
ロセッティ
レディ・リリス
1868 97.8×85.1cm
デラウェア美術館
レディ・リリス
1868 97.8×85.1cm
デラウェア美術館
蛇は異国的な華麗さと罪への誘いを思い起こさせるモティーフとして好まれました。
クリムトは「海蛇」で女の上半身と蛇の下半身を結合し、
妖しい官能性を表現しています。

クリムトは「海蛇」で女の上半身と蛇の下半身を結合し、
妖しい官能性を表現しています。

クリムト
海蛇Ⅰ
1904-07 