緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

モーツァルト作曲「ピアノのためのロンドNo.3イ短調K.511」を聴く

2018-09-17 21:51:47 | ピアノ
モーツァルトのピアノ曲でいい曲を見つけた。
「ピアノのためのロンドNo.3イ短調 K.511」。
モーツァルトはあまり聴かないのだが、今まで聴いたピアノ曲では、「幻想曲ハ短調 K.396(シュタットラーによる補筆完成版)」と「ピアノソナタNo.8イ短調K.310」がお気に入りの曲となっている。
交響曲、管弦楽曲、オペラ、協奏曲などでは華麗な作風にしていても、ピアノ独奏曲では装飾が殆ど無く、純粋に作者の心情がそのまま表れたと思える曲に出会うことがある。
フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレのピアノ曲がまさにそのように感じられる。
管弦楽曲や協奏曲は常に多くの一般の聴衆を意識しているが、ピアノ独奏曲はあまり聴衆を意識せず、作者自身が感じたことをそのまま音にして作り上げているものが多い。
私はあまり交響曲や管弦楽曲を聴かないが、これらの編成の曲は、作者や演奏者の感情をストレートに感じ取りにくい、ということがあるのかもしれない。
楽器の数が多くなればなるほど、曲は多彩、華麗、ダイナミックにはなるが、反面、作者の深く繊細な感情は表現しにくいし、感じ取るのが難しい。
奏者が多くなればなおさらだ。

今日記事にしたピアノのためのロンドNo.3イ短調 K.511」は暗く、メランコリーな曲で、一般受けのしにくい曲だと思うが、とても美しく、かつ作者の繊細な気持ちがそのまま表れた希少な曲だと思う。

イ短調であるが、イ短調という感じがしない。
それは次のような半音の音の使い方が随所に現れるためだと思う。







途中、イ長調やハ長調に転調するが、全体的には暗い。

次のような流れるような半音の連続のフレーズは聴く者に不安感を与えるが、とても美しい。



また次のアルペジオの連読も美しい。



モーツァルトの曲に対するイメージを変える曲だ。

録音はアルトゥール・シュナーベルの1946年のものを聴いた。
これは素晴らしい演奏。
シュナーベルの演奏は豪放という印象を持っていたが、それは一面しか見ていない。
曲によってはとても繊細な演奏をする。
シュナーベルはシューベルトのピアノ曲の録音も残しているが、ピアノソナタ第21番D.960の第2楽章などはとても素晴らしい。
今度あらためて記事にしようと思う。

Artur Schnabel plays Mozart Rondo in A minor, K.511


【追記20180917】
この曲を聴いているうちに、過去に原博のピアノ曲でどこか似た雰囲気の曲があったのを思い出した。
「悲歌」という曲だった。
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