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『レイルウェイ 運命の旅路』 (2013) / オーストラリア・イギリス

2014-04-11 | 洋画(ら行)


原題: The Railway Man
監督: ジョナサン・テプリツキー
出演: コリン・ファース 、真田広之 、ニコール・キッドマン 、ステラン・スカルスガルド 、ジェレミー・アーバイン 、サム・リード 、石田淡朗
試写会場: よみうりホール

映画『レイルウェイ 運命の旅路』 公式サイトはこちら。


おさそいいただいて行ってきました。ありがとうございまーす。

第2次世界大戦時、日本軍の捕虜となり、鉄道建設に狩り出された英国兵士と日本人通訳らの実話を映画化したヒューマンドラマ。鉄道好きで平凡な人生を送るはずだった英国軍兵士のエリックは、シンガポール陥落時に日本軍に捕らえられ、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設現場で過酷な労働を強いられる。それから約50年後、当時の記憶に苦しめられながらも、愛する妻と平穏な日々を送っていたエリックは、鉄道の建設現場にいた日本人通訳の永瀬が、戦争体験を伝えるためいまもタイに暮らしていることを知る。永瀬の存在が心の奥の傷をよみがえらせ、動揺するエリックだったが、意を決して永瀬に会うためタイへと向かう。(映画.comより)


原作は1995年「エスクワイア」誌ノンフィクション賞を受賞したエリック・ローマクスの自叙伝「泰緬鉄道 癒される時を求めて」。
ちなみに泰緬鉄道建設をベースにした映画『線上にかける橋』は未見。

泰緬鉄道 wiki

この泰緬鉄道は初めはイギリスによって建設が計画されていたが、地形が複雑なため断念。その後第二次世界大戦中に日本軍が連合軍捕虜や現地人らを使い完成させたが、その過程で多くの死者が出て、生還した者もトラウマを抱えたり憎悪を抱くといった後遺症を残す。

鉄道建設は大事業なだけに、過去においては罪人や囚人、捕虜によって懲罰的な意味合いで作られたケースも少なくない。日本でも北海道開拓時代の鉄道建設には多数の囚人や強制連行されてきた人々が従事させられ、落命したのは有名な話。
捕虜を扱うに当たって、その人権に配慮するという感覚は当時の日本軍には恐らくなかったであろうし、戦時中なら尚更敵国人を真っ当に扱う意識は薄れる。日本人の出征者がシベリア抑留に遭った史実もあるし、この辺りは人間の中に潜む暴力的な側面なので、どちらがどうとは言えないだろう。泰緬鉄道敷設に従事させるにあたっても、北海道の鉄道建設にみられたような、人間の使い捨て的な感覚がベースになっていたと思われる。

冒頭では鉄道を通じてロマンティックな恋が始まるのか・・・ と思いきや、一転して場面は戦時中になる。そして次第に隠されていたエリックの過去が明らかになっていく。献身的であり、「自分の全てだ」と言い切ったパトリシアにさえも打ち明けられないほどの心の傷。
虐待を受けた側としてはその心の傷が容易には癒えないことはもっともである。その恨みを晴らしたいと報復するケースもあるが、多くは時間の経過をひたすら待って忘れようとするのではないか。下手に思い出すとかえって自分のメンタルが保てないことがあるから。

よく戦後、敵国同士の元兵士たちが友好を願って集まるという催しも行われているが、実際どの程度納得してそれを行っているのだろうという疑問はある。殺し合いをするほどの関係だった人たちがそれを解消することは大変な努力がいることだろう。
まして本作のように捕虜と通訳(といっても、映画から推測するに多分に圧力をかける役割もしていたのだろうと思う)、自分がここまで悩んでいる原因の1つとして相手が存在することがわかるのならば、苦しんでいることを伝えて報復もしたいという気持ちが出てしまうのは致し方ない。

エリック・ローマクスと永瀬隆との友情が実際どのような強さだったのかはわからないし、映画のようなシークエンスが実際あったのかどうかはわからないが、本や映画になるほどだからお互いに良好な関係だったのだろう。あくまでも永瀬は個人としてエリックに応対したのではないということをしっかり把握する必要がある。当時の運命の中で敵対する役割になってしまった相手が、そうせざるを得なくて対応したことが事実だが、相手を追い詰める際に相手よりも優位に立っているという感覚が全くなかったとは言い切れない。
運命の流れの中で出会ってしまった2人ではあるが、これがいかにも相手の軍の全ての印象であると勘違いしてはいけない。しかしながらそこは視覚に訴える映画であり、『戦場にかける橋』では生ぬるい表現もあったと当時建設に従事した退役軍人たちからも要望があったということなので、本作はそのあたりの生々しさにどれだけリアルに近づけるかも重要視したと思われる。

