働き方改革関連法ノート

働き方改革関連法・同一労働同一賃金やパワハラ防止法に基づくパワハラ指針案を審議した厚労省・労働政策審議会など傍聴ノート。

パワハラ指針の議論を終え答申案を決定

2019-12-24 10:31:54 | パワハラ防止
厚生労働省の労働政策審議会「雇用環境・均等分科会」(第24回)が2019年12月23日、中央労働委員会講堂で開催されましたが、議題はパワハラ指針(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針)案要綱(諮問)、セクハラ指針(職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針)等の一部を改正する告示案要綱(諮問)でした。

この雇用環境・均等分科会を私も傍聴しました。そこで知り得た事実は、パワハラ指針のパブリックコメントが過去に例のない1,139件も意見が寄せられたこと、その結果、指針案の修正はなかったけれど答申案に労働者代表委員の意見が盛り込まれたこと、また藤澤雇用環境均等局長が「パブリックコメントは今後の参考に」と挨拶したこと、の3点になります。

パワハラ指針パブリックコメント(2019年11月21日から12月20日まで実施、意見数 1,139 件)に寄せられた主な意見
・「はじめに」に「パワハラは個人の尊厳・人権を侵害する行為でありあってはならない行為である」と記載すべき。

パワハラの定義(「優越的な関係を背景とした言動」など)が狭いため広げるべき。「優越的な関係」という定義は不要。

・パワハラの定義は適切である。

「職場」の定義を広げるべき。

・パワハラの判断に当たっては、労働者の主観にも配慮する旨を明記すべき。労働者が身体的・精神的苦痛を感じる言動はパワハラとされるべき。

・「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントに該当しない」という記載は削除すべき。

・「労働者の主観にも配慮」という観点を加えると、労働者の意に沿わないものは何でもパワハラになりうるという誤解を招くおそれがあるので明記すべきではない。

・労働者の行動が問題となる場合にはパワハラが容認されるような記載は削除すべき。

・該当しないと考えられる例を削除すべき。

・該当すると考えられる例、該当しないと考えられる例の内容を見直すべき。

・該当すると考えられる例、該当しないと考えられる例の記載は必要であり、例示の記載は妥当。

ヒールやパンプスの着用を命じることは、パワハラに当たり得る旨を指針に記載すべき。これを禁止し、罰則を設けるべき。女性限定の服装規程をなくすべき。

・パンプスや服装に関する規程は、業務の内容や社会通念、慣習などにも影響されるものであり、該当すると考えられる例にいれるべきではない。3要素で判断すべき。

・定義の部分で性的指向・性自認に関するハラスメントやアウティングがパワハラに当たることを記載すべき。

・パワハラに該当すると考えられる例の「相手の性的指向・性自認に関する侮 辱的な言動を行うこと」の「相手の」を削除すべき。

・性的指向・性自認に関するハラスメントに関しては、これ以上の内容を追加する必要はなく、現在の例示が妥当。

就活生やフリーランスへのハラスメントを措置義務の対象とすべき。就活ハ ラスメントから就活生を守るべき。

社外の第三者からのハラスメントを措置義務の対象とすべき。事業主に対し、自社の労働者がパワハラの加害を行った場合と同様に厳格に対応する責務を負わせるべき。

・「他の事業主雇用する労働者等」「顧客等」とは、広く労働関係に関わる第三者のことを指すことを明記すべき。

・カスタマーハラスメントについては、企業に対して対応を求める前に、一般的にあってはならないこととして社会全体への周知啓発が必要。別途客観的な判断基準が示されるべき。顧客と労働者のトラブルに対して事業主に全ての責任を求めるのは酷である。

・望ましい取組に関しては、まずは可能な範囲で取組を進めて行くという観点から、記載は適当。

ILO条約を踏まえた指針の策定を行うべき。

・指針案の内容は妥当である。

なお、上記「主な意見」の中で、赤字にした意見の選択は、ブログ記事を書いた私の個人的な判断です。

事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針案要綱等(PDF)

事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)について<概要>(PDF)

事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(案)について<概要>(PDF)

「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)」及び「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(案)」に関する意見の募集(パブリックコメント)に寄せられた御意見について(PDF)

参考:朝日新聞デジタル「パワハラ判断指針、国が決定 企業の防止策義務化で目安」
職場での発言やふるまいがパワーハラスメント(パワハラ)かどうかを判断するための国の指針が(2019年12月23日、決まった。来年(2020年)6月から大企業、2022年4月から中小企業にパワハラ防止策をとることが義務化される際の目安となる。

(2019年)5月に成立した改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)は、パワハラを(1)優越的な関係を背景にした言動で、(2)業務上必要な範囲を超えたもので、(3)労働者の就業環境が害されることと定義した。パワハラを「行ってはならない」と明記した。

労使の代表らによる労働政策審議会の分科会が(12月)23日にとりまとめた指針は、「身体的な攻撃」や「過大な要求」など、厚生労働省が定めたパワハラ6類型に沿ってパワハラに当たる例と当たらない例を列挙。大勢の前で威圧的にしかりつけることや、業務に関係ない雑用を強制することはパワハラだと定めた。

性的マイノリティーなどの性的指向・性自認や、不妊治療などの個人情報を本人の了解を得ずに周囲に伝えることもパワハラに当たるとし、企業に防止策をとるよう求めた。

相談窓口の設置や社内規定の整備など、企業が防止策を義務づけられたのは、「業務を遂行する場所」での正社員や非正規雇用者に対するパワハラだ。取り組まない企業には行政指導で改善を求め、なお従わない場合は企業名が公表されるが、パワハラの実態に詳しい弁護士からは「居酒屋などでのパワハラが対象外になる恐れがある」との指摘がある。また、フリーランスや就職活動中の学生など、雇用関係にない働き手も対象外で「必要な注意を払うよう配慮」することを企業に求めるにとどまった。―以下略―(朝日新聞デジタルより抜粋)

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