魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

表層雪崩

2023年02月18日 | 日記・エッセイ・コラム

このところ強盗が流行っている。オレオレ詐欺が難しくなって、暴力的手法に切り替えたと言われているが、この騒ぎの連鎖反応もあるようだ。大きな事件があると、必ず模倣犯が続く。
情報の受け止め方は様々だが、情報を吸収せず、単なる刺激として反応する半端者がいる。
金が欲しい時に、「強盗!」と聞いたら、「なるほど!」と同じ行動に走り、何も考えないから当然、失敗する。

模倣強盗を観ていると、決して犯罪を奨励するわけではないが、「もう少し、考えたらどうか」と情けなくなる。
人を傷つけ、自分も傷つき、奪ったお金が5万円も情けないが、全く奪えずに逃走する。こういうのは粗暴犯でも模倣犯でもなく、無能犯であり、ある種、情報社会の犠牲者とも言える。ニュースを聞かなければ、思いつきもしなかっただろう。
犯罪に優劣もないものだが、誰も死傷しない分だけ置き引きや空き巣の方がましかもしれない。

犯罪は誰でも追随するわけではないが、ネットの騒ぎは、即反応という点で、全く同じ模倣犯だ。
何か憂さ晴らしは無いかと思っている時に炎上を見て刺激され、ネットを探し回り、少しでも炎上ネタに似たような発言があれば、「あのぅ・・・ですよ」と、慇懃無礼低姿勢風の借用語や、レッテル貼りで攻撃する。(鼻からの罵詈雑言は流行らない)
自分の頭で考えない模倣犯同様、見よう見まねのお気楽攻撃で、逆炎上に陥ることさえある。

嘘と誠の表層雪崩
誰かが「ネットはゴミの山だ!」と吐き捨てていたが、ネット浮浪者でなくても、世界の知性と言われるような人々さえ、情報には翻弄される。卑近な例がコロナ、ウクライナだ。
結局、思想が情報によって形作られる限り、世界は情報の表層雪崩から逃れられない。ファクトだろうがエビデンスだろうが、嘘も誠も一気に大事件のエネルギーに変わる。

こうした。情報による表層思考から逃れる道を、2500年前の賢者達はさまざまに説いたが、その後、それが活かされたような歴史は見かけない。
ただ、それを理解した人々は、それぞれ、静かに表層雪崩から逃れたであろうが、それは歴史には残っていない。