一秒ほどかかっている。幾千幾万あるか分からないシリンダーと対峙するには心もとない。

 トーー! ヤーー!

 古典的な掛け声で迫るのはわたしだ。

 恥ずかしながら、一度の剣戟で倒せるのは数体のシリンダーに過ぎない。うかうか融合体の傍にいては圧倒的なシリンダーに食いつかれ、雪ダルマならぬシリンダーダルマになって圧殺されてしまう。せいぜい三度の攻撃で離脱せざるを得ない。

 トヤーー!! セヤーー!!

 力を強めながら再度、再々度攻撃を加える!

 攻撃に気を取られているうちに、背中や足、頭にシリンダーは食らいついてくる。

 シリンダー一つ一つの威力はしれているが、度重なるとバカにならない、一分とたたないうちにHPゲージは半分を割るほどになってしまう。

 ブリとグリは、ツィンテールと鞭の違いはあるが、高速で旋回するので旋回半径に入ったシリンダーは粗方が蹴散らされる。

 しかし、ほんの僅かが、旋回の間隙から突き進んで、あるものは打撃を与え、あるものは食らいつく。そして、しだいに動きを鈍らせていくではないか!

 ウオーーー!

 渾身の吶喊でシリンダーダルマになりかけた二人に接近、二撃、三撃加えて離脱。

 すまん!

 瞬間の感謝を口にし、再び攻撃に向かう二人!

 アナライズすると、融合体のHPバーは七十パーセントのところで増減を繰り返している。

 周囲を窺うと、融合体は、我々との戦闘をこなしながらも、強力な引力でシリンダーを取り込んでいる。

 かたや、我々はHP残量は四十パーセントほど。

 我々のHPは確実に減っていくが、融合体は増減が拮抗して、ブレながらも七十パーセントを維持している。

 このままではじり貧だ!

 ブチ!

 そう思った時、グリの鞭が手元の所で千切れて明後日の方角に飛んでしまった!

 残り一本の鞭で戦闘を継続するも、シリンダーの威力が勝っていて、十秒もたたないうちに融合体に取り込まれそうになる。

 

 トギャーーーー!!!

 グォーーーーー!!!

 

 期せずして、ブリと共に救援に向かう。

 ビシバシ! バリバリ! 叩き、引き剥がして、グリを救助し、一気に数百メートル離脱する。

 

「だめだ、HPが……」

 

 グリのHPは二目盛り残すのみだ。それも、点滅を繰り返し、放置していれば数秒で消えてしまうだろう。

「に、逃げてください……」

「しっかりしろ!」

 最後の一目盛りが消えた……その刹那、グリのHPバーがエメラルドグリーンに底光りして、次の瞬間には満杯のグリーンに復活した!

「こ、これは?」

 目を転ずると、中空に両手を広げて十字の姿勢になったケイトがグリーンに光ながら浮遊している。

 

 ケイトにはヒーラーの素養があったのだった!

 

ジャンル:
小説
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