自らの信念を貫き通し、フィニの中で醸成された夢幻や神秘は時間から浮遊した美意識として絵画に映し出される。
そこには「フィニ」という圧倒的な存在感があり、不思議な異空間へ導かれるような、
あるいは落ちてしまいそうな錯覚すら感じる。
謎めいた神話のような絵はフィニ自身でもあり、腐敗に美を、光に闇を閉じ込めて、見る者に謎を投げかけてくる。
そのイメージは夢の断片であり、時空を超えたドラマを見る思いがする。
MEMO◆レオノール・フィニの作品には著作権が発生する為、写真はカタログから引用した。
Leonor Fini(講談社)より
左 泉を守護する女(1967年)
右上 大いなる川渡り 一部分(1977年)
右下 赤い卵を守護する女(1954年)