8月は暑すぎたり、雨が降ったりで 思うように自転車に乗れない日がつづいていますね
(台風11号の被害がなかっただけで良しとしなければ!)
お盆過ぎればいくぶん暑さも和らぐことでしょう~
しばらくは涼しい室内でひとやすみ・・・におすすめの本を、ご紹介~
『追い風ライダー』 米津一成 著
表紙だけみると ラノベ系かな?と思っていて、なかなか手にとれなかった一冊。
読んでみたら、面白かったんです。
文章は、サクサク読める軽快さ、
読み進めていくほどに、著者の自転車に対しての 愛情と造詣の深さ を感じます。
自転車乗りにしかわからない感覚を さらりと文章の中におりまぜてて、ヤラレタ感でいっぱい。
たとえば、この一文
~すごく速く上れるわけじゃなくても、誰かが見ているわけじゃなくても、
上りきった頂上にたとえ何もなくても、自転車乗りは坂を登る。
きっと登ることで解放されたいのだ。
自分のぎりぎりの力で坂を登り切ったことの意味は、速くても遅くても変わらない。
自分と向き合い、力を出し切り、そして解放される。
・・・くぅ~って感じでしたよわたしはもう。。。
自転車をめぐる 5話のショートストーリーで構成されており、
それぞれ実際のサイクリングコースを舞台に、ドラマが繰り広げられております。
各話にさりげな~く共通の登場人物がいたりして、スピンオフ的なつくりになっているのも連作っぽくて楽しめました。
この作者さん(米津一成氏)の他の作品はどんな感じかな、と探すと これまたズバッと直球来たー
『自転車で遠くへ行きたい』
こちらは小説でなくて 著者の体験談をおりまぜた〈ロングライドのすすめ〉
最初は100㎞から始まって、徐々に200㎞、300㎞と距離が伸びてブルベまで。
文章がね、
「こういう風に伝えたかったんですよ、わたしも自転車の楽しさを!」 と云いたくなるくらい的確で。
(なんでわかったんでしょう、私の心の中が・・・?) と思ってしまうほど 共感して読みました。
わたしには未知の距離も書かれているけど、「距離の壁は心の壁」というのは本当だなあと思います~
とにかく自転車で遠くに行ってみたいなあ、どこまでも と思う方は
ぜひ読んでみてください
ちなみに、米津氏が 作中で引用しておられた小説
竹中真 『自転車少年記』 こちらも面白いです
青春の甘酸っぱい感じが全篇にただよう 時代の空気も含めちょっと懐かしい感じのお話ー
この本、わたしは自転車に乗り始めたころに読みまして、ロングライドに憧れるきっかけにもなりました。
いまわたしがこんなふうに自転車に乗っているのは、このお話から受けた影響が大きいかもしれません。
「東京~糸魚川ファストラン」 いつか走ってみたい・・・
続編『自転車冒険記~12歳の助走』もあります。
こちらは主人公の昇平の息子の冒険ストーリ-です。
こちらは親になった昇平の目線で書かれています。 どちらも若さがアツいぜ