穴にハマったアリスたち
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■映画「HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」

大切なものに別れを告げて、先に進むことを選んだ「ドキドキ」。
子供時代の大切な宝物の無力を思い知った「ハピネス」。

あれから5年。

大人になった、かつての子供たちは、いよいよ社会に乗り出していく。

この15年、はっきり言って辛かった。そしてそれらを懸命に乗り越えようと、今の自分に成長してきた。
だけどそんな歩みも、唐突に表れる純然たる不運の前に、あっさりと奪われ掻き消えてしまう。

ミデンその人には落ち度はない。単なる不運により、存在を抹消され、在庫置き場の刑に処されてしまった。
なんか美翔さんが「その気持ち、わかる」とかそんな顔してそうな気もしますが、売れなかったのは別にミデンのせいではないのです。鳥と違って。

実際のところ、世の不幸や困難の大半は、そういった不運なんだろうとも思う。
そしてそれら不運に、私たちの努力や苦労は無力だ。
懸命に歩んだこの15年も、育児を頑張った半年も、あっさりと失われてしまう。
もう一度、やり直し。
全否定されたその上で、もう一度立ち上がるのは生半可なことではない。

だけど。全てをもう一度やり直すのなら、子供時代のあの思いだって、もう一度思い出せる。
胸からあふれ出すミラクルライトの煌めきが眩しすぎます。
かつてプリキュアを応援したあの日々。あれから歩んだこの歳月。

歴代プリキュアの能力に立ち向かう、黒白先輩のなんと偉大なことか。
もう一度、やり直し。これから起きるであろう困難に、単純腕力が雄たけびを上げる…!

それを見た野乃さんも立ち上がる。
目を閉じれば、思い出はいつだってそこにある。
辛い現実に見失いそうになるけれど、思い出はいつもそばで支えてくれる。
もう一度、やり直し。そう思いたくなるほどの苦難でも、以前と同じじゃない。ちゃんと前に進んでいる。

そして思い出に救われるのは、何も自分だけではない。

ハリー:
 「映画を見ているみんな!好きなプリキュアの名前を呼んで!」
 「楽しかったこと、可愛かったこと」
 「一人じゃなくていい。みんなが好きだったプリキュアを大きな声で呼んで欲しい」

私たちが忘れなければ、止まってしまった思い出たちも再び動き出す。
思い出に助けられ、思い出を助け。
5年前の「ドキドキ」「ハピネス」のときには諦めて割り切るしかなかったことが、今ならできる。

思い出を持たぬミデンに対し、各シリーズの皆々様からの、それぞれのシリーズを反映した言葉がとてもとても力強いです。
15年の月日を経て積み重ね続けた様々な解法が、現実の困難を切り開いてくれる。
「いろんなことがあったんだから」。かつて美墨さんらが発したこの言葉の、何と重いことか。本当にいろんなことがあった15年なんだ。

そして思い出を奪ってくる純然たる不運も、いつかは思い出として自分たちを助けてくれる。
今この苦難を乗り越えることは、決して無駄にならない。苦難そのものも、いつかの自分たちの力になる。
辛かった15年間、プリキュアさんが居てくれたおかげで、こうして思い出として振り返れるように、これからの15年もきっとそうだ。だから思い出と共に、もう一度歩き出そう。

プリキュアを見続けてきて、本当に良かった。ありがとう、プリキュアさん。


(左画像)映画「HUGっと!プリキュアふたりはプリキュアオールスターズメモリーズ」主題歌シングル (初回限定盤 CD+DVD) [ 五條真由美、宮本佳那子 ]

(右画像)映画「HUGっと!プリキュアふたりはプリキュアオールスターズメモリーズ」オリジナルサウンドトラック [ (V.A.) ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【ミラクルライト】

「ハピネス」以降、影の薄かったミラクルライトですが、今回の使い方は正にそれを逆手に取ったかのように強烈。

押入れの奥底にしまい込んでいたミラクルライトを、思い出と共に引っ張りだしたような。
あるいはジョークのように言われていた「心のミラクルライト」そのものです。
「ハピネス」で力を振り絞ったミラクルライトよ、あのキラキラした想いよ、再び。

しかも次回はミラクルライト最終章でしょうか。エールさんの(メインとしては)最後の映画でそれをやるのだとしたら、これまた強烈ですね。

【ダンス】

これまで何度も流れていたEDダンス、踊ってる場所はミデンの城。
キラキラしてるけど寂しい場所…だったのが、こうして踊ることで一変。
プリキュアさんが居てくれれば、思い出だって輝きだすんだ。

【今回の敵】

歴代プリキュア VS 最新鋭プリキュアとか、歴代プリキュア VS 初代は、やっぱり燃えるものがありますね。
特に初代が歴代と戦うって、他のコンテンツではあまり見かけないような。

