黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃道:竹の上橋

2013-03-07 02:05:18 | 廃道
オープロジェクト新作DVD『廃道クエスト』
そのロケを振り返りながら、
一つ一つの廃道を取り上げてアップしています。

最後は、やはりDVDには収録しなかった、
奥日光の川治温泉にほど近いところにある
竹の上橋です。

wikiによると、奥日光の川治温泉郷は、
江戸時代に川の氾濫後偶然に発見され、
宿場町兼湯治場として多いに賑わったそうですが、
車で温泉街を通過する限り、
今では十軒足らずが営業をしているばかりで、
かつての賑わいは面影すら感じられません。
しかし、温泉はあまり行きませんが、
観光客で賑わう温泉街より、
こういったひなびた温泉街のほうが、
情緒があるのは確かです。

竹の上橋

温泉街を西に抜けて暫く走ると、
目指す竹の上橋は、道脇に突然姿を現します。
あいかわらずウェブ地図には表記されていませんが、
地図をクリックしてGoogleMapを表示し航空写真に切り替えると、
ほぼ中央付近に橋らしき形のものが見えますが、
(2013年3月7日現在)
これが竹の上橋です。





竹の上橋

地図の県道23号と白い道が合流する反対側付近に、
巨大な橋の主塔が残っています。
竹の上橋は、巨大な主塔を両側に持つ吊り橋ですが、
一般的な吊り橋の主塔が橋の上にあるのに対して、
この竹の上橋は、主塔が両岸の土地上にあり、
吊り橋のワイヤーがかなり手前の土地まで張り出しています。





竹の上橋

高さは目算で6m位でしょうか。
素朴ながらバランスがよく、
気の効いたデザインの主塔です。





竹の上橋

更に主塔の近くまで行って様子を見てみると、
釣り具はワイヤーなのに、床が木製なため、
ほぼ壊滅崩落状態です。
しかもかろうじて残る木部は中央付近に集中し、
渡り口付近の床は完全に落下してしまっています。
この樹木に囲まれた中に幻想的に浮かぶ、
空中崩壊吊り橋の状態が、
竹の上橋の魅力かもしれません。

遠くに、樹木に埋もれる対岸の主塔が見えるので、
対岸へも行って見る事にしました。





竹の上橋

県道23号をさらに西に走ると、
やがて小さな橋を渡りますが、
橋を越えて最初に左折する山道を入り暫く行くと、
対岸の主塔へ通じる道があります。
この道はGoogleMapでは表示されませんが、
Mapionだと表示されます→Mapion 竹の上橋付近

こちら側は対岸と違って短い廃道の先に主塔があるので、
一層幻想的な印象をうけます。





竹の上橋

形は対岸と同じですが、
柱の麓をみると、なんと!竣工年が皇紀です!

紀元二千六百年十二月竣功

紀元2600年とは、神武天皇から時代を数えた数え方。
そして2600年とは昭和15年(1940)年のことで、
まさに第二次世界大戦が始まる前夜の年号です。
この年、皇紀2600年を祝して、
国内では2600年祭がいろいろと繰り広げられたそうですが、
それはまさに、
太平洋戦争への戦意高揚の行事でもあったと思います。

→ You Tube 『奉祝国民歌 皇紀二千六百年』

この橋が軍事目的や皇紀2600年と、
直接関係があるのかないのかはわかりませんが、
今とは全く違う時代の記憶を、
今に伝える橋だと思います。





竹の上橋

竹の上橋の撮影をひとしきり終えて、
村道へ戻ってみると、
来た方向と反対側の方向の道に、
なにやら惹かれるものを感じて行ってみました。
すると画像中央のガードレールから、





竹の上橋

なんと廃橋が見えるではないですか。
石積みの真ん中だけコンクリートで補強し、
鉄板らしきものを載せただけの小さな廃橋。






竹の上橋

橋の袂に行って見ると、
両側の鉄枠がなければ、ほぼ土地と化してしまった、
さながらインディアナ・ジョーンズ~最後の聖戦~の、
ラスト間際に登場する<見えない橋>状態です。



竹の上橋

更に橋の先は廃道でしょうか。
造りはしっかりしているものの、
車の轍が無く、秋の枯れ葉が積もった道は、
ただ渡る風の音だけが聴こえる、
静寂の世界でした。



船場亭

ロケ終了後、せっかく日光にきたのだからと、
オープロのグルメ大将、大西さんお薦めの船場亭へ。

食べログとかを見ると、
昼間は日差しが差し込んで明るい店内のようですが、
夜はかなり照明を落としていて、
古民家へやって来た様な感じを味わえます。

船場亭

注文した岩魚、里芋、焼き鳥の炉端焼き。
岩魚はぷりぷり、里芋はほっくりで、
焼き鳥はご覧のように、
ありえないデカさながらジューシー。

もしこの付近へ行かれる事があったら、
是非立ち寄ることをお薦めします。

シリーズでお送りして来た廃道リポは、
これでひとまずおしまいです。
もしDVDの続編を作ることになったら、
その時は、改めてアップ出来ればと思います。



廃道クエスト




◆廃道サイトの決定板『山さ行がねが』◆




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