STARLIGHT NIGHTS

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♪ サイトウキネンフェスティバル2007 オーケストラコンサート Aプログラム

2007年08月30日 | 音楽(コンサート)
感情豊かなラフマニノフ!

○日時 2007年8月30日(木) 19時00分から21時05分
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 サイトウ・キネン・オーケストラ
○指揮 広上淳一
○プログラム
    ハイドン 交響曲第60番ハ長調Hob.Ⅰ-60「うかつ者」
    (コンサートマスター:潮田益子)
    ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調作品27
    (コンサートマスター:豊嶋泰嗣)

最近のゲスト指揮者は楽しみにしている。
今年は広上淳一氏。オーケストラのポストにつく経歴は少ないが、海外を含め、演奏経験豊かな方のようだ。
氏の録音の中では、マーラー交響曲第4番(ロイヤル・フィル)を聴いたことがあるが、旋律を思いっきり歌わせ、個性豊かな演奏だった。このテでラフマニノフをやったら面白そう・・・と楽しみにしていた。
ハイドンとラフマニノフ。
これまでサイトウキネンのプログラムでは珍しい選曲。
ハイドンは交響曲の父とは言っても、なかなか実演を聴く機会は少ない。
今回は後期(ロンドン・セット)の曲ではなく珍しい。
「うかつ者」という冗談のようなタイトルが付いているが、本来、「うかつ者」という劇音楽を再編した曲なのだそうだ。しかも6楽章まである。
広上氏の演奏は、重心の低い引き締まった響きで、古典的な構成美を作り上げていく。皆さん、6楽章まであることを知らなかったのか、第4楽章のプレストが終わると盛大な拍手が・・・。
第6楽章には“仕掛け”があって、楽章が始まるやいなや、コンサートマスターが立ち上がって、チューニングを始めてしまい、広上氏が客席に向かい、両手をあげて困った表情・・・。思わず笑い声!(これは楽譜にある演出らしい)

後半のラフマニノフ。
期待どおりの演奏!中でも、一見とっつきにくい第1楽章とこの第3楽章が好演だった。
この曲、第2楽章のスケルツォの冒頭部分は、以前、長野放送の20時50分台のローカルニュース(NBSニュース)のオープニングに流されていたことは有名。
中核は、第3楽章のアダージョ。情感豊かなメロディが、これでもか・・・これでもか・・・と寄せては返し繰り返される。
カール・ライスター(元ベルリン・フィル)による長い長いソロ。(ちょうどビオラ奏者の間からよく見えた)引きつづき、弦楽の濃厚な調べ。
この楽章の終わりが近づいた時、“もっともっと!このまま続いてほしい・・・”
と密かに思った。

サイトウ・キネンの弦楽パートの底力を十分引き出した演奏だった。
ブラヴォーの声の多さも、最近では稀。

それにしても広上氏。
ダイナミックな指揮ぶりと、表情豊かな顔つき。
“一緒に良い音楽をつくっていこうね!!”
という人柄を感じ、舞台姿にも好感を持った。