ハーティエルアンクションやらホイップデコレーション、ダイヤモンドエターナルを敵が放つ恐怖。
吹っ飛ばされたマシェリさんが、即座に起き上って戦線に参加しようとするものの、再度押し出されるとか、細かいところも熱いです。
描写されてないですけど、要所要所で各種バリア能力やら移動スキルも使われてるんですよね。どうやって勝つんだこれ。
まぁ、どうやっても何も、黒白先輩は腕力オンリーですけれど。ぶん殴ろう。

【今回の敵2】

ミデン:
 「なぎさの靴下は、ちょっと臭い」

余りにも残酷なこの演出。
印象深いその台詞を、他者が軽々しく口にするなんて。

他の数々の決め台詞や口癖も、神経がざわつくほどに安っぽく軽々しく響きます。
表面的な物まね(子供のごっこ遊びではなく、大人の)を揶揄しているのだとしたら、恐ろしく胸が痛い。

【先輩プリキュア】

ルミナスさんの物理攻撃!
世にも珍しいそれが、15周年記念のこの映画で!
しかも二段構えです。「あ、コケた。これだからルミナスは…」と思わせてからの一撃ですよ。
いやよく見たら、2回目もコケてるのかもしれないですけど!

【先輩プリキュア2】

ピンクトルマリンとミーティアハミングは、もはやお約束の芸ですね…。
隙あらば出します的な。そこに捻じ込んできたか的な。

あと、ビートさんの音符展開からの射撃が見られたのが、ちょっと嬉しい。

【先輩プリキュア3】

「ぶっちゃけ決め技をぶっ放すだけだろう」と舐めてました。まさか各シリーズで、それぞれの戦いを見せてくれるとは。
「もしこの敵とこのシリーズのプリキュアが当たったら、どうやって解決するのだろう」は、たまに考えるネタだったのですが、まさにそれを見られた。

「あなたの音楽が聞こえた」「砂漠にも花は咲く」「何度だってやり直せる」…。
少しずつ違う着眼点で、それぞれにきっちり回答を提示している。

そして様々な言葉が続いた後の、夢原さんのこの一言。

夢原さん:
 「だから、大丈夫」

問答無用。夢原さんがそう言うなら間違いない。大丈夫だ。

【先輩プリキュア4】

どうしようもないかに思えるミデンの苦悩に対する、先輩方の、すなわち私たちがこれまで経験した思い出たちの各種回答。本当に圧巻です。
「思い出が支えてくれる」の野乃さんのお言葉のまさにその通り。

「美味しいスイーツにも辛いことがある」から転じて、「辛いことがあってもスイーツを作れ」のアラモードさんはスパルタだし、他者も異なる自分も全てが同一時間軸につながっている魔法つかいさんはとてもとても優しい。
「何もない」と評されていたミデンに対し「音楽が聞こえた」と語りかけるスイート組。「破綻」を知りながらも「明日はキラキラ輝いている」と言い切るスマイル組。

それぞれの1年間を経ての言葉が、あの一瞬に詰まってる。情報量の凄まじさに、涙が止まらなかった。

【鳥】

花鳥:
 「全てのものに、命は宿る!」
 「私たちは、絶対に諦めない!!」

嗚呼そうだ。美翔さんたちならそう言う。

対ミデンでいえば、捨てられた無機物のミデンにだって命はあるし、何も思い出がなくても諦めない。
私たちでいえば、これまで歩んできたこの人生は生きているし、苦難にも諦めない。
美翔さんたち自身でいえば、時が止まって忘れ去られてたって、まだちゃんと生きてるし、諦めないんです。
黒白先輩が脚光を浴びた横で、すごく割を食ってる感はありますけど、ちゃんと生きてるし、諦めないんです。おかえりなさい美翔さん。この13年間、ありがとう。

【現役お子様】

うちの子の感想は「怖かった」。基本、怯えて泣いていた。
(「ウケが悪かった」のではなさそう)

ミデンの放つザワザワした恐怖は、過去キュアを知っているからこその面もあると思うのですが、「何かがおかしい」ことはお子様にも伝わったらしい。

【現役お子様2】

お土産にクッションキーホルダー買いました。私は「SplashStar」、子供は「アラモード」選択。
最古から一つ後と、最新から一つ前か。親子で鏡写し。年の差は15歳じゃきかないが、ちょうど挟んでプリキュアさんを見てるのかもしれない。

【HUGプリ】

「「HUGっとプリキュア」の映画ではない」的な声も聞こえたけど、ハグプリさんのテーマ的に、これこそ「ハグプリ映画」だと思う。
思い出の無力を知りながら、思い出を握りしめて立ち上がる。立ち上がることで思い出が救われ、かつての自分も救われる。
初代放送時に5歳だった今の20歳と、現役5歳をつなぐこの絆。

「ドキドキ」映画のマシュマロや、「ハピネス」映画のジーク役を務めるのに、歴代プリキュアほど適切な人選はないと思う。

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