YUNTAKU NOTE

『ゆんたく』とはウチナーグチで「おしゃべり」と言う意味。

ホリエモンはネット羊の夢を見るか?

2005年03月12日 | Weblog
今日、ライブドアが申請していたニッポン放送による新株予約権発行の差止請求の仮処分決定が東京地裁から下された。株の事はよく分からないが恐らく妥当な結果なのだろう・・・。堀江社長は日本に世界一のコングロマリット企業を作ると意気込んでいる。若干32歳で日本の企業観を再考させるほどの行動を起こしている事を考えれば大したものである。まさに無国籍インターネット社会の落し子である。しかし私は個人的に堀江クンの考え方にはどうしても相容れない部分がある。それは彼の経営観や企業論理に対してではなく、彼が日本人のメディア・リテラシーを過大評価している点に大いに疑問がある・・・とういうより・・・危機感を感じる。

堀江クンはテレビのインタビューでこんな事を言っている・・・
「これからのメディアは双方向性が無ければいけない。誰もが自分の意見を自由に発信できるインターネットにこそ、その土壌がある。メディアはインターネットとテレビ、ラジオが融合する事によってより良いコンテンツが生まれる」

また、こうも言っている・・・
「片方向のテレビやラジオと違いインターネットでは情報を自由に選ぶことがせきるので、悪い情報や間違った情報は、選び手(視聴者)によって淘汰される・・・」


よくここまで脳天気な思考ができるものだと呆れを通り越して感心してしまう・・・。
堀江クンはこれまでネット上にタレ流されてきた多くの弱者イジメや集団自殺や殺人事件をどう思っているのか?

昨年はイラク邦人人質事件の被害者・・・特に家族に対する誹謗中傷やハンセン病患者に対する非人道的発言がネット上の巨大掲示板に溢れていた・・・匿名性を良い事にその場の感情を幼児の思考能力しか持たない人間が垂れ流しているのである。しかも、何と・・驚いた事にネット上で流されていた何の根拠も無い噂を有名紙が記事にまでする始末である。

情報のプロである大手の新聞社までもがネットの間違った情報に踊らされている現状で、情報の素人である一般庶民が本当にネットにタレ流されている様々な情報の中から正しいものを選択し誤ったものを淘汰できると堀江クンは本気で思っているのだろうか?

学校では日教組の洗脳教育を受け、社会に出れば戦後民主主義のもとアメリカに洗脳され続けてきた日本人は、今やアメリカが生んだインターネットにも当然のようにいとも容易く再洗脳されつつある。何の責任も感じず、群れになってひたすら弱者を叩きのめすネット羊に本当にメディアの将来を託す事ができるのか?

堀江クン!日本人のメディア・リテラシーは既に崩壊寸前なのですよ!