STARLIGHT NIGHTS

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♪ サイトウ・キネン・フェスティバル2011(Ⅱ)

2011年08月27日 | 音楽(コンサート)
♪ 武満徹メモリアルコンサートXVI

○日時 2011年8月24日(水)17時15分~21時20分
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 ピーター・ゼルキン(ピアノ)
○プログラム
    武満徹 遮られない休息
        フォー・アウェイ
        閉じた眼 ~瀧口修造の追憶に~
        雨の樹素描
        閉じた眼Ⅱ
    ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲ハ長調 作品120

音楽文化ホールが地震の被害があったため、文化会館大ホールに変更して開催。開演時間も15分繰り下げた。チケットもぎりの際、会場変更のおわびとして、オリジナルのストラップをいただいた。金属製で裏面には”Takemitsu toru Memorial Concert”と刻印されているもの。主催者の心意気に感謝します。記念になりますね。
サイトウキネンで恒例となった武満メモリアル、できるだけ外したくないプログラムなのですが、ここ数年聴くことができませんでした。今年は久しぶりとなりましたが、ゼルキンのピアノリサイタルということで期待していました。武満とベートーヴェンの組み合わせは、何とも言えないのですが、後半の超大作ディアベリ変奏曲(実演では初)、実に多彩な返送が続く長い曲。ゼルキンのピアニズムもベートーヴェンらしくなく、音楽構造がよくわかる(?)演奏でした。前半の武満。ピアノソロの曲を5曲でしたが、途中拍手を入れず一挙に聴かせました。曲間の間合いも十分とり、余韻たっぷりで武満の世界を堪能しました。そういえば、私の席の5列ほど前には、武満夫人(未亡人)がいらっしゃいました。
ゼルキンは生前の武満と交流があり、直接演奏法など聞いていたようです。作曲者本人から直伝されていたのですね。休憩中ロビーの売り場で、RCAから出されているゼルキンの武満ピアノ曲集を購入しました。ライナーノートによると、  は武満がゼルキンに献呈した曲だったのですね。小澤さんも、このフェスティバルの招聘するため10年ほど前から声をかけていたそうです。ようやく実現し、すばらしいコンサートになりました。




♪ バルトーク/バレエ「中国の不思議な役人」・オペラ「青ひげ公の城」

○日時 2011年8月25日(木)19時~21時25分
○会場 まつもと市民芸術館
○演奏
  出演:青ひげ公:マティアス・ゲルネ(青ひげ公の城)
     ユディット:エレーナ・ツィトーコワ(青ひげ公の城)
     Noism1:井関佐和子、宮河愛一郎、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、
青木枝美、真下恵、藤澤拓也、計見葵、宮原由紀夫、亀井彩加、
角田レオナルド仁
     Noism2
合唱:SKF松本合唱団(中国の不思議な役人)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:沼尻竜典(中国の不思議な役人)、ピエール・ヴァレー(青ひげ公の城)
演出/振付:金森穣
空間:田根剛、 リナ・ゴットメ、ダン・ドレル(DGT)
衣裳:中嶋佑一(artburt)
照明:伊藤雅一(株式会社 流)/ 金森穣

○プログラム
  バレエ「中国の不思議な役人」 〔全1幕〕
  オペラ「青ひげ公の城」 〔全1幕 原語(ハンガリー語)上演 〕

電車で松本駅下車、芸術館へは18時45分頃到着。入るとすぐに人だかり。小澤征爾降板のお知らせ。医者の診断ではOKが出たものの、18時10分(開演50分前!)、ベッドから起きられず、本日の指揮を断念されたとのことでした。急遽のことだったせいか、お知らせ文も手書きでした。


肝心の演奏(舞台)の方…。
中国の不思議な役人:予習のために何も聴く機会がなかったぶっつけ本番で臨みました。荒々しいリズムのバルトークらしい音楽。冒頭くもの巣のようなバレエ団の人たち。赤い卓袱台のような台がステージのポイント。黒子のダンサーが舞台を引きしめる。こんなステージが見られたら、今度はストラヴィンスキーの春の祭典のバレエステージを見たいと思った。
青ひげ公の城:一応CD(インバル盤)で予習をしておいた。城の7つの扉を次々に開けて、最後に悲劇が・・・という筋立て。ふたりの歌手は文句なしの歌唱。代役の指揮者ヴァレーも引き締まった音楽を奏でる。バレエもそうだが、演出は音楽と舞台がうまくかみ合っていたと思う。出来はバレエの方が良かったかな。オペラの方はふたりの歌手と背景の鏡(?)の裏に影の出演者がいるというような演出であったが、もう少し何かがほしかった。3階席からだったが、背景が動くとき、その構造物の様子が見えてしまって少し興ざめ。その辺で少しマイナス点を入れてみた。
小澤征爾が出演しなかったことから、カーテンコールの盛り上がりはいまひとつであったが、良いステージを見せていただきました。でも練習・仕込みと小澤征爾が全て関わってきたことですし、一部なりとも、小澤さんの青ひげ公を観ることができたと言っても言いのではないでしょうか。


8月26日のオーケストラ・コンサート。家人が手術することになり、その経過のため病院へ。半券もぎられず手元に残っています。これもいた仕方ありません。
若手マテウスの手腕はいかがだったのでしょうか。