日々遊行

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竹内栖鳳展(後期) 東京国立近代美術館

2013-10-18 | 絵画

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見に行ったまま記事を書いていなかった竹内栖鳳展。
前期と後期に分かれていたが後期しか見ることができなかった。 

竹内栖鳳は1864年京都に生まれ、四条派の孝野楳嶺(こうのばいれい)に学び
後進たちに影響を与えた京都近代絵画の代表的存在。 

絵画に対する栖鳳の姿勢は積極的であり
他派の手法を自在に取り入れて独自の画法で取り組んだ。
又、彼は旅の画家でもあり、北越地方やパリ万博への渡欧、中国、
そして潮来の風景などを求め、その体験を作品に反映させた。



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池溏浪静 明治20年代

水辺に生い茂るフトイのそばで魚が跳ねる。
そしてあたりは静かに霞んでいる。




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枯野狐 明治30年

細い細い月の下で狐の和毛の柔らかさが際立った絵で
栖鳳の画風によく見られる余白の美しさを感じる。
奥に薄くおぼろげに見える草が格調高い。







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金獅 明治34年頃 

渡欧から帰った翌年に描かれた金屏風に金の獅子。
透けるような金の毛とくっきりと描かれた口元のコントラストが 素晴らしく
百獣の王と呼ばれるライオンの雄姿があった。





散華 明治43年頃 
花びらを蒔き、楽器を奏でる天女たち。
写真が小さくわかりづらいが、小太鼓、琵琶、琴、鈴、笛や笙などの楽器をそれぞれ手にしている。
東本願寺の天井画のために描かれた優美な女性たち。

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斑猫 大正13年 重要文化財

人が多く前で見るのが困難だった作品。
実際は目の色が鮮やかな緑で、猫の感触が伝わってくるような体と
今にも動きそうな表情に見入ってしまう。





和蘭春光・伊太利秋色 明治35年
オランダの春とイタリアの秋が描かれた金屏風。金の上に淡く描かれたヨーロッパは夢のような風景でありながら物憂げな美しさがただよう。
   

 


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