魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

真田の技

2023年02月26日 | 日記・エッセイ・コラム

中国の偵察気球を、米国が最強戦闘機で高価なミサイルを使って撃墜した。
2万メートルまで上昇して撃墜できる戦闘機はそうそう無いと言うことで、さすがアメリカと感心する向きが多いようだが、そう思ってもらうためにやったショーだから、大成功と言うことだろう。
従って、ショーでなぶり者にされた中国は、面子が潰されたと怒り狂った。

気象予報士の石原良純が、「別にミサイルまで使わなくても」と言ったら、炎上したらしいが、氏と同じ気持ちだ。
以前カナダが機銃掃射して落とせなかったという話もあるが、穴を開けて直ぐには落ちないまでも、ガスが抜ければ確実に下降するし、生け捕り(確保)にすることもできる。

今回の騒ぎを観ると、軍事的な意味でも、やっぱり、「飛行船」は重要だ。高高度に滞在し、定点監視や電磁的な防御ネットも構築できる。今回のような場合も、気球まで近づいて、撃墜なり、確保なり自由に出来る。
米軍は、銃弾を銃弾で撃ち落とす発想だから、難しく不確実で金が掛かる。アメリカ式のミサイル迎撃システムを買わされるより、日本は、徳川に対する真田の発想で国防を考えるべきだ。重火器や大軍団に、石や竹槍で戦う方法も無くはない。何より、今は電子戦だ。ミサイルの設定を読み取って瞬時に逆設定したり、AIでコースを読み取り待ち伏せするような技術は出来ないものだろうか。今有る技術で考えれば、何でも不可能だと言われるだろうが。

国防費を何でまかなうか以前に、安くて効果的で、しかも純粋な国防とは何か、根本的な議論が先だろう。
敵地攻撃の発想は、西部劇、「早撃ち決闘」の延長線上で、どちらが早く抜くか、差し違いの発想だから、こちらも無傷とは限らないし、極めて高度な技だ。
西部劇映画は結局、服の下に鉄板を入れる落ちで廃れていった。
同じ技に優れる者は、同じ次元でにらみ合うが、技の無い者は別の次元で戦うのが当然だ。日本は早撃ち競争に巻き込まれるより、落とし穴を掘ろう。