にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

〔観戦記〕安房-城北@第80回センバツ1回戦(後)107年越しの安房旋風、甲子園上陸!

2008-03-24 18:28:11 | 野球全般カテゴリ
 1日目第3試合として行われた、安房高校対城北高校の試合。普段は外野席で観るんですが、この日は久しぶりにアルプススタンドに行ってみました。



 第2試合終了直後、スタンドの入れ替えを待つ安房高校の応援団。
 野球部創立107年目にして、ついに念願の甲子園出場を果たしたとだけあって、地元館山を中心に大応援団が詰め掛けました。
 安房高校応援席に集まったその数、なんと5,000人。応援の人数としては明らかに多い部類に入ります。



 しかも、そのほとんどがスクールカラーの紫色のジャンパーを身にまとい、紫色のメガホンを持ち、1塁側アルプススタンドはご覧の通り紫一色。
 外から見たら、さぞ迫力があったでしょうね。



 スタンド最上段にひるがえる応援旗。



 一方、その安房高校に負けじと熊本から集まった、城北高校の応援団。
 こちらはオレンジがチームカラーです。



 試合前の練習が終わり、選手たちがスタンド前に挨拶にやってきました。



 さぁ、いよいよ試合開始です!



 スタメン。安房高校は打のチーム、一方の城北高校は九州屈指の右腕村方君を擁します。それだけに、ロースコアなら城北有利、打撃戦に持ち込めば安房に分があるか、というのが事前の予想でした。



 果たして、その村方君は8回まで3塁を踏ませない好投。3回辺りから高めのボール球が目に付きましたが、低めの球を空振りさせ、安房打線を抑えます。



 一方、安房の先発佐野君も粘りの投球で対抗します。再三得点圏に走者を背負いながらも、バックの好守にも助けられ、失点を阻止します。



 象徴的なのがこのシーン。
 8回裏2死1,3塁のピンチで、5番原君が初球を打った球は、3塁フェンス際へ。これをサード佐藤君が敢然と追いかけ、記者席に突入します。
 大ケガの恐れもあるプレー。医師が駆けつけ、担架の用意までされるなど、慌しい事態となります。



 ですが、しばらくすると佐藤君は無事に記者席から出てきました。打球は取れなかったものの、これで城北に傾きかけていた流れが一気に引き戻されます。



 この後佐野君は原君をセカンドフライに打ち取り、またもやピンチ脱出!そして9回がやってきます。
 この回は1番岩澤君からの好打順。三振とライトフライで2アウトを取られますが、3番鈴木君の打球がショートを強襲。



 そして、4番鹿嶋君が右中間を大きく破る3塁打! ついに安房が1点を手に入れました!



 先制に沸きあがる安房応援席。なおも2死3塁のチャンスに、打者は先ほど猛守を見せた佐藤君。スタンドも俄然盛り上がります。



 そして、その佐藤君はレフト前へのタイムリーヒット! 最終回に貴重な2点のリードを奪いました!



 しかし、城北高校はなおも諦めません。先頭の村方君は倒れたものの、続く福原君がヒットで出塁。この後角山君・新井隆浩君の代打攻勢で食い下がります。



 2死1・3塁。1塁の新井隆浩君には代走樫本君を起用。一打同点、あるいは逆転サヨナラホームランすらありえる場面です。
 しかし、佐野君がここでも踏ん張りました。鶴君を1塁ゴロに打ち取り、ゲームセット!
 安房高校、107年越しの初勝利です!



 試合終了、健闘をたたえあう両チーム。実に引き締まったナイスゲームでした。



 安房高校の校歌が甲子園に流れます。



 これまで、幾多もの先輩たちが果たせなかった夢が、今ここで叶っています。



 勝利の喜びに浸る応援席。地元もさぞ盛り上がっていたことでしょう。
 初戦を突破した安房高校。特に注目したいのが、スローガンの「常に全力」を具現したプレーです。
 先ほど書いた佐藤君の守備もそうですし、スポーツナビのコラムにもあるように、細かいところまで手を抜かない意識の高さ。
 この日の試合は、そんな「全力」というものが大きな武器となることを、何よりも雄弁に証明して見せたものではないでしょうか。
 高校野球の歴史をひも解くと、初出場校が旋風を巻き起こした例はいくつもあります。この分だと、安房高校も……そんな期待を抱かせる試合でした。



 選手たちが駆けつけました。
 歴史的一勝の喜びを分かち合う、選手と応援席。その様子を眺めながら、ふと思ったことがありました。
 私は高校時代吹奏楽部にいたもので、高校時代は野球部の応援で、スタンドで演奏したこともあります(さすがに甲子園ではありませんが)。
 ですが、私が通っていた高校は、数年前に改組され、消滅しました。
 後継となる高校には野球部がないのか、毎年地方大会の組み合わせに、名前が登場することはありません。
 それだけに、正直なことを言うと、こうして母校を応援できる人たちを見て、羨ましいなぁ、という気持ちはあります。
 ただ、だからこそ思うんです。
 母校を応援できる人は、その喜びや楽しみを、十分に味わってほしいと。
 本大会の優勝候補でも、毎年初戦負けの学校でも、グランドに母校の名を背負った選手が立ち、彼らを応援できること自体が素晴らしいことなんですから。
 だから、この日は思いの限り応援する人たちを見て(その中には安房高校の卒業生以外も少なからずいたでしょうが)、羨ましい気持ちと、これでいいのだという気持ちと、両方を感じていたのでした。

 さて、帰りに新装開店したグッズショップを覗いてみたのですが、



 安房高校だけペナントがありません。売り切れてしまったようです。
 他のグッズを見ても、記念ボールといい、キーホルダーといい、安房高校のものはすべて売り切れ。1塁側と3塁側の両方を見てみましたが、どちらでも売り切れ。
 他では城北高校のものが品薄になっていましたが、あとの4校のグッズはまだ残っていたのに対し、安房高校のグッズは軒並み完売です。
 おそるべし、安房旋風。そしてダルビッシュアワレ


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
センバツ評 (アパッチ)
2008-03-24 21:56:52
春は意外に荒れるんですよ、天気も試合も。春風に乗って若さが爆発するし、また春風と共に甲子園名物「浜風」も吹きやすい季節ですから、相まって強豪校だろうと初出場校だろうといつ見てもまったくの互角になる…というのが私の持論です。

昨日見てた試合でサヨナラ落球したアイツ、思いっきり泣いて、また大きくなって甲子園に帰ってきて欲しいです。こうゆう風に想いを寄せるのも春の甲子園ならではです。
返信する
アパッチさん (ルパート・ジョーンズ)
2008-03-24 22:15:40
今調べてみたら、センバツで初出場校が優勝したのが16回、夏の大会では13回でした。
(第1回大会は全ての出場校が初出場になるので、どちらからも除いてます)
準優勝なりベスト4・ベスト8などに対象を拡げると、また結果も変わってくるでしょうが、
春の方が初出場校の旋風が起きやすい、という面はやはりあるのかな、と思います。
最近では、2年前に清峰(長崎)が準優勝したというのもありましたし。

昨日は所用で試合は観てないんですが、エラーでサヨナラ負けというのは辛いですね。
本人も悔しいでしょうし、捲土重来を期して、また練習に励んでほしいものです。
返信する
高校野球と私 (hatedh524)
2008-03-24 22:20:01
私は千葉県民ですが、母校は毎年1勝できれば御の字、というところ。
甲子園に行ける学校がうらやましいなと思いながら毎年(民放で)見ています。なお、母校の応援に行ったのはなんだかんだで現役2年の時が最後。いつか都合をつけてもう1度行きたい。

なお、安房の勝利は21世紀枠であるがゆえに複雑な感情です。21世紀枠は「公立優先枠」という印象があってあまりいい気はしません。希望枠は補欠1位の中から1個拾い上げるのであってもいいんですが、こちらは今年で消滅と・・・。
返信する
滋賀の星 (トゥザフネ)
2008-03-24 22:34:40
へぇ~ルパートさんも吹奏楽部だったんですね。
実は私も元吹奏楽部員でして、しかしウチの部活は野球部にめっちゃ非協力的だったんで、野球の応援で一度も吹いた事がないんです(^^;一度吹いてみたかったなぁ。

今年は我が滋賀県代表の北大津がミラクルを起こしてしまい(ごめんダル)、北大津の吹奏楽部だった友達は喜んでるかなぁ・・・とか懐かしがってしまいました。
自分の出身校は近年めっきり弱くなってしまいましたが(私が入学する数年前にセンバツに行ったきり、、、って大昔やし(^^;;)
夏は母校も応援してみようかなとか思ったり・・・
返信する
hatedh524さん (ルパート・ジョーンズ)
2008-03-25 06:40:45
兵庫もそうなんですが、千葉も激戦区ですからね。
特に夏は「1校の格差」を露骨に感じるわけで、なんとかならんのかといつも思います。

>21世紀枠
私も、導入当初は「?」だったんですよね。
ただ、この枠で選ばれた学校がそれなりの成績を残しているところを見ると、
意外と正当性があるのかも知れないな、という気はします。
それでなくても、センバツの出場校選出過程全般を問うこともできそうですし[;;0J0]
返信する
トゥザフネさん (ルパート・ジョーンズ)
2008-03-25 06:51:10
うちの場合、野球部員から応援要請と一緒に、
「○○の応援歌を吹いてほしい」とリクエストがあって、
それに合わせていろいろ演奏していた記憶があります。
私はスーザホーン担当だったので、そりゃまぁ重くて大変でしたが[;;0J0]、
それも今ではいい思い出です。

北大津はここ数年力をつけてきたようですね。
確か一昨年も、いいところまでいったはずですし。
私も関西人なので、近畿勢にはぜひ頑張ってほしいです。
返信する
安房は (あさぎや)
2008-03-26 15:53:32
 いい守備してましたね。月並みですが、細かいミスがあっても気迫と集中力でカバー。外野の芸能マスコミどもがやかましく、少々気の毒でした……

 個人的には敗れた熊本・城北、特に村方投手を今夏はもちろん数年後に大学や社会人,あるいはプロの世界で見てみたいと思いました。去年の優勝校、常葉菊川・田中投手がそうでしたが速球の伸びがありました。スピードガン表示関係なしに「速い!」って感じる球は見ていてどきどきしますね。テレビで見だだけなので、私の勘違いという可能性も否定しませんが(苦笑)

 あと21世紀枠は、各都道府県の8強以上などと中途半端にせず、より上位の地方大会進出チームに絞ってほしいです。トーナメント制でありながら途中で敗れたチームが、より上位チームを差し置いて推薦されたり全国大会に出場するのは…… 夏の「都道府県大会に何百チームエントリーしようが代表は1チームぽっきり」というのも不平等なんですが。最大64チームまで全国大会出場できるよう地区を細分化したり、各地方毎に準優勝チームを集めてワイルドカード・ゲームを行うとか。選手の疲労度を考えたら余計にキツいから難しいかなあ。
返信する
あさぎやさん (ルパート・ジョーンズ)
2008-03-27 02:11:48
プロですらボーンヘッドがあるわけで、まして高校生だとミスが出のは避けられないんですが、
決定的な場面での集中力は見事でしたね。
村方君、生で見てもやはりいい投手でしたよ(笑)
先の期待もありますが、まずは夏にもう一度見てみたいと思います。

21世紀枠については、hatedh524さんへのコメントとかぶるんですが、
そもそもセンバツの選考基準全体が(善悪は別として)あいまいさを含んでいますし、
これだけが問題というようには思えないんですよね。
トーナメントでの勝敗というのも、一見すれば公平な基準には見えるんですが、
参加する高校の間にはハンデの差(資金力・地理的条件etc.)があるわけですし。
そう考えれば、21世紀枠だけを取り立てて問題視する気にはなれないもので、
むしろ、あさぎやさんがおっしゃるように、夏の高校野球をなんとかできんのかと思います。
これが道州制導入とかなったら、大きく変わるのかも知れませんが。
返信する