住民の歴史:津高半田山緑道・町内会

町内会結成の頃(1971年~1976年)
緑道を求めた住民運動の記録(1986年~1987年)

はじめに_1 津高半田山緑道について

2022-04-21 01:00:00 | 住民運動

国土地理院の「地図・空中写真閲覧サービス」の画像をスクリーンショットしました。

緑道は、赤でマークした部分です。

当初、「やっちもない…、もっとマシなモンに…」の声もあったのですが、

周辺住民は、この形を望んで、実現しました。

その経緯を書きとめます。

 

場所はこちら  googlemap

 

開発によって変わってきた地形、空中写真でよく分かりますので、何枚か載せます。

画面中央下にある、三味線のバチみたいな形の「宮下池」は、どれも同じなので、目印になります。

(国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」のページが元ですので、そちらをご覧ください)

<2007年6月16日、撮影>

<1975年2月24日、撮影>

1961年6月6日、撮影(部分を切り取りました)

 

ーーこのブログについてーー

・コピーした資料は画像(jpeg)にしました。

 昨今の世情から個人名は消しましたが、消し忘れがある場合はご容赦を。

・ご意見・ご質問も歓迎します。個人情報については配慮したいと考えます。


はじめに_2 桜を植えた市道の法面

2022-04-20 01:00:00 | 住民運動

 

この場所は、津高台団地が造成される前は、半田山ハイツ南側の市道法面でした。

当時の町内大掃除は

雑草が茂る法面では、距離をとって何人もが草刈り機をうならせ、

下の水路では、デッキブラシ隊が並んで川底の苔をでこすり取っていく

という大掛かりなもの。

終わるころには、みなさん大汗をかいて日焼けし、

茹でタコのようになってたものです。

 

当時、新興住宅地だった半田山ハイツ。

「町内会ができて10年目」という1983年に、

その法面に記念植樹をしました。

桜とカエデを200本植え、憩いの場所になるのを楽しみにしていました。

 

地方新聞に載りました  山陽新聞:1983(昭和58)年2月13日

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「新しい古里をサクラの園に:半田山ハイツで植樹

 団地斜面に200本 子供たちも参加 苗木に名札付ける


1.住民運動のきっかけ

2022-04-19 01:00:00 | 住民運動

1986年、今から35年前の9月。

「半田山ハイツ」の住民は、うわさに聞いていた「隣接して開発される新団地」の計画を、正式に知らされました。

開発業者が、町内会議の場所に、図面をもって説明に来たのです。

 

開発の図面を目の当たりにした住民は、驚きました。

サクラを植え、草刈り機を振り回してきた法面と、デッキブラシでしごいた川底が、

開発業者に売り渡されて、宅地になる!

 

説明会当日、傍聴した住民のメモ書き。

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1986年9月25日

町内会議にて、開発業者・熊谷組からの説明あり。

(役員の他、傍聴人も出席)

熊谷組の説明によると

1. 津高住宅団地造成は6年前から計画し、1986年から地権者(地主)と交渉を始めた。

2. 県と市には開発の許可申請をだした。

3. 32町歩の土地に16町歩の宅地を計画、1区画60坪で840戸を予定している。

4. 半田山ハイツの生活排水は、南端の市道横に水路(ボックスカルバート)を埋めて送り、その上に3m程度の緑地帯を設ける。

5. 市道の法面は開発地域とし、その部分は40戸ほどの宅地とする。

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説明を聞いてイメージしたのは下図。

桜並木だった道路の南側に、一面の住宅が並ぶ⁈

のり面の桜はどうなるんだろう⁇

とても納得は出来ないと、自然発生的に住民が集まりました。

 


2.「法面は現状のまま残し、業者に売却しないで」と市に要望

2022-04-18 01:00:00 | 住民運動

新団地の開発は、すでに軌道に乗っている段階とのこと。

開発申請には何の権限も及ばない近隣住民だけど、

「法面が宅地になるのは反対!」は譲れない信念です。

その意見を町内会で出しても、

「団地の開発反対」になるから無理、と汲み上げられませんでした。

 

しかし、「自分たちのもの」と思っていた桜ののり面が業者の手に渡り、

住宅に変わってしまうのは我慢できない!

 

町内会が「無理だ」と言うんなら、沿線住民が中心になって『緑を守る会』を作り、

「住民団体」として「市長」に、「業者に売らないで」と請願しよう、ということになりました。

 

いろんな職業(または退職後)の人が、知恵を出し合って『要望書』を作り、

賛同人の署名を集めました。

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要望書

<要旨>

法面は現状のまま残し、開発業者に売却しないこと

<理由>

現在520戸の住民が暮らす団地に隣接して840戸の新団地ができる計画がある。

将来は1500戸の大団地になるのに、接続地点には幅3メートルの水路上の緑地が残るのみで、

法面にまで宅地が計画されている。

法面の部分は宅地にすることなく、現状のまま残して欲しい。

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市長あての「要望書の賛同人」に、町内で918名の署名が集まりました。

添付資料に、「法面の地図」と、前述の「山陽新聞の記事コピー」を添えて、

10月18日、津高支所に提出しました。

 

 


3.正確な情報を、きちんと伝えたい

2022-04-17 01:00:00 | 住民運動

多くの人に賛同してもらうには、正しい情報や知識を入手し、

それをきちんと伝えることが重要です。

 

熱意先行で住民運動をしていましたが、

専門的な知識はないし、現状も分からないので、

協力してくれる人を探しました。

市の問題だからと、地元に縁のある市会議員さんや。

法的な問題や土地の権利関係などを理解できる人を。

その方々は、快く協力してくれました。

 

そして、次のことが分かりました。

・市道の法面は『市の所有地』であること、

・このようは広い市有地の売却には議会の議決が必要なこと。

 

町内の人には、情報を正確に、早めに伝える努力をしました。

交渉の経過や分かったことは、用紙1枚にまとめてコピーし、

『緑を守る会ニュース』として、町内全戸に配布しました。

その『ニュース』、手もとにあるのは、No2からNo9で、

1987・2・27発行の「No9」が最終回(たぶん)。

これらの『ニュース』を何枚か、テーマに関した所に残します。

 

市への「要望書」を出した報告は『ニュースNo2』で、全戸配布しました。