生活政治学研究所

福岡市議会議員「外井(とい)京子」の
 ひとりごと、政策提案、活動報告
  日常の中から「生活って政治」を発信!

対面販売よ、がんばれ

2005-04-28 19:29:40 | 消費者の視点
 3回にわたって、消費者の立場で語る、対面販売の魅力を連載しました。
 「大阪のおにいさん編」では、スーパーなどで、黙って品物を見て選ぶだけの世界や、カタログやインターネット画面で画像と説明だけ見て買う世界と違って、対面販売には「モノとお金の関係」だけでなく「買い手と売り手」の関係の中に、いくつもの付加価値があること。その付加価値のひとつに、「会話のたのしみ」「かけあいのたのしみ」があることを述べました。
 「魚屋さん編」では、新鮮な魚とともに、その魚のいちばんおいしい食べ方(つまり情報)も一緒に入手できるのが、対面販売の魚屋さんの付加価値であること。商店街は、生きものの命をいただく「食べもの」を売り買いする場であり、日用品をはじめとして、人が生きるために必要な様々なもの(商品だけでなくサービスも含めて)を手に入れる場でもある。そこには、人が生きるということのエネルギー、「いのち」の力があふれている。対面販売の場である「商店街」や「小売市場」が人をひきつける魅力はそこにあることを述べました。
 「置き薬屋さん編」では、「この人は本当に私たち家族のことを心配してくれている」と思える、信頼関係が築けるのは、「対面販売ならでは」であることを述べました。
 近年では、アパートやマンション住まいの人が増えて、「隣に住む人はどんな人だかわからない」という状況を「わずらわしくなくてよい」と思う人もいる反面、防犯や防災、高齢社会への対応などということを考えると、昔ながらの「向こう三軒両隣」「町内会」で助け合う、地域コミュニティの再生が必要だということが、多くの人の共通の思いとなりつつあります。
 地域コミュニティというと「町内会」のことと思われがちですが、私は「地域コミュニティの再生」つまりは人と人が声かけあって助け合って生活する地域社会にとって、商店街の存在はとても重要だと思っています。
商店街の活性化策と若い起業家の育成支援策の提案
 議会では、経済振興局を所管する委員会の委員であり、中小企業審議会などの委員でもあるので、この2年間の間に、関連委員会において行ってきた、政策提案を紹介します。
①商店街の活性化策
・今後のコミュニティの活性化のために「商店街」が果たす役割も大変大きい。「商店街」には、障がい者も含め誰もが買い物がしやすい場所にしていくことが求められており、また生活消費財としての「商品」を提供する場としてだけでなく、「地域に必要なサービスを提供する拠点」となっていくことが求められている。
・そこで、04年度までは店舗としての新規出店者への家賃補助策であった「空き店舗活用支援策」を、高齢者のお休み処や託児施設等に空き店舗を活用する際の改装費や家賃の補助もできるよう施策を拡充することを提案し、05年度から実施されることとなりました。
・04年8月には会派で、足立区東和銀座商店街に視察に行き、議会での政策提案に活かしました。ここでは商店街の商店主達が出資して「アモール・トーワ」という株式会社をつくり、高齢者向け宅配給食、学校給食の調理業務受託、空き店舗を使っての学童保育、地域住民の憩いの場の運営などを行っています。でも、商店街は意外と閑散としています。商店街振興組合理事長さんは言われました。「学童保育も、やって非常によかった。まちが賑やかになった。帰りにお母さんが買い物するからプラスになるでしょと言う人がいるが、そんな甘いもんじゃない。何かに頼って商売しようと思ってもだめ。子どもが世話になってるから商店街で買おうなんて思う人ばかりではない。子ども自身がまちの人と友達になって、こえかけあって暮らす、ここがそんなまちになったってことが、みんなのためによかった。」
②若い起業家の育成支援策
・若い起業家を支援する施策として、主にIT関係の会社等を起業した人に、公共施設の一部をオフィスとして提供するインキュベート(「孵卵器」という意味)事業が実施されています。このインキュベート事業は、05年度から民間賃貸施設をも活用することになりましたが、オフィスを貸すだけでなく、さらに
・若い創業者の支援という意図で、天神周辺で服飾関係や飲食店などの店舗展開をしていく力をつけてもらうために、1~2年の期間を限定して、店舗の内装費や家賃補助をするとともに、経営コンサルタントを派遣しての経営実習(ショップマネジメント)、「売れる売り場づくり」などについて、専門家のアドバイスなども行うチャレンジショップ制度を設けてはどうか、と提案しています。
また、私たちが提案したわけではありませんが、今年度から「商店街がモニター制度を実施する場合に、そのモニター謝礼については市が補助する」という施策も実施されます。このモニター制度は、①商店街の利用者のニーズを掴む、②消費者のモニター謝礼は、商店街でのお買い物券とすることで売上に還元される、というだけでなく、消費者と商店主たちがが、ともに自分達にとって必要な商店街を主体的につくっていくためのひとつの手段として活用されることを願っています。

消費者の立場で語る、対面販売の魅力―置き薬屋さん編

2005-04-27 21:26:58 | 消費者の視点
 我が家には、3社の置き薬屋さんの箱があります。3つもあってもしょうがないのですが、きっと各社とも営業ノルマがあるのでしょう、「置いてください」というので置いています。でも、使うのは、たいていF社のものです。
 我が家は、時々「風邪薬」、ほんのときたま「お腹の薬」「目薬」を使うくらいなので、あまりよいお客さんではないと思うのですが、この3月まで我が家のエリア担当だったF社の営業担当者には、「とてもお世話になった」気がしています。なぜでしょう?
 このF社の営業担当者は、何気ない会話の中から、実によくお客さんである我が家の家族の健康状態などについて把握しているのです。「あら私、そんなことまでしゃべったかしら」とこちらがびっくりしてしまいます。
 確かに、スポーツしている学生がいれば筋肉痛のときの湿布薬やスプレーを使うこともあるだろうし、花粉症気味の家族がいれば、症状が出る前に薬やサプリメントを飲んでおいたほうがよいと思うかもしれない。そういった家族の状況にあわせて、薬箱に入れる薬を選び、「これこれも入れておきますから、こういう時には使ってくださいね」と声をかけるわけです。栄養ドリンクも、風邪気味の時、肉体疲労時、パソコン使用などによる目の疲れを感じた時など、いろいろ取り揃えて置いていきます。置き薬は使ったときだけ料金を支払えばよいので、薬箱に入れて置いていかれる時には、消費者であるこちらは「はいはい」と何気なく返答しているのですが、あとで家族に「お母さん、○○はない?」と言われた時に、「確か、F社の薬箱にある」と思いだし、実際役に立つのです。
 この営業担当者は薬学部の出身だそうで、新製品や今はやりのサプリメントなどについても、その成分や効用についてよく説明してくれましたが、かといって押し付けるわけでもありません。実際、我が家ではほとんどサプリメント類は使いません。
 営業担当者としては、本来、客のニーズを把握することは売上を伸ばすために当たり前のことでしょう。でもこのF社の営業担当者は、客である私たち消費者に、「売上を伸ばすための情報収集を行っている」とはまったく感じさせない、むしろ、「本当に私たち家族の健康を願ってくれている」と思えてしまうのです。
 「この人は本当に私たち家族のことを心配してくれている」と思える、こういう信頼関係が築けるのも対面販売ならでは」だと思うのです。

 「越中富山の薬売り」から今に続く「置き薬屋」という商売の形態は、定期的に訪問し、一軒一軒の顧客のニーズを把握し、それに応えることで顧客との信頼関係をつくっていく商売として現代に残るものであるといえるでしょう。



議会報告Week

2005-04-26 22:37:53 | こんな1日
 今週は、議会報告Week。2・3月議会報告レポートと臨時議会ニュースの配布&あちこちでの議会報告会の開催。
 まず先週金・土で、議会報告会開催場所近辺へのニュースポスティング。私自身も、年4回の議会報告レポート(ニュース)の配布時には、近所130軒のポスティングをしていますが、今回は、昨秋に戸別アンケートを実施した地域にも配布するため、いつもの倍の部数を担当。この季節はポスティングも苦にならない。
 今週月曜の午前と夜、今日火曜午前の3回、地域の公民館や事務所での議会報告会。今日の昼にはK商店街入り口で、街頭議会報告。つまり、自分でマイクを担ぎながらの街宣行動。今日はお天気もよく、商店街も賑わっていました。マイクでしゃべる私に、何人かの知り合いが、道路の反対側の歩道から挨拶を返してくれるのがうれしい。今日はよくニュースを受け取っていただけました。お年寄りも多い。年金が振り込まれる日には、銀行も郵便局もあるこの商店街にはお年寄りがたくさん来られると聞いたけど、今日はその日かな?
 明日水曜の朝もK駅前での街頭議会報告とニュース配布。いつも、通勤の皆さんはよくニュースをもらってくださいます。
 これらの合間に、事務局Tさんと地域のニュース配布ボランティアさんのところへニュースを届けたり、年に1度のニュース郵送のため、事務所で黙々と封筒に宛名シールを貼る作業などをしています。一緒にやってくださるボランティアさんがいる時は、おしゃべりしながら作業できるけど、一人になっちゃうと単純作業は眠くなる。
 地域へのニュース配布も事務所での作業も、ボランティアで関わって下さる皆さんの活動あってこそのもの。
 私たちの運動の3つルール、①市民みんなが代わり合って、市民の代理人としての議員という役割を務めるため「議員は二期8年でローテーション」、②活動の原資は議員報酬からの寄付と市民からの会費・カンパで賄う、③選挙もカンパとボランティアで、は、みんなで一緒に取り組む日々の活動の積み重ねの中に根付いていると思います。
 大きな災害や事故が続くと、誰もが、つまり社会が不安になります。それに乗じた犯罪などに巻き込まれないよう、お互いに声かけあって気をつけましょう。「自助、共助、公助」です。そして何よりこんな時代だからこそ、一人一人が社会の一員として、まず自分の役割・責任をまっとうすることが大事なのではないか、自戒もこめて、そう思います。

1年間の議会での政策提案 項目一覧

2005-04-24 23:12:57 | 議会関係
 今日は日曜だったけれど、本部と地域の年間活動報告・総括案の修正など、1日デスクワーク。持ち帰り仕事のないのんびりした週末がほとんどないのは、ちょっと悲しい。
 04年1月~05年3月までの、私の議会での政策提案活動のまとめを書き上げました。せっかくなので、項目一覧を披露しておきます。
 6つの重要政策ごとにまとめたのですが、「環境」については同僚議員まかせで、私は取り上げていなかったことを反省。今年6月議会では、環境関係の質問をする心づもりであります。
 最後に、提案が実現したものについても、記述しています。読んでね。

子ども
・「子どもの読書推進について」04年3月条例予算特別委員会 総会質疑
・「教育基本法の早期改正を求める意見書」案に反対し討論 6月議会
・「子どもの権利保障施策について」05年3月議会 補足質疑
福祉
・「成年後見制度とリバース・モーゲージ制度について」6月議会 一般質問
・「障がい者等の就労支援について」9月議会 一般質問
・「移動サポートサービスの推進について」12月議会 一般質問
食と農
・「食の安全の確保について」条例予算特別委員会 総会質疑
・「環境保全型農業の推進について」条例予算特別委員会 総会質疑
・「学校給食の食材について」条例予算特別委員会 総会質疑
男女共同参画
・「男女共同参画を推進するための施策について」決算特別委員会 総会質疑
市民自治
・「消費生活条例」12月議会 議案質疑
・「人工島直轄化問題」12月議会 議案質疑
・「人工島内小・中学校用地の取得について」2月議会 議案質疑
・「イラクへの自衛隊派遣延長に反対し、早期撤退を求める意見書案」を提案するも、賛成少数で否決 12月議会
・「指定管理者制度について」3月議会 補足質疑
・「3/20福岡県西方沖地震 震災被害の復興に関して」条例予算特別委員会 総会質疑
・「商店街の活性化策について」中小企業審議会 決算特別委員会分科会等
・「外郭団体の改革について」都市問題調査特別委員会
・「ボランティア・NPO支援施策について」都市問題調査特別委員会
 
 この1年で、議会提案や、予算編成に向けての「予算要望書」で提案してきたことのうち、05年度より実現したことは、
・就労支援センターのジョブコーチの待遇改善
・消費生活センターで、月に2回の土曜相談を実施
・04年度までは、店舗としての新規出店者への家賃補助策であった「空き店舗活用支援策」を、05年度から、高齢者のお休み処や託児施設等に空き店舗を活用する際の改装費や家賃の補助もできるよう拡充
などです。
 「市民発」の政策提案の結果、毎年、実現項目が増えていくのはうれしいことです。


お薦めの本

2005-04-22 21:03:37 | お薦めの本
NHK出版生活人新書「非行少年と弁護士たちの挑戦」福岡県弁護士会こどもの権利委員会の活動の記録。日本の少年法の理念とこどもの権利を守るという立場で奮闘する弁護士たちの姿、考え方がよくわかります

自助・共助・公助

2005-04-21 23:27:39 | 市民自治
 今日は、支部大会での挨拶と福祉活動基金運用委員会への出席。
 支部大会での挨拶では、余震のお見舞いと、「まず自分の身は自分で守る、それから周りの人と声をかけあって避難する。75分間は公的な助けは来ないと心得よ」との九大病院救急部長のお話しを紹介し、「自助(自分で備えること)、共助(助け合って生きるしくみをつくること)、公助(公の制度やサービスによる助け)」の話をしました。生協の活動は、暮らしの様々な場面で「助け合う」しくみをつくることであり、代理人・ネットワーク運動は、「公助(公的な制度やサービス)」について市民提案を実現することであること。自分に対して「大丈夫だった?」と声をかけてくれる人が何人もいる、それはとてもありがたいこと、だれもがそういう中で暮らせるような社会になるよう、それぞれの立場でがんばりましょう、と話しました。
 今日の西日本新聞の夕刊によれば、昨日の余震での負傷者は、3月の地震の恐怖感から行動を焦ったり、精神的不安感に襲われるなど、「恐怖の記憶」が影響を与えたケースが目立っている、と報じています。
 一ヶ月目の最大余震で、不安感は増しています。今日、麻生県知事は、警固断層が動かないよう、警固神社で祈願したそうですが、神頼みだけでなく、具体的なことをしていかないと・・。
 今日、我が家のポストに、校区の「安心安全マップ」が配布されていました。カラー刷りで、見やすく、避難場所から、校区内のひったくり発生地、車上荒らし発生地、交通事故多発地、子どもが一人で行くと危険な場所などが地図上にわかりやすく書かれ、防犯のポイントなども書かれています。校区が広く、池や川、田圃や藪など、けっこう子どもたちにとってはわくわくする場所でも、親は知らない場所というのもある地域です。鹿児島では中学生が壕の中で亡くなる事故もありました。このマップは活用できるものだと思います。
  この防犯マップは校区自治協議会(町内会のこと)による作成です。震災後の聞き取り調査では、避難所がどこかがわからなかった人も多かったことがわかっています。
  地道な「共助」の取り組みを進めることが大事ですね。

やっぱり余震の話

2005-04-20 23:53:31 | こんな1日
 今日の話題は、なんと言っても6時11分の震度5の余震です。やっぱり怖かった。
東京でも筑波でも、しょっちゅう揺れていたので、地震そのものには慣れていたけれど、震度5以上の揺れは、やっぱりかなり「生命の危険」を感じるから、不安になるのでしょうね。前回は私は埋立地にいたので、今日の揺れはこの前ほどの震度ではないな、と揺れている間に思いました。が、寝込みを襲われたのと、昨日までの疲れで今日は体調不良だったので、揺れてもすぐには行動できず、とりあえずテレビをつけました。
 前回の揺れの時も、我が家はほとんど落ちたものや壊れたものはなかったのですが、しばらく余震があったので、壁掛け鏡などはまだもとに戻さずにいました。(単に戻す作業をしていなかっただけですが)
 やっとここ一週間くらいは体に感じる余震がなくなったところだったのにね。でも忘れた頃に最大余震がきたので、今回は前回よりももっと、不安感、精神的ダメージを受けた人はおおかったのではないでしょうか。
 ちょうど昨日、区役所から電話があり「3月20日の地震以来通行止めになっていた、志賀島の道路がまもなく復旧する予定なので、復旧したら連絡します」とFAX番号を確認されたところでした。それなのに今日の余震で、志賀島ではまたがけ崩れが。その様子がテレビ放映されていました。今度の震源は志賀島のすぐ北だったとのことで、志賀島の方々は、さぞかし怖かったでしょうね。震源が南下しているので、警固断層への影響もますます心配。
  昨日の臨時議会の討論でも述べましたが、本当に「市民の命と暮らしと財産を守るための防災体制の構築」を急がないと。公助・共助・自助のどれもが必要ですね。それにつけても臨時議会での「市民はコミュニティレベルでの自治を」との、市民をバカにした市長と局長の答弁には腹がたつ。(詳しくは昨日の記事で)
 今日の予定はキャンセルになったので、家にいましたが、午前中は2回震度4の余震があったので、お昼に火を使うのはいやだなと思いましたが、おなかもすいたので、昼ごはんをつくりました。
 そのあと、家の中と外を掃除。我が家の庭のどんぐりの木は今ごろ落葉するのですが、日曜も落ち葉を掃いたのに、昨夜の嵐でまた葉っぱが散乱していたので、庭箒で掃きました。
 それから家の中を掃除。風呂場(脱衣所)に掃除機をかけていたら、脱衣所と浴室の間のガラス扉に亀裂を発見!もしや地震で亀裂が?でもよくみると、一箇所に力がかかってそこから四方にひびが入っている様子。帰宅した長男に聞いてみたが、知らないとの返答。夫に「知ってた?」と聞くと、「あ、それ俺がやった」「なんでその時、申告しないのよ。地震で割れたのかと思ったじゃない」「だって一生懸命、デッキブラシで掃除してたから、事故だよ事故」だって。

8万4000筆の直接請求による「人工島事業の継続の賛否を問う住民投票条例案」否決される

2005-04-19 22:14:15 | 議会関係
「人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案」は、直接請求に必要な署名数である2万2000人の3倍以上、約8万4000人(うち有効署名数7万6922人)の署名をもって、議会に提案されました。
 4月18日臨時議会は、10時に開会し議案質疑を行った後、港湾局を所管する第三委員会に付託され、16時半~22時半まで、長時間の審議を行いました。19日の採決では、賛成少数で否決されてしまいました。
 これだけの署名をもって条例提案を直接請求されたということは、人工島事業は、博多湾の自然環境の破壊につながることや、過大な港湾整備であること、本市の財政運営に重大な影響を及ぼすことなど、将来に大きな禍根を残すことを危惧する市民が多く存在するということを表しているのに、多くの市民の意志が、否決されてしまいました。
住民投票の必要なしと断じた市長意見書
地方自治法に基づき、市長が条例案に付した意見書は、①人工島は福岡市にとって重要な事業、②コンテナターミナルや住宅地などその成果が現れてきている、③法令に従い、議会の審議・議決を得るとともに市民の理解を得てきたので「条例制定の必要なし」と断じました。
質問骨子
本会議ならびに第三委員会での、私の質問の骨子は以下の通り。
Q)着工前、着工後に、「いつ、どのようなかたちで、何回」市民にこの人工島事業について説明をしてきたのか
A)着工前の市民意見発表会、「港湾計画」「博多港開発事業計画」の縦覧の後の意見募集、出前学習会等で説明、市民意見を頂いてきた。
Q)何をもって「市民の理解は得られている」というのか
A) 議会で審議・議決いただいてきた。
Q)8万4000人もの署名が集まったということをどのように捉えているか
A)重く受け止め、今後の事業を推進していく。
Q)市長は市政方針で「自治都市・福岡」を掲げているが、いかなる課題についても住民投票という手法の導入は必要ないと考えているのか?
A) 住民投票は間接民主制度を補完するものと思うが、二者択一であることや長の権限の問題等、制度上の問題点も指摘されている。
Q)市長選で公約に掲げた、事業の点検においては人工島も聖域ではないとしながら、結局人工島事業の継続を決めた理由は何か。また、2工区の直轄化までしなければならなくなり、破綻状況が明白となった現在でも、まだ人工島事業は市の将来に不可欠であるとする理由は何か
A)答弁省略
Q)震災によって、埋立地への進出や住宅地の購入は控えようという企業や消費者の心理が働くことは必至と考えるが、昨年12月に出されたいわゆる「新新事業計画」を見直すことが必要になってくると考えているか
A) 考えていない。
Q)人工島事業を継続することについて、市民の理解を得られているとの自信が市長におありなら、「賛否を問う住民投票」を実施できるはず。人工島も聖域ではないとして、事業点検をした結果、人工島事業の継続を決められた市長の責任としても、市長は、「人工島事業の継続の賛否」について、堂々と住民投票による審判をうけるべきと考えるが、市長の所見を
A) 人工島事業は本市の将来にとって重要である信じている。法令に則り議会の議決を得てきているので、住民投票は必要ない。
市長答弁に唖然
本会議場での答弁で、市長が「自治都市と住民投票は関係ない」と言われたので、第三委員会において「自治都市と住民投票は関係ないと言うのなら、施政方針として掲げる自治都市・福岡は、誰が自治するという意味か?」と質したところ、なんと「コミュニティレベルでの市民自治を」との答弁!
「市民はコミュニティレベルでの自治をやっておけばいい、地方自治の主役は市長だ」と言っているようなもの。まったく市民をバカにした施政方針。条例制定を求める直接請求は、完全とは言えない間接民主制度を補完するしくみとして、市民に認められた権利。行政と議会と市民との関係をどうつくっていくのかが問われている今議会において、自治都市と住民投票は関係ないと、市長が答弁されたことは重大であると、19日の討論に於いて述べました。
我が会派の主張
・本条例案は、「人工島事業」については、今ここで、あらためて住民投票によって、賛成の意見、反対の意見がどれくらいあるのか、市民の意見を直接聞いて欲しいという市民の意志に基づいて提案された条例案。
・人工島事業については、これほど大きな事業であるのに、2度にわたる事業計画の見直しの際にも、市民に直接、説明を行うことも、市民の意見を市政運営に反映させることもまったく行われてきておらず、説明責任も果たされていない。
・住民投票を実施するとなれば当然、事業の継続が必要だと考える方々は、その必要性を市民に訴え、事業の継続に賛成する市民を増やすための運動をし、一方、事業は継続すべきでないと考える人々は、事業継続の悪影響を市民に訴え、そのことに賛同する市民を増やすための運動をすることになる。きちんと市民の理解が得られるよう説明をした上で、住民投票による審判を受けるべき。
・住民投票の投票権を持つ市民は、ひとりひとりが判断して投票される。その結果こそが、市民の意志を示すもの。
・人工島事業は、まだ全部が竣工したわけではない。外周護岸しかできていないところもある。埋め立て面積の縮小など、事業の見直しの方法はいくらでもあるではある。
・市長には、住民投票によって示された市民の選択、その選択がどのようなものであったとしても、その市民の選択の上にたって、今後の市政運営方針を建て直し、それを遂行する責務があると考える。
・住民投票という手法の導入は、市民の意見を問うものとして、今後の自治するまちにとっては必要なもの。
・今回提案されている条例案は、住民投票の資格者を、本市に在住する定住外国人も含めた18歳以上のものとするなど、市民自治を実現するためのひとつの手法としての住民投票条例案として、大変評価できるものであり、本条例を制定し、ぜひとも住民投票を実施すべき。
・福岡県西方沖地震によって、人工島をはじめとする埋立地の弱さが露呈した。このことは今後の人工島事業に大きな影響をもたらす。震災の影響も含め、今後の人工島事業について、市民にあらためてその事業計画・収支計画についてきちんと説明するべき。
・このところの人工島事業優先施策には目に余るものがある。人工島だけを特別視して、「人工島は環境にやさしいまちに」「人工島の小学校には新しい教育スタイルを」「人工島には最先端の医療施設を」など、最先端の技術と予算を人工島に集中させていこうとしている。
・しかし、震災によって、まず復興のための施策に最優先で予算をつけることが必要となった。そして次に必要なのは、まだ誰も住んでいない人工島の耐震や防災を優先するのではなく、既存地域のすべての公共施設の耐震補強であり、民間の建築物や住宅・ブロック塀なども含めた建造物を、耐震補強するための助成制度などの予算化であり、本当に市民の「命と生活と財産」を守ることのできる防災体制の構築。もとより大変厳しい本市の財政状況を、人工島優先から、震災・防災対策優先へと切り替えることが、今、必要となっている。
・市長は、「これだけ進んでいる段階で、賛成・反対だけでは決め得ない」とも言われた。しかし、ここまで進んでしまった段階、つまり399億円にものぼる新たな借金をしてまで、博多港開発2工区を直轄化するという、大きな事業計画の見直しを強行した今だからこそ、また、震災によって、市民生活の根底を揺さぶられた今だからこそ、今後の本市の市政運営においては、何を重点事業とし、何に優先的に予算を配分する必要があるのかについて、納税者である市民の意見を聞く必要がある。

 市民を「主権者」として認めていない市長と、市民の意志と議会の議決との乖離が問題

臨時議会

2005-04-19 00:56:31 | 議会関係
本日の臨時議会は、終わったのが22時20分。昼食休憩後は2時間ごとに10分の休憩をはさむのみ。終了後、明日の討論の原稿を修正して、部屋を出たのが23時20分。いつもは23時過ぎると止められてしまう庁舎のエレベーターも、さすがに今夜はまだ動いていました。本会議と委員会と一日に2回の質疑をし、さすがに疲れました。

消費者の立場で語る、対面販売の魅力―魚屋さん編

2005-04-16 01:10:58 | 消費者の視点
 東京育ちの私は、茨城、大阪を経て、福岡に住むようになりました。引っ越してきてしばらくして、入居した団地のお隣の奥さんが、車でKという商店街のあるまちに連れて行ってくれました。当時はまだ露天で野菜を売るおばちゃんたちもいっぱいいて、ほうれん草3束100円といったかご盛野菜が、通りまであふれるように置かれていました。
 それから今日まで、たびたびこの商店街を利用します。
 今の季節はいちご売りのおばちゃんたちのパラソルがあちこちに開いていて、ほのかに甘い香りも漂っています。
 東京育ちの私は、東京の魚屋さんで見たことのある魚と、このまちの魚屋さんに並んでいる魚の種類の違いに驚きました。名前もよく知らないし、食べ方もわからない。そんな私に魚の料理のしかたを教えてくれたのは、生協の先輩組合員たちと、魚屋さんでした。生協の料理教室では、カワハギの皮を剥ぎ、刺身にして食べる時にはお好みでしょうゆに肝を溶かしたり、味噌汁にも肝を溶かしたりすることもおそわりました。第一、魚の味噌汁なんて、福岡に来るまで食べたことありませんでした。
 商店街の魚屋さんは、何を買おうか迷っている私に、「これとこれとこれ3っつで1500円でいいよ」と声をかけてくれます。「4人分の3日分のおかずが1500円は安いけど、どうやって食べればいいの?」という私に、「これはお刺身にして今夜食べる、こっちは煮付けておく、そんでこれは明日バター焼きにして食べたらいいよ」そこまで教えてもらって安心して買えました。やはり、一番おいしい食べ方を知っているのは魚屋さんです。魚屋さんでは、新鮮な魚とともに、その魚のいちばんおいしい食べ方も一緒に入手できるわけです。これが対面販売の魚屋さんの付加価値です。
さらに、「3枚におろして、猫がいるからアラもちょうだいね」なんてこともできるわけで、かつて猫を飼っていた時、魚屋さんで買った魚のアラを薄味の猫用お煮付けにしていると、待ちきれない猫が、台所で伸び上がってほしがりました。夢中でたべて、大きな骨が歯茎にささって、カッカッカッと奇怪な声を出してパニクっていた猫の姿を思い出します。
 初めてKというまちの商店街を訪れた時私は、野菜も魚も肉も、安くて新鮮で、そういった商品を売る人買う人の熱気がまちにあふれていることに新鮮な感動を覚えました。商店街は、生きものの命をいただく「食べもの」を売り買いする場であり、日用品をはじめとして、人が生きるために必要な様々なもの(商品だけでなくサービスも含めて)を手に入れる場でもあります。そこには、人が生きるということのエネルギー、「いのち」の力があふれています。対面販売の場である「商店街」や「小売市場」が人をひきつける魅力はそこにあると思うのです。