新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 ハチ、カメムシ、甲虫

2019-04-10 08:20:54 | 廊下のむし探検

廊下のむし探検 第7弾

4月4日にマンションの廊下で虫探しをしました。かなりの数がいたのですが、そのうち、ハチ、カメムシ、甲虫を出します。

初めはこのハチです。小さなハチで動き回っていたので、なかなかピントが合いませんでした。触角がやや変わっています。クロバチ上科だろうか。

これは大きめのハチです。翅脈からヒメバチ科だと思われます。

翅脈からコバチ上科は確かなのですが、いつも検索をして調べているので、どうも外見からだけだとよく分かりません。後前縁脈が短くて、径脈が発達していて、後脚が細く・・・なんて検索するときの特徴は分かるのですが・・・。一度、外見上の違いをまとめてみないといけませんね。ハチはまだまだ手つかずの状態です。

これはハナバチの仲間です。縁室の先端が丸まらず角張っているのでたぶん、チビヒメハナバチではないかと思います。ついでに頭盾が淡色なので♂。

これまで何度も見てきたハチで、翅にある大きな縁紋、触角柄節が長いなど特徴的です。オオモンクロバチ科のハチだと思われます。今回はこの写真だけで少し調べてみました。日本産オオモンクロバチ科は2属なのですが、分布からDendrocerus属だと思われます。この属については次の論文に少し書かれていました。

H. Takada, "Studies on Aphid Hyperparasites of Japan, 1 - Aphid Hyperparasites of the Genus Dendrocerus Ratzeburg occurring in Japan (Hymenoptera: Ceraphronidae)-", Insecta matsumurana. New seires 2, 1 (1973). (ここからダウンロードできます)

この論文はアブラムシに寄生するハチに寄生する二次寄生について書かれたもので、1,2と分かれていますが、1はDendrocerusについて書かれていました。この中に種の検索表も載っているので試しに調べてみると、ramicornisという種になりました。この種の♂の触角は枝分かれするので、これはたぶん、♀の方だと思われます。問題はこの検索表がどの程度の日本産の種を網羅しているかです。「新訂原色昆虫大図鑑III」には2属9種と書かれています。

これはTakada氏の論文に出てくるDendrocerusをまとめたものです。上の6種がアブラムシに二次寄生する種で、下の2種は非寄生種です。検索表は上の6種について作られているので、その分に〇にしておきました。gとicgとかはいくつかの種リストに載っていて現在認められている種名かどうかを書いたものです。これは"List of Dendrocerus species"というサイトを参考にしました。これを見ると、bicolorだけがやや怪しいのですが、そのほかは総て3つのリストに載っていました。右の欄の×は本州に生息していそうで、なおかつ検索表には載っていない種を表しています。

ついでに九大の「昆虫学データベース」も調べてみました。ここには2属9種が載っているのですが、現在ではだいぶ学名の変わっている種がありました。青字は本州にはいないと思われる種です。〇は検索表に載っていたもの、×は載っていなかったものです。結局、aphidumとkoyamaeの2種だけが調べていないことになります。従って、ここではDendrocerus ramicornisが第1候補で、他の2種が未調査ということになりました。検索の詳細についてはまた後日書きます。

次はカメムシで、これはいつものムラサキナガカメムシ

この小さなハムシの名前が分かっていません。ノミハムシの仲間であることは確かなのですが、一応、採集したので、今度余裕があるときに調べてみます。

これはツノブトホタルモドキ

それにハネカクシ。色は違うのですが、外形はこの間調べたヨツメハネカクシ亜科とよく似ています。

最後はヒゲブトハネカクシ亜科。



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