地球にオリオン座流星群がやってきた今週、
大阪の我が家には、
九州に住むわたしの両親がやってきていました。
理由は、全盲の母のたっての願いを叶えるため。
この一ヶ月ほど、母は、
もしかしたら目が見えるようになるかもしれないと
奈良で噂の病院へ行きたがっていました。
が父は、 「行っても無駄じゃろ」 と、
母をなだめ続けていました。
我が家のリビングでくつろぎながら、
大阪に来ることになったいきさつを話す父は、
「じゃけんど、この本を読んだらのぉ・・・」 と
九州から担いできたリュックサックから
おもむろに一冊の本を取り出して、朗読を始めました。
それは先日、姉がけいれんで再入院した時に
わたしが父にプレゼントした本でした。
『最後だとわかっていたなら』
診察の結果は、父の言うとおりになりましたが、
ここまで遥遥連れてきてくれた、という事実が、
母の心の、これからの支えになったようです。
母もすぐ笑顔になり、
「目がダメなら、奈良公園で鹿でん一頭捕まえち帰ろう」 と、
冗談を飛ばして、気持ちを切り替えていました。
母 「連れてきてくれてありがとうな、父ちゃん」
父 「いんや、いいぞ。
これでオマエがいつ死んでん、オレぁ心残りはねぇ」
母 「・・・父ちゃん、うちダイヤモンドが欲しい!」
病院からの帰り道、
オセロな夫婦の、おどけた会話は延々と続いたのでした。
神戸に引っ越すことを
両親にまだ話していなかったので、
ちょうど良い機会になりました。
さっそく新居へご案内。
そこで父の意外な一面を知りました。
父が高いところ苦手だったとは・・・。
人間どんな長い付き合いでも
新たな発見があるものですね。
流星のようにやってきて、
流星のように去っていった両親なのでした。
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