空の爽やか散歩道

古今東西
昔今日記

ノック

2012-11-27 19:03:36 | 仕事
「コン、コン。」

ウェールズに場所を移してから2番目のフラットに
おいらはいた。

まるっきり休暇を取らなかったおいら。
ようやく取れたのは12月。1ヶ月のロングホリデー。

やっと休める。ホッとしたのも、つかの間。
休みの初日にまさかあの男がドアの前でに立ってるなんて
思ってもみなかった。

おいらはその当時ntlというTVチューナーを持っていた。
最高だった!英国での娯楽が増えた。
テレビ番組増えただけやけど。
だって、サッカー中継観れるし、プロレス観れるし。
ええわ~!

その最高の瞬間を幸福の瞬間をたった一度のドアの
ノックで変えられてしもた。

ドアを開けるとそこにいたのはジョン。
会社のプロダクションマネージャー。

「頼む!今からすぐに会社に行ってくれ!
 お前じゃなきゃ出来ない仕事なんだ~~~!」

と、いっつもこの言葉をいうジョン。

おいらは「いつも同じ事ばかり言うけど、今回は何?
     あっ、やっぱいいや何もいわへんで
     誰も成型できないんでしょ。いいよ今から
     行くけど。」

「ありがとう、見てくれよ俺の手を。こんなになるまで
 やったんだよ~。でも息子と娘を俺の親が見てくれて
 いるんだけど、もう夜の7時だろ。迎えに行かなきゃ
 いけなくてさ。」
と作業したぞ的に手を洗わずそのままの状態をおいらに
見せる為だけに来た几帳面なジョン。

ええって、そんなの見せへんで。手ぐらい洗ってきなさい。

そして彼の場合自分の分が悪くなると必ず子供達の事をだす。

ジョンが帰り、おいらは仕事支度をし、工場へ。
工場に着いたのは8時頃。
機械のまわりには2人のシフトエンジニアと1人の
スーパーバイザーがほぼギブアップ状態で立っていた。

結局、おいらはこの仕事を夜10時半に終わらせると
3人から「Thank you sir.」といわれ、Sirの称号を
この3人組から頂きました。

しかし、このジョンは結構おいらの休日を駄目に
させる男。

おいらのフラットに来る、おいらの携帯に電話しまくる。

結局、おいらがした行動は携帯買い替え。
休日中の居留守。

そして、一言。
「ええか!おいらに彼女が出来て、結婚して、子供が
 出来たら絶対に休日出勤なんかせーへんからな!
 フラットにも来るな!電話も掛けるな!」

そうジョンに宣言してから、かれこれ9年。

本当にそこから休日出勤は一切していない。

なんせ、おいらの家族が5人やからね。

ん?5人?