魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

老害かッ! (老害カー)

2007年10月04日 | 日記・エッセイ・コラム

高齢化が進み、認知症で車を運転している人が急増している。温暖化よりはるかに進んでいることは確かだ。
自分でも、そうかも知れないと常に言い聞かせ、チェックしている。
しかし、自分のことが一番分からない。
まして、本当にそうなってしまったら自問さえしない。

近年、何度かそういう人に出会った。
話せば長い話だから、詳細は下に別記する。関西の車事情の話でもある。
自ら、高齢者マークを付けているような人はたいてい大丈夫だろう。
(ただし、家族に貼られている人もいるわけで・・・)
むしろ、普通の顔をして走っている車の方が問題だ。

考えてみれば。町を歩く時など、歩行者はしょっちゅうぶつかったりカスったりしているわけで、その同じ人間が運転しているのだから、ルールに従って走ったとしても、ぶつからない方が不思議だ。

歩行者なら「あぶない人」は顔で分かるが、車の運転者は見えない。
1トンもあるものを、どんな人が運転しているか分からないのだ。

過労運転、無謀運転、携帯運転、TV運転、心臓発作、喧嘩運転、いちゃいちゃ運転、・・・車内の事情は分からない。
飲酒運転は止められるが、認知症はなかなか止められない。
そういう意味でも、公共交通機関の充実が切実だ。

車なんか、本当に運転したくない


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エピソードその1.
数年前だが、
夕方、T字路の信号で止まっていた。下の図「T字」の左から下に向けて右折するためだ。
Tのタテ棒に当たる道は一方向2車線になっており、こちらから入っていく場合は進行右側(図の左)に入っていく。

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信号が青になって発進し、遙か向こうにライトが見えたが、完全にこちらの方が早いと見て、右折して進行右側の車線に入った。途中で、対向車の左折のウインカーがついたのも見えた。
入ってしばらく進んだところで、左後方に衝突された。
左の路肩に止めて、「どうしましょうか」と相談するつもりで車から降りると、前方に止めた車から老人が降りてきて、いきなり
「何で、急に前に出てくるんや!」と怒鳴り始めた。
「・・・???」
とにかく埒があかないので、警察に来てもらって調書を取ってもらったが、その間も、警官に自分の正当性をまくし立てている。
ついに、50代の警官も頭に来て
「しゃあけど、アンタ、ここにぶつかってはるんでっせ!」
と、後部にぶつけて、しかもタイヤの跡がゴリゴリに付いているところを指さして見せた。(つまり、曲がりながらぶつかっている)
「急に前に出てくるしや!」と、また言う。
後で分かったが、71歳だった。

もうおわかりと思うが、この人、右折するこちらの車が全く目に入っていなかったのだ。だから、気分良く猛スピードで大曲に突っ込み、前方を走っていた、こちらの車にぶつかって気が付いたのだ。
「急に前に現れた!」
こちらは信号から発信したばかりでスピードはないし、点灯もしていた。この人は遙か彼方から青のうちに曲がろうと、信号を見ながらスピードを上げてきたのだろう。曲がりきれないから大曲でこちらの車線に突っ込んだ。

どこまでも言い張っているし、裁判するのも疲れる話で、
「専門家にお任せしましょう」
と、とにかく双方の保険を使うことを承知してもらい、別れ際に
「お互い、ケガが無くて良かったですね」
と言うと、警官が
「いやーあ、ほんとう、ほんとう」と、大声で言う。
本人は黙って車に乗って帰った。

実は、この間のやりとりはそーとー面白いのだが、極めて長くなる。ご想像あれ。漫才を。

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エピソードその2.
先日、
車線のない裏道を走っていると、道路工事中だった。誰もいない。
本来はすれ違える道幅だが、片側一車線しかない。
工事区間は30~40m位だったろうか。
その先は緩いカーブになっている。
車は来ていなかったので、工事区間に徐行しながら入って行った。後ろの車も続いて入ってくる。
7割ぐらい進んだところで、カーブしている前方から車が現れ、
なんと! 入ってきたのだ!
その車は車体2/3位入って止まり、こちらはその車の鼻面らで止まった。
ビンの口に栓をしたような状態である。
常識で考えれば、まず進入してくるはずのないケースだ。
だから、当然、バックするものと思って待っていた。
ところが、60代ぐらいの、そのサングラスにヒゲのオッサンは、
悠然と構えて待っている。至近距離なので風体も見えるが、どこかの医者か学者風で、特に怖い人でもなさそうだ。
ジェスチャーで、後ろに並ぶ車を見せ、下がってくれと合図するのだが全く微動だにしない。
どれぐらい経っただろうか、最後尾の車が下がり始め、こちら側の4~5台が全部下がって通りを開けると、悠然と会釈一つせずに行ってしまった。

これは、完全に○○老人としか考えようがない。
そう思って、あきれていたある日、
ある女性が
「うちの主人は、道や、駐車場で向かい合ったら絶対に引かない」
と、自慢げに話していた。

世の中には、そういうことで得意になっている人がいるんだ!
と、感動に近い驚きを体験した。
そのご主人たる人、ごく普通のサラリーマンで50歳だ。
女性の、あまりの確信に、そうは言えなかったが、
○○老人どころではない。始めから、○○人間やあ~