台湾では最近、「緑能(グリーンエネルギー)」というキーワードを頻繁に目にします。
グリーンエネルギーとは、環境に負荷のかからない、新エネルギーの総称。
自然の力を利用したり、これまで捨てていたエネルギーを有効活用するグリーンエネルギーは、石炭や石油など従来エネルギーの中心を担ってきた資源の枯渇や環境への深刻な影響が現実のものとなってきている今、その更なる開発と安定供給、そしていっそうの普及が必要とされている、急成長分野です。
台湾では今年、政府主導で、この先の「黄金の十年」に向けた産業計画を打ち出しており、グリーンエネルギーは、中でも最も力を入れるべき分野の一つとされています。
この分野では台湾はまだ世界的に知られる存在とはなっていませんが、今の段階から官民挙げての取り組みを進める事で、従来の製造業中心だった台湾の産業構造を、新しい方向へと発展させるという構想があるようです。
先月10月25日から28日までの四日間、台北市内の世界貿易センターで、「2010年台湾エコエネルギー産業展」が開催されました(上の写真)。
国内外から180の機関・業者らが集まり、合わせて開催された太陽エネルギーフォーラムと合わせて、およそ2,800万ドルのビジネスチャンスをもたらしたと報告されています。
行政院原子力委員会核エネルギー研究所のブース
奥はアメリカのブース
経済部エネルギー局が開発している風力発電システム
民間も負けていません
こちらは、温泉天国・台湾ならではの地熱発電装置の一部
台湾有数の温泉地として知られる北東部・宜蘭県では既に、この三年間に渡って地熱発電による安定的な発電に成功しているそうです。
地熱発電は日本でもまだ本格的な実用化には至っておらず、この業者は、いずれ台湾をアジアにおける地熱発電の中心としたい、と張り切っています。
台湾と言えばIT産業か農業か、というイメージがすっかり定着しているこのごろですが、「グリーンエネルギーと言えば台湾」と言われるようになる日も近いかも知れません。(華)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます