空の爽やか散歩道

古今東西
昔今日記

名前すら…

2012-05-14 10:49:23 | 日記
ドイツ駐在時代。
事務所では現地人エンジニアを募集した事があった。

3名分のCVが事務所に届いた。ドイツ人、モロッコ系ドイツ人
アフリカ系ドイツ人。
おいらはいなかったが、この3人と面接をして決まったのが
ドイツ人。

面接項目は、1日本人と上手くやっていく自信があるか?
      2何ヶ国の言語が喋れるか?
      3海外出張経験があるか?
      4車の免許があるか?
      5エンジニアの経験など、色々とあったらしいが。

一番凄かったのは、アフリカ系ドイツ人。6ヶ国語を喋る。
最初は英語でQ&A→途中からスペイン語でQ&A→これまた途中から
フランス語。最後は英語に。
彼曰く、まだまだ覚えたいんねんて言語。頑張ってや!

そして、選ばれたこの独人。おいらとこやつが一緒に
ギリシャに出張に行く事になった。

面接から一ヵ月後。空港でこの男と待ち合わせ。ギリシャの何処か
名前を忘れてしまった島に行った。

なぜ名前を忘れたか?この男との出張に怒りで震え、島の名前を
すっかり忘れた!

なぜ怒りで震えたか!!

出張には手荷物で行けるようにボストンバッグ。これには理由が
あり荷物のミッシングを避ける為。おいらの場合、手荷物でも
大丈夫な位の大きさギリギリのボストンバッグを使っていた。

いつも大体こんな感じ。中身は作業服と作業靴、下着とか。
書類とかは、小さなPC用バッグに。
作業服がなくちゃ仕事できへんからね。
セールスマンじゃないから、背広も着てかなくて良し!

と、独人にも前もってちゃんと説明して、バッグを見せ、準備余裕
期間を与え、当日に空港で待ち合わせ。

おいらが空港に着くと、奴ということは一目で分かった。
しっかりと、スーツにネクタイ。靴は作業靴。そしてヨーロッパ人
特有のちょーデカスーツケース!ちなみに出張期間は3日間だけ。
腰が砕ける勢いの衝撃だった。ドアホーッ!

靴も作業靴だから先端には安全対策用の鉄が入っている。
当たり前だが、出国検査用ゲートが「ピーッ」となる。簡単に
靴を脱げばいいだけだの事だが、奴には?マーク。

おいらは「靴を脱げ!」と独人に言っても、独人は
「ヤダ脱ぎたくない!」と、訳分からん事ぬかしてた。

結局、空港スタッフも奴に同じ事を言った。当たり前じゃ!
靴を脱ぎ、やっと出国検査用のゲートを通りぬける頃には
奴の後は長者の列。

おいらは、この男に「海外出張経験はあるのか?」と聞いた。
奴の返答は「出張はないけど、7歳の時にイタリアへ親と1度だけ
いった事がある。」と言った。 

おまえ、まてや!面接の時に海外出張あるっていったん
ちゃうんか!おいらはスタッフにそう聞いたで!

こいつ、あかんで!

そう思った瞬間だった。