新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

クヌギ の虫えい

2019-11-04 20:30:01 | ちょっと足を伸ばして
最近はぎっくり腰のため、虫の撮影に出かけられません。昨日はそんな中、川西市にある一庫公園で観察会があったので、腰を曲げ曲げ行ってきました。天気は良かったのですが、あまり歩けないし、おまけにしゃがめないしと、暇さえあればベンチに座っていました。参加者が虫えいを見つけて持っておられたので、写真に撮らせてもらいました。



こんな形の葉にはクヌギ、クリ、アベマキがあるのですが、葉縁が深くえぐれているのでクヌギだと思います。その葉の上にこんな虫えいがありました。



よく見ると周囲が毛で覆われているもの、そうでないものの2種類がありそうです。





ちょっと拡大してみました。手元に虫えいの図鑑がないので、ネットで探してみると、周囲が毛に覆われている虫えいがクヌギハケツボタマフシ、そうでないのがクヌギハヒメツボタマフシみたいです。いずれもタマバチの仲間が作った虫えいです。ちょっと文献を探してみると、こんな論文が見つかりました。

井手竜也ほか、「茨城県内で記録されたタマバチ(ハチ目 : タマバチ科)による虫えい」、茨城県自然博物館研究報告 21, 61 (2018).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文によると、クヌギハケツボタマフシはクヌギハケツボタマバチ Neuroterus nawaiが作った虫えいとされていましたが、このハチは次の論文でLatuspina属に移され、クヌギハスジコタマフシとクヌギハウラシロケタマフシの形成者であることが分かりました。従って、クヌギハケツボタマフシの形成者については現在は未同定だとのことです。ついでに、クヌギハヒメツボタマムシの形成者についても未同定のようです。

T. Ide and Y. Abe, "First Description of Asexual Generation and Taxonomic Revision of the Gall Wasp Genus Latuspina (Hymenoptera: Cynipidae: Cynipini)", Ann. Entomol. Soc. Am. 109, 812 (2016).

「日本原色虫えい図鑑」が欲しくなってしまいました。

追記2019/11/04:上の論文によると、この2つの虫えいはいずれも単性世代のもののようです。井手氏のHPによると、ブナ科に寄生するナラタマバチ族Cynipiniは春には♂♀を生じる両性世代で、♀は夏に葉に産卵し、できた虫えいは秋に落下し、そこから生まれるのは♀だけの単性世代になる。♀は冬に芽に産卵し、できた虫えいからは♂♀が生まれるという生活史を持っているようです
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