魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

台頭中国(2)

2010年05月10日 | 日記・エッセイ・コラム

中国の危うさは、一党独裁と資本主義の矛盾だが、
もう一つは、ばく進列車を待っている「車止めのない終着駅」だ。

時代が変われば、同じことが別の姿で現れる

先進国の方式を取り込み、多少の改善を加えただけの大躍進は、
悩みながら一歩ずつ、足場を固めていないから、ある段階で制御不能になる。進むことばかり考えていると、ブレーキを付け忘れる。

戦前の日本の軍国主義は、砲艦外交の先進国を見習った日本が、軍部というエンジンを、自己制御できなくなったことにある。
行くところまで行って、激突散華した。

現在の中国は、経済において、日本の軍国主義とベクトルが似ている。
暴れまくる成り上がりの若造は、誰も止められないが、やがて自ら墓穴を掘る。織田信長が、「たか転びに転ぶ」と言われたように転ぶ。

こういう現象は、歴史の中のつむじ風だが、この「かき回し」がきっかけで、時代は大きく変わる。
日本の「かき回し」で、世界は西欧中心から、アジアに流れ始めた。
中国の「かき回し」は、おそらく、産業革命パラダイムの大転換につながるだろう。

大暴れした大英帝国が英語世界を残したように、日本やドイツが経済復興したように、アメリカはグローバル化を残すだろうし、中国もやがて何らかの遺産を残すことになるだろう。

砲艦外交の幻影
今現在の中国の頭は、古代帝国の覇権主義から少しも成長していない。
おそらく胡錦濤は、そのことは良く解っていると思うが、中国人全体としては、ほぼまったく理解されていないし、理解が行き渡るより先に、中国特急が激突する。

どうにも良く解らないことなのだが、
中国は、今も昔ながらの軍閥を無視できない。会社で言えば営業部のようなもので、企画室がどんなに良い考えを持っていても、営業を無視できない。共産中国はその成立過程から軍事国家であり、実体はいまだに完全には文民統制になっていない。

会社の売上げが伸びれば、当然、営業部が待遇改善を要求する。
中国の経済成長で、真っ先にお金が流れたのが軍事費であることは当然であり、金回りが良くなれば、もっと頑張らなくちゃと、太平洋まで出てくるのも当然だ。

売上げが営業部頼りであれば、無視できないが、ネット販売時代になれば、営業部はいらなくなる。
現在の世界は、砲艦外交の遺物と情報覇権とが、せめぎ合っているが、中国が、情報解放をすれば、砲艦外交の時代は終わる。
国軍は世界警察に改変するしかない。

山羊座の冥王星は産業革命パラダイムの終わりの始まりであり、牡羊座の天王星は、250年パラダイムの、第一期84年のスタートだ。