だがそれだけに、主に相手国側からの視点として描かれているので非常に一方的にも感じられる。贖罪と同時に残虐性だって全ての人に備わっているわけで、こういったことをフラットに描くのは本当に難しいと感じる。旧連合国の製作で、各方面からの要望にも応えているとなると、当然ながら完全に公平ではないところから出発しないといけないからだ。俳優陣にはベテランを取り揃え、演技力では安心して観ていられるが、どうしても内容としては教訓的な意味合いが前面に出てしまうのは致し方ないのだろう。


★★ 2/5点






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10 Comments

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戦場にかける橋 (まっつぁんこ)
2014-04-14 12:22:08
エリックが永瀬氏の生存を知ったのは、永瀬氏がNYタイムズかなんだかに寄稿した「戦場にかける橋の嘘と真実」という記事だそうです。エリックは永瀬氏に手紙を書き、永瀬氏はただちに返事を出しました。そこから交流が始まり、エリックと永瀬氏は会うことになったのです。すなおにそのように描写した方が良かったのではないでしょうか?ステランの自殺も事実かもしれませんが、その他の部分も含め黄色人種への悪意が感じられました。
まっつぁん (rose_chocolat)
2014-04-15 10:46:48
そうなんですか。
ご意見受けて、星を下方修正しました。映画製作に意図的な悪意はいけませんね。
自叙伝 (ノルウェーまだ~む)
2014-04-17 15:45:17
roseさん☆
自叙伝を基に・・・となっていたので、ほぼ事実なのかなーと思っていたら、最後は随分と違うようですね。
それでなのか、なんとなく後半違和感を感じてしまいました。
でも戦争を扱っている割に、映像的に美しい部分もあって雰囲気のある映画でした。
ノルウェーまだ~むさん (rose_chocolat)
2014-04-19 09:28:20
>なんとなく後半違和感を
私は全然予備知識なく観たけど、どうもあっさりしすぎ感がありまして。
あとで事実を知ったらなるほどと思いました。
映像は綺麗だったし、真田さんの若いときの役者さんもよかったんだけどね。
『永遠の0』で感動した人に見て欲しい作品 (とらねこ)
2014-05-07 17:27:03
『戦場にかける橋』は、なかなか素晴らしい力作でしたよ。
単なる感動作ではありませんでした。
ラストショットにも、感激しましたね。
もちろん、史実と違う部分もこちらにもあるのでしょうけれど。
とらねこさん (rose_chocolat)
2014-05-10 17:14:37
>『永遠の0』で感動した人
具体的にイメージ湧きにくいんですが、
あの映画とは違う、形を代えて出てくる戦争の犠牲について想いを馳せてほしい、ってことかな。
果たして観に行っていただけるのかはわからないけど。
創作部分、、、 (kira)
2014-05-12 17:23:25
現存してらっしゃる、元軍人の原作の映画化、、ということで
制作人がかなり「気を使って」いたのがHPなどからも感じられますが、
恐らくは脚色されたとおぼしきシーンが成功したとは思えない終盤でした。
kiraさん (rose_chocolat)
2014-05-13 13:15:25
>脚色されたとおぼしきシーンが成功したとは思えない終盤
綺麗なんでうっかり引き込まれそうになりますよね。
綺麗の後ろに隠れているものを知ったらそうはいかないというか・・・。
気を遣ったというのも、原作者にだけだとしたらなんとなく残念です。
私も (latifa)
2014-10-28 18:38:28
roseさん、こんにちは!
盛岡、いかれたのねー。
通過したことはあるけれど、下りた事が無いので、私も行ってみたいなー。やっぱり麺を食べたいわ。
roseさんの記事の写真とか見たら、風情のある町みたいで、興味が湧いてきちゃったよ。

で、これ・・・。
うーーん・・・。
私も「戦場にかける橋」も見た事なくて、この鉄道のことを知らなかったので、それを知れたって事は有意義だったんだけど・・・
キャストは豪華でしたよね!
latifaさん (rose_chocolat)
2014-10-31 10:19:49
盛岡、2回目なんですけど、なかなかいいところですよ。
仙台も好きだけど、盛岡も同じくらい好きです。
ぜひぜひ~

この映画ねえ。。 裏話を知って、
興醒めでした。なんだかなー

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