K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

介護生活7年目を迎える

2009-08-23 15:13:38 | ケア日記
Kとの介護生活は、この8月で7年目を迎えた。

6年の歳月が流れ、Kの病状は着実に進行した。
言語能力の衰えによるコミュニケーション困難、
尿・便失禁の常習化、便秘、食事の全介助、
階段が上れない、少し痩せた、脚が細くなった、
等々、状況は厳しくなっている。

なかでも、この病気がKから言葉を奪い、
私との会話ができなくなってしまったことで、
介護を一層困難にしているのが最も辛い。

「おしっこが出る。トイレに行きたい」、
「お腹が空いた。何か食べたい」、
「背中が痛いよ」、
「脚が上がらないの」、・・・
こんなKの訴えが私に伝えられない。

「ここに足をいれてごらん」、
「さあ、ここに寝てみようか」、・・・
こんな私の言葉がKに伝わらないのである。

これが、この病気の厳しい現実なのである。

「神様、どうかKに言葉を返してください」
私の切なる願いである。

今は、在宅介護を基本に、デイサービスを
月~金まで利用させてもらっているので、
Kは比較的穏やかに日々を過している。

喜怒哀楽の感情、表情は豊かに残っていて、
とくにKの笑顔には救われている。

私(Route463)や息子のことはよく判るし、
食欲はしっかり、歩行能力は維持できていて、
布団に入ったら朝まで寝てくれる。
この病気を抱える本人としては優等生である。

この6年を顧みて、介護とは私が試される
リトマス試験紙みたいなものであると思った。

厳しいけれど、現実を生きるしかない。
ここから逃げ出すことは考えたことはない。
これが私のスタンスである。

ただ最近、私は次のときどうするかを
あらかじめ決めておきたいと思っている。

私が病気になったとき、
私が入院しなければならないとき、
私が死んだとき、
Kが病気になったとき、
Kが入院しなければならないとき。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
家族の判断で・・・ (miki)
2009-08-24 10:52:21
介護は、「そのときベスト」と思う決断の連続ですが・・・

ご主人様が今までのように介護に携われない事態が生じたら、お子さま方に介護は引き継がれていくのが自然のなりゆきでしょう。
引き継いでくれる人がいる、というのは、お幸せなことです。
お子さま方が、「そのときベスト」と思う決断をなさるでしょう。

お子様が複数の場合は、どなたが主介護者になられるか。
そのへんの心づもりは事前にできることかもしれません。
あるいは、自分の亡き後、どういう介護を望むのか、そういう意思は示すことができるでしょうか。
お子様方の事情もおありでしょうから、そういうことも考慮されて、ということでしょうか。

奥様の場合は、ご主人様が決断なさることですね。
病気にしろ、入院にしろ、突発的なこともありますから、ケースバイケースなのでは?

我が家の場合は、父が大変なレベルになってから父の死までは夫が主導権を握ってやってくれました。
その後、母に関しては、私が全責任をもってやっています。
夫は、「介護者である私の健康・命」最優先で引っ越しを決断、さらに定年後の身の振り方も介護最優先で決めています。

家族の非常事態は、家族が結束して乗り切る。
多くの家族が歩んできた道です。

私の場合は、私が倒れたら多くの人に迷惑をかけるので、なにより母に寄り添えるのは私だけなので「母のために」生き残ること最優先でやってきました。

いかにいい状態で介護をやり遂げることができるか。
多くの家族がかかえる課題ですね。
Unknown (Route463)
2009-08-24 21:26:53
miki様

ご丁寧なアドバイス、ありがとうございます。
私に介護できない状況が生じた場合には、
妻を特別養護老人ホームに入所させたいと
考えております。
入所に関しては、息子によく説明した上、
引継ぎたいと思います。
私が短期入院を余儀なくされた場合には、
今のところ妻をショートステイに宿泊させる
以外には思いつきませんが、緊急事態に
直ぐ対応できる状況でないので、他の手段も
考えなければならないと思います。
初めまして。 (dada)
2009-08-28 01:01:19
初めてお邪魔しました。
ブログランキングで近くだったもので。。。
献身的な介護のご様子、じ~~~んときました。
奥様を愛していられるのですね。。。
私の母がアルツで入院しておりますが、言葉が通じなくなっているのを最近ヒシヒシと感じております。
育児があるから、、、コレは実はアタシの隠れ蓑であることは自分でもわかっています。。。
でも子どもの未来を優先したいのも事実です。
息子さんへの今後のご心配、ご自分の健康への一抹の不安、
頑張っておられるご様子、コメントせずにはいられない気持ちで書き込んでおります。
この様な脳疾患の因果関係が早くわかる世の中になって欲しいものです。
認知症が増えているこの世の中、すこしでも病、特に介助者の心労が減るようにと祈って止みません。。。
どうぞご自愛のほどを。。。
Unknown (Route463)
2009-08-29 19:24:06
dada様

お訪ねくださいまして、ありがとうございます。
こんな厳しい介護を続けていけるのも、
43年の結婚生活を通じて、同じ空気を吸い、
同じ時間を過し、家族を大切にするという
同じ価値観を共有し、銃後の家庭を守り、
苦しいときも私について来てくれた妻を、
尊敬し、愛しているからだと思っています。
Unknown (maro)
2009-08-29 22:24:45
朝 夕だいぶ涼しくなりホッとしています。
厳しい現実から逃げ出すことは
出来ない、日々の介護
介護者(私達)が病気、入院を要する
不安は常にあります。
自分の健康にも気を付けているつもりです
定期健康診断 骨折 かぜ新型インフルエンザには神経質になっています。
(常に免疫力)を心がけています

主人が病気 入院のときは主治医に
おまかせするつもりです。
精一杯15年の生活を添い遂げてきたつもりです
万が一入院をした場合坂道を転がり落ちる
ように進行するのも覚悟はしています。
現在医療スタッフ 往診 訪問介護 ヘルパーさん 皆さんにとても恵まれていますので
在宅で看取りを先生にお願いしてあります
胃ろうは希望しません事も…伝えてあります
ディーは使えず 24時間在宅介護です
主人は今年の10月で発病16年目です

私達は子供がいなく 身寄りも少ないので
ケアマネさんに私が病をした時…此れからの
生活設計 財産 貯蓄、年金 保健の話をし
元気なうちは応援するとの言葉をもらいました

一人になったら施設に行くつもりです
仲間と暮らす話も出ています。
高齢のひとり暮らしはあまり考えられません。
主人のような恵まれた在宅介護は
受けられないからです。

あまり先のことは考えずに
 配偶者に寄り添っていきましょう。
Unknown (Route463)
2009-08-29 22:59:14
maro様

maro様の献身的なご主人様への介護。
しかも15年という長い年月でした。
これからもまだ続くのですよね。
それができるのも、ご主人様を心から
愛しておられるからですよね。
愛がなければ、介護を続けるなんて、
とてもできるものではありませんね。

その意味では、ご主人様も私の妻も、
幸せな人だと思います。

私も妻に胃ろうは考えていません。

これからは、maro様の未来設計図を
書き上げるときです。
お仲間と一緒に、施設で暮らすなんて、
最高じゃあありませんか。

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