魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

暴走原人

2013年06月21日 | 日記・エッセイ・コラム

何年か前に、アメリカで中国原産のコイが大繁殖し、大きな河で、巨大なコイがボンボン船に飛び込んでくる映像を見た。
地元では、外来種に漁師が困り果てているというニュースだったが、「中国のコイなら中国人に売れば良いのに」と思った。コイの唐揚げは中国の高級料理のはずで、大繁殖も元々、そのコイを調理用に中国人が持ち込んだのではなかろうか。

6月8日、中国企業がコイを買付ることになったニュースが出ていた。アメリカでは外来種撲滅のため、軍隊出動寸前だったそうだが、中国企業は「お助け人」として、工場を建設し、コイを買い上げ調理処理してアジア市場に売るそうだ。当然、ほとんど中国向けだろう。

近年、海鮮をあまり食べなかった中国人が、「和食ブーム」で海魚を大量に食べ始め、日本周辺の漁業資源が危なくなってきた。
中国の伝統にしたがって、淡水魚を食べてくれれば有り難いのだが、中国内の河川が公害で汚染され、食べられる淡水魚も減っているはずだ。

そうなると、海外で「健全に繁殖」した鯉の里帰りとなる。
去年は、上海ガニが繁殖し困っていたドイツで、中華料理店が喜んで買い取り始めた話があった。 (本場の味

普通、外来種が大量繁殖すれば、生態系が破壊され、大問題だが、何でも食べてしまう中国の原産なら、どんなに増えても消費先がある。
売れるなら、地元の漁師も「まっ、いいか」ということになる。

モンゴリアン特急
沿岸部の中国人は、食えなくなると海外に出稼ぎに行くのが伝統だ。日本人のルーツにもこの先祖が、相当いたのだろう。
移動手段が増えた近代では、世界中に中国人が広がり、チャイナタウンを作っている。そうした中国人は、成功しなければ故郷に帰れないと思っているそうだが、上京した日本人もたいして変わらない。

成功して、故郷に錦を飾らなければ帰れないと思ううちに、成功したために現地人になり、却って故郷には帰れない人も出てくる。結局、中国人はどんどん世界に広がっていく。
これは、大きく見れば、モンゴリアン大移動の、偉大なエネルギーだ。

蟹や鯉の中国食材が世界に繁殖するのも、中国人の生活域拡大のせいだが、とにかく、こうやって侵食する生命力によってできている国は、一つ布石を置けば、次の一つに進もうとする。

中国の止まることを知らぬ図々しさは、モンゴリアンの天性だから、理性で「止まれ」と言っても、無理な話だ。
暴走列車を力で押さえつけようとすれば、双方が傷つく。
実際に侵食できなくするには、故障か、ガス欠だ。
経済の原動力を奪ってしまうしかない。
さりげなく、技術供与せず取引仲間に入れないことだが・・・
できるかな?