Nice One!! @goo

観たい映画だけしか観てません。今忙しいんでいろいろ放置

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

【FILMeX_2012】『サイの季節』 (2012) / イラク・トルコ

2012-12-01 | 中国・香港・アジア映画、その他の映画


原題: Rhino Season / Fasle Kargadan ha
監督: バフマン・ゴバディ
出演: ベヘルーズ・ヴォスギー 、モニカ・ベルッチ

第13回東京フィルメックス『サイの季節』ページはこちら。


前作『ペルシャ猫を誰も知らない』で知られるバフマン・ゴバディ監督。次回作がフィルメックスで上映あるということなので行って来ました。これ公開あるかわからないので、都合つく時に行っておかないと。。。
本作でサヘルを演じたベヘルーズ・ヴォスギーは、今回のフィルメックスでは功労賞を受賞
モニカ・ベルッチ出演っていうのも非常に興味ありますし。


・・・バフマン・ゴバディがトルコで撮影した新作『サイの季節』は、実在するクルド人詩人サデク・カマンガルをモデルとする作品だ。詩人サヘルはイスラム革命中に反革命的な詩を発表したという理由で逮捕され、監獄に送られる。サヘルの妻ミナは夫の釈放を待ち望むが、やがて夫は獄中で死んだと知らされ、新しい生活を始める。実際には生きていたサヘルは30年後に釈放され、ミナの行方を探すが...。(フィルメックス『サイの季節』ページより)


サヘルはイスラム革命がきっかけで逮捕され獄中に送られますが、この背後にはミナに横恋慕をして叶わなかった、ミナの運転手の存在があった。
女性に振り向いてもらえない男性が、その女性や家族までもを陥れる、イスラム圏ではよくある話。それが革命期であったが為に、ミナは10年間、そしてサヘルは30年間も投獄されることとなった。何の落ち度もないのに一方的に想いを押し付けられて運命を狂わせられるのは何とも気の毒な話。
先に出所したミナを待っていた辛い仕打ちと、その結果として起こった家族への出来事、これは『灼熱の魂』を観た方ならすーっと入ってくる出来事。女性が女性として思うがままに生きることが難しく蹂躙されてしまうことの悲劇だった。


その堪え難い運命を受け入れてひっそりと暮らすミナ、それでも忘れ難いサヘルへの想いを甦らせる出来事に、サヘルの詩が登場する。この使い方は見事であり、またロマンチックでもあった。今更面と向かっては言えない、しかし伝えたい想いをあんな風にするとは。ミナが感じてきた心の痛みをサヘルもまた引き受けた瞬間ではなかったか。
密かな、しかし熱い想いを抱えて生きる人たちの前には、どんな痛みもひれ伏していくのだろうか。
ベヘルーズ・ヴォスギーは特別賞に相応しく、威厳と重みのある演技。そしてモニカ・ベルッチの堂々たる落ち着きぶりは素晴らしい。彼女はこういう役を待っていたのではないのだろうか。常に「イタリアの宝石」として、どうしてもその肢体にばかり注目が集まって近年役柄が決まってしまっていたような扱いだったが、本作で思う存分深みのあるミナを演じてその鬱憤を晴らしたかのような演技だった。こんな役が似合う彼女は本当に素敵、これからも多彩な役柄を演じてくれることを期待したい。


そしてゴバディ監督は前作とはガラっと作風が変わっているようにも見受けられた。本人が体験した、亡命という非日常だけど身近なことを細部にわたって描いた前作とは異なり、本作は時間軸を必要とする史実に基づきながらも、その時の流れをファンタジックに表現できている。細やかなストーリー展開を1つ1つ取り上げることなく、わずかなヒントで観客に理解してもらって、あくまでも人物の心情に迫った点で、本作は非常に深みのある仕上がりとなっている。


★★★★ 4/5点





Comment   この記事についてブログを書く
« 2012年11月 観賞記録 | TOP | 『ミロクローゼ』 (2012) / 日本 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 中国・香港・アジア映画、その他の映画