(私の「病み」にある程度耐性のある方は、反転させてお読みください。)
私があの人の笑顔を間近で最後に見たのは、あの人の誕生日だった。
その時は、まさかこんな事になるだなんて思いもしていなかった。
あれから、もう7ヶ月が経とうとしている。
初めて自分から踏み出した恋。
空ばかり見ていて、大事なものを失っていく事に私は気付かなかった。
ちゃんと、あの人と向き合おうとはしていなかった、情けない私がいた。
何とも想われなくなる事に、もはや疑問も無い。
もう一度想ってほしいだなんて、言わない。
ただ、あの時一言告げてほしかった。
「もう好きじゃない」と。
そうでなければ、こんなにみじめな思いにならずに済んだかもしれないという事も、また事実だ。
最初に好きになったのは、瞳だった。
長い睫毛の奥の黒い瞳が、誰よりも綺麗だった。
次に好きになったのは、声だった。
恵まれた美しいハイトーンは、私の心を擽った。
やがて、私はあの人の全てを好きになっていった。
でも今は、その気持に寄り添うように、その全てを嫌う気持もある。
私をこんな風にさせたのも、その全てだったから。
全部、私が悪いのだ。
結婚まで考えた人の事は2日でふっ切れる事ができたのに、今はこの有様。
私の周りのすべての出来事が、今では頭のどこかでいつもあの人に繋がってしまう。
どうして、忘れられないのだろう。
今は、私が勝手にあの人の事を想っている。
いわゆる「片想い」。
でもあの人は私の気持を既に知っているから、これ以上どうやって前に踏み出せよう?
今日が終われば、あの人の姿を見るのは当分先の話。
ひょっとしたら、二度と会えなくなってしまう可能性すらある。
「もう会えない」
そう思うと、たまらなくなって涙がぽろぽろこぼれてきた。
今日の午後、いつのまにか泣き疲れて眠ってしまっていた自分に気付いて、私は身体を起こした。
とりあえず風にあたって頭を冷やそうと、部室の外に出た。
偶然、あの人がいた。
私の目下を通り過ぎていくあの人と、一瞬目が合った。
『待って、いかないで』
その言の葉が私の口から紡がれる事は、なかった。
私には、もう勇気も何も残っていなかった。
あるのは、あの人を恋慕う想い、ただ一つ。
私は、あの人がいなくなった路を眺めた後、部室に戻った。
そしてその後、先輩にすがるような形で、泣き続けた。
あの時と、同じだった。
「会いたいなんて もう言わないから」
そんな事、私には難しすぎてとても言えやしない。
もう想ってくれなくてもいい。
ただ一つ願うのは、もう一度だけあの人と向き合う事。
あの人に、もう一度だけ触れる事。
私に、果たしてそれが許されるのかは、分からない。
こんな私を、少しでも哀れだと思ってくれるのなら。
もう一度だけ、私は貴男に会いたい。
私があの人の笑顔を間近で最後に見たのは、あの人の誕生日だった。
その時は、まさかこんな事になるだなんて思いもしていなかった。
あれから、もう7ヶ月が経とうとしている。
初めて自分から踏み出した恋。
空ばかり見ていて、大事なものを失っていく事に私は気付かなかった。
ちゃんと、あの人と向き合おうとはしていなかった、情けない私がいた。
何とも想われなくなる事に、もはや疑問も無い。
もう一度想ってほしいだなんて、言わない。
ただ、あの時一言告げてほしかった。
「もう好きじゃない」と。
そうでなければ、こんなにみじめな思いにならずに済んだかもしれないという事も、また事実だ。
最初に好きになったのは、瞳だった。
長い睫毛の奥の黒い瞳が、誰よりも綺麗だった。
次に好きになったのは、声だった。
恵まれた美しいハイトーンは、私の心を擽った。
やがて、私はあの人の全てを好きになっていった。
でも今は、その気持に寄り添うように、その全てを嫌う気持もある。
私をこんな風にさせたのも、その全てだったから。
全部、私が悪いのだ。
結婚まで考えた人の事は2日でふっ切れる事ができたのに、今はこの有様。
私の周りのすべての出来事が、今では頭のどこかでいつもあの人に繋がってしまう。
どうして、忘れられないのだろう。
今は、私が勝手にあの人の事を想っている。
いわゆる「片想い」。
でもあの人は私の気持を既に知っているから、これ以上どうやって前に踏み出せよう?
今日が終われば、あの人の姿を見るのは当分先の話。
ひょっとしたら、二度と会えなくなってしまう可能性すらある。
「もう会えない」
そう思うと、たまらなくなって涙がぽろぽろこぼれてきた。
今日の午後、いつのまにか泣き疲れて眠ってしまっていた自分に気付いて、私は身体を起こした。
とりあえず風にあたって頭を冷やそうと、部室の外に出た。
偶然、あの人がいた。
私の目下を通り過ぎていくあの人と、一瞬目が合った。
『待って、いかないで』
その言の葉が私の口から紡がれる事は、なかった。
私には、もう勇気も何も残っていなかった。
あるのは、あの人を恋慕う想い、ただ一つ。
私は、あの人がいなくなった路を眺めた後、部室に戻った。
そしてその後、先輩にすがるような形で、泣き続けた。
あの時と、同じだった。
「会いたいなんて もう言わないから」
そんな事、私には難しすぎてとても言えやしない。
もう想ってくれなくてもいい。
ただ一つ願うのは、もう一度だけあの人と向き合う事。
あの人に、もう一度だけ触れる事。
私に、果たしてそれが許されるのかは、分からない。
こんな私を、少しでも哀れだと思ってくれるのなら。
もう一度だけ、私は貴男に会いたい。