類別克服法

身体均整法の類別克服法についての解説

矢野先生版『類別克復法講座集』第一編 総説 はじめに(小柳

2013年03月01日 07時20分54秒 | 矢野先生版『類別克復法講座集』

第一編 総説

 
はじめに
 
 身体の矛盾克復に用いる神経反射法とは、体表部の感覚受容器に刺戟を加えることによって、反射弓を介して、末梢の奏効器に反応を惹き起こさせて、諸器官の異常を回復せんとする技法である。
 神経反射法のうちで、脊椎部において、脊髄反射を中核として調整刺戟を加えるものを、脊髄神経反射法という。
 ここに述べる“身体均整法 類別克復法”は、脊髄神経反射法並びに経絡反射法を用いて、身体の各器官の矛盾を克復する手技操法である。
◉身体均整法の根幹となるものは、平衡、強弱、可動性の三法則であり、この三法則に基づいて観察し、設計(デザイン)し調整を行うのであるが、その調整に用いる手技(テクニック)は、カイロプラクティック的な技法あり、スポンデロテラピー的なものあり、オステオパシー的なものあり、古武道的なものあり、東洋医学の経絡現象の応用あり多彩なものである。故にカイロプラクティックの立場でみるひとにはカイロプラクティックのようにみえ、オステオパシーの立場で見る場合にはオステオパシーの如く思われ、スポンデロテラピーの考えで見る時にはスポンデロテラピーのように受け取られる。しかしそれは正しい見方考え方ではない。
同じく鋸、かんな、のみ等の道具を用いて作業しても、大工さんは家屋や家具を造り、下駄の職人は履き物を作り、彫刻家は美術品を創作する。均整法の法則に基づき観察調整すれば、如何なる手段を用いても、それは立派な均整法となるのである。この講座における各器官の矛盾克復法において行使する手段は、アメリカのスポンデロテラピー及び東洋の経絡調整法を応用しているのであるが、身体均整法の名を冠して銘打っている以上、おのずからその観点を異にするものである。
◉この講座のテキストとして用いる「身体均整操法類別克復法」は、便宜上アメリカのスポンデロテラピー(脊髄神経反射法)を根幹として記述してあるが、それだけではなく、骨格や筋肉を対象のオステオパシーやカイロプラクティックの技法を加え、さらに東洋医学における経絡も加味して構成されており、又そのテクニックにおいては、アメリカにおけるそれとは全く異なった独特な技法であり、身体諸器官の矛盾克復にはこれが最高である。
 尚、本法にて用いる経絡は、針灸で用いる場合とはその観点を異にするものであり、経絡を運動系の伝導路として用いるところに特色がある。
◉アメリカにおいて、オステオパシー、カイロプラクティックとともに、三大手技療法といわれているこのスポンデロテラピーは、エブラムス博士が近代医学に照らして、いろいろと実験して創始し、1910年に発表された優れた療法であるが、現在ではアメリカにおいては、これを行使している者は殆どいない状態に衰微し、オステオパシーとかカイロプラクティックとかの骨格、筋肉を主眼とする療法のみが行われている。
しかし個々の疾病を治すには、スポンデロテラピーは一番すぐれた療法である。それなのに何故次第に行われなくなったかというと、医学の進歩とともに、病気を治すことは医師の領分となり、民間で行われることが認められなくなったこともあるが、元来アメリカ人は手先が不器用であり、日本で行われているような、いろいろな手技による調整法ではなく、器具を用いて刺激を行うような微妙な調整が行えず、折角すぐれた理論に基づきながら、それを利用する者が少なくて衰退したものと思われる。骨格、筋肉を目標とするオステオパシーやカイロプラクティックでも合衆国政府が医学として認めているわけではなく、州知事が認めているにすぎない云わば民間療法のようなものである。
◉この講座で述べる類別克復法は、単に物理的な反射作用のみならず、精神的な要素も内包されているものである。
 人間は物質的な要素と精神的な要素とを兼ね備えた生命体である。或いは心主体従とみることもできるし、或いは体主心従とみることもできる。
 スポンデロテラピーは、オステオパシーやカイロプラクティックに比べて、心理的要素が大きく影響を与えている。この場面を無視して行うと、良かれと思って加えた操作が、却って悪結果を招くこともある。故に操作に当たっては、心理的な要素に充分に考慮を払って行うことが必要である。
◉この「類別克復法」に収められている数多くの個々の疾病に対する神経反射点については、すべて精密な電気的検査を行って、その効果を確認したものである。即ち、神経反射の場と反射作用を、個々の疾病について探究する作業には、十年の歳月を費し、苦心の末まとめたのが、この「類別克復法」であり、我々が日常臨床上当面する主要な疾病については、余さず収録したつもりである。
 しかし、このテキスト出版以後において、研究を進めた結果、調整法について訂正を要する個所もあり、或いは追加補足を要する所もあり、また削除してもよい個所もところどころに見受けるようであるが、それらはその項目の説明の時に述べることにしたい。
◉尚ここでカイロプラクティックとオステオパシーについて一言するならば、カイロプラクティックは元来は、脊椎骨に加える衝動による脊髄神経反射作用を用いて疾病を治す目的のものであったが、いつしか椎骨の変位を矯正する整骨技術のようになってしまった。
 本来のカイロプラクティックは脊椎のみを対象としているのに対して、オステオパシ 
ーは筋肉調整により全身の骨格のつり合をとることを目的にしており、整骨法として優れた技法である。
 今回、神経反射法の講座を開くにあたっては、カイロプラクティックやオステオパシーの、個々の疾病に対する応用テクニックをも解明してゆきたい意図も含まれている。それらに対する答は、実際にこれを使ってみることによって得られると思う。
 ただ単に骨格の変位を復位させるだけなら簡単なことであるが、これから述べようとすることは、健康の増進が目的であるから、一ツ間違えば逆効果となり、矛盾が累加されて症状が増悪される結果ともなるから、充分に意をこめて克明に述べて行くつもりである。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