短編小説 読了
主人公の妹の友人の話。
彼女は十年前に妹を交通事故で亡くした。
それからは自分が亡くなった妹であるかの
ように振る舞う生活。
不愛想で他人の目を気にしない性格。
ある日、主人公と主人公の妹が
友人の家に招待され、彼女の両親と対面する。
彼女の特に両親に対しての態度に違和感を感じる主人公。
十年前の雨の日に、目の不自由な妹を連れて傘を持たない
母親を迎えに行かなければならなかった本当の理由は?
両親の不仲、W不倫、両親の関心を家庭に向けさせる為の
交通事故?あくまでも主人公の想像でしかないのだが、、
そして、その友人は自分の妹として生き続けた人生に
自ら終止符を打つ。
私は昔から、夕暮れ時、車窓から見る
マンションの灯りを見るのが好きだ。
きっと、いろいろな温かい家庭が
そこにはあるんだろうなと思っていた。
必ずそうだとは限らないと主人公の話。
「そのささやかな暮らしの為に祈る人と、
そのささやかな暮らしを呪う人」
とても印象に残る作品である。