魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

餓鬼の文明

2008年10月17日 | 日記・エッセイ・コラム

NHKで食糧危機の特集をやっていた。
「何を今更」と思ったが、案外、一般には耳新しいことなのかも知れない。
こんなことは30年以上前から解っていたし、言われ続けていたことだ。それでも、目の前で起こるまで、誰も考えようとはしない。

30年前に、進路相談を受けた。子供のできが悪いので農業高校にしか進学できない、とお母さんが悩んでいた。
その時、嘆くことはありません。これからは農業の時代が来ます。
今は、人気がありませんが、これはチャンスですから、むしろ高校に入って勉強して、できれば農業大学に進学したら良いじゃありませんか。そう言うと、でも、うちは農家じゃありませんし、と言うので、何も自作農だけが農業じゃありません。と話した。
その後、農学部に進学したとのことだった。

なぜ、世間の人は目の前しか見ないのだろう。
今起こっていることを、歴史に照らしてみれば、どうなるか簡単に解りそうなものだ。

工業生産に浮かれて食糧自給率を落とせばどうなるか。
終戦直後、都市生活者は、百姓、百姓とバカにしていた農家にすがりつくしかなかった。
力を背景に他国に入り込んで築いた新世界は、力を失ったとたん、すべてを失った。
グローバル化さえ進めば、工業製品で食料が買えるという、つじつま合わせで命は守れない。
動物は先ず自分の命が優先する。

誰も疑わないのだろうかと不思議に思うのは
海外事業とか海外生産とか、勇敢に?展開していることだ。サハリン2の例もある。

東大教授が、今回の食糧危機に、世界中が簡単に食料輸出制限をしたことに驚いていたが、
本気で言っているのだとすれば、人間に夢を見すぎているとしか思えない。


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