見に行ったまま記事を書いていなかった竹内栖鳳展。
前期と後期に分かれていたが後期しか見ることができなかった。
竹内栖鳳は1864年京都に生まれ、四条派の孝野楳嶺(こうのばいれい)に学び
後進たちに影響を与えた京都近代絵画の代表的存在。
絵画に対する栖鳳の姿勢は積極的であり
他派の手法を自在に取り入れて独自の画法で取り組んだ。
又、彼は旅の画家でもあり、北越地方やパリ万博への渡欧、中国、
そして潮来の風景などを求め、その体験を作品に反映させた。
池溏浪静 明治20年代
水辺に生い茂るフトイのそばで魚が跳ねる。
そしてあたりは静かに霞んでいる。
枯野狐 明治30年
細い細い月の下で狐の和毛の柔らかさが際立った絵で
栖鳳の画風によく見られる余白の美しさを感じる。
奥に薄くおぼろげに見える草が格調高い。
金獅 明治34年頃
渡欧から帰った翌年に描かれた金屏風に金の獅子。
透けるような金の毛とくっきりと描かれた口元のコントラストが 素晴らしく
百獣の王と呼ばれるライオンの雄姿があった。
散華 明治43年頃
花びらを蒔き、楽器を奏でる天女たち。
写真が小さくわかりづらいが、小太鼓、琵琶、琴、鈴、笛や笙などの楽器をそれぞれ手にしている。
東本願寺の天井画のために描かれた優美な女性たち。
斑猫 大正13年 重要文化財
人が多く前で見るのが困難だった作品。
実際は目の色が鮮やかな緑で、猫の感触が伝わってくるような体と
今にも動きそうな表情に見入ってしまう。
和蘭春光・伊太利秋色 明治35年
オランダの春とイタリアの秋が描かれた金屏風。金の上に淡く描かれたヨーロッパは夢のような風景でありながら物憂げな美しさがただよう。
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