STARLIGHT NIGHTS

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♪ サイトウキネンフェスティバル2007 オーケストラコンサート Bプログラム

2007年09月07日 | 音楽(コンサート)
小澤の幻想・・・

○日時 2007年9月6日(木)19時05分~21時20分
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 指揮:小澤征爾
    サイトウ・キネン・オーケストラ
    ソプラノ:ルネ・フレミング
○プログラム
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
アンリ・デュティユー/瞬間の神秘
アンリ・デュティユー/Le Temps L'Horloge(世界初演)
 ソプラノ:ルネ・フレミング
 (ボストン交響楽団、フランス国立管弦楽団との共同委嘱作品)
ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14 

台風接近中。
車で総合体育館南の駐車場に到着。降りるやいなや、突然雨足が強くなり駐車場も水が溜まっていたこともあって、靴とズボンの下半分がびっしょり・・・。とてもこれからコンサートを聴きにいく服装じゃなくなってしまった。でもしかたない。
会場に入ると傘を預けた。この天気では、来場者ほぼ全員が傘を持ってきているので、傘たてが全く足りない状況。運営するボランティアの皆さんも大変だ。


グッズ売り場では、これから演奏するはずのカール・ライスター氏(クラリネット)と遭遇。演奏前、ここをうろつくような余裕があるのはさすが。
2階に上がると、大ホール入口には、フェスティバルの写真展とロストロポーヴィッチ氏のメモリアル写真展があった。フェスティバル写真展では、昨年の内田光子さんとの競演(ベートヴェン「皇帝」)の写真が気に入った。恐らく、曲のエンディングだと思う。小沢氏と内田さんとのアクションがすごい。


この日は、六本木ヒルズで生中継があって、テレビカメラが入っていた。

冒頭の「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、今日亡くなられたパヴァロッティに捧げられた。そうした“悲しみ”もあったせいか、演奏もちょっと硬い。冒頭のホルンの音も悪かった。曲の後半ちょっと持ち直したようだが・・・。追悼の意を込めて、曲が終わっても長い沈黙・・・。拍手も控えめ。
次に、デュティユーの曲。「瞬間の神秘」は、弦楽とツインバロンと打楽器のための曲。弦楽の強靭な響きの中で、ツインバロンと打楽器各種が織り交ぜられたような構成。さすがこの弦楽の響きはすごい。
次にデュティユーの新作。Le Temps L'Horloge(ルタン ロロージュ)は、「時間 大時計」という意味。この名の詩による曲が第1楽章。3楽章まである詩をソプラノ、ルネ・フレミングが歌う。世界初演に立ち会えるのはなかなかないことだが、曲・演奏への評価は「・・・」ですね。
アンリ・デュティユー本人(92歳!)も来ていました。客席右隅のA席の区画にいた。「瞬間の神秘」が終わると、ステージから小澤氏が手を挙げ、自分の席で立ち上がり、拍手に応えていた。スポットライトも当たっていました。「Le Temps L'Horloge」が終わった時は、フレミングさんと小澤氏が手を挙げると、杖をつきながら、ステージ正面(ステージ上はオーケストラメンバーがいっぱいになっていたので挙がれなかったよう)に歩いてきて、ステージ上の小澤氏、フレミングさん、コンマスと握手し、観客の拍手に応えていた。
ここで休憩。デュティユー氏が客席を出る時も拍手が沸き起こった。
続いて、後半の幻想交響曲。
第1楽章は、これ以上ないほどの柔和な響き。それでも芯のある音。やはりフランス音楽かな?と思った。今までこうした曲はあまり取り上げていなかったせいか、サイトウ・キネンもこんな響きを出すのか・・・と感じた次第。
第2楽章のコルネットはオケ全体の響きに埋没してよく聴き分けられなかった。
第3楽章から打楽器も大活躍なのだが、この曲ティンパニが2対、ふたりの奏者で演奏するのだが、ひとりしかいない。楽器は2対ある。実は雷鳴の場面はステージ外にあった別のティンパニで演奏していた。ここが終わると、もうひとりの奏者とほかの打楽器奏者数人がステージへ登場。第4・第5楽章。アヘンを飲み幻覚を見て自殺をはかる設定の場面。迫力あるが美しい音楽づくりで、どうか・・・とも思ったけれども、ところどころ不気味な響きも出していた。第5楽章の鐘の音。あまりにもリアルな音で、録音をスピーカーから流しているように感じた。奏者がステージ外に出て行ったので、実際演奏したものだと思うが・・・。
曲が終わると、盛大なブラヴォー。オケが引き込んだ後の一般参賀も2回。


自分がいた席のせいなのか、音がちょっと変。オケの音も今まで感じたことがないようなアラを感じるし、客席からの咳払いなどノイズもとても気になった。
何度も聴きに来ている会場なのだが。
この席は初めてだったけど。
ナゼだろう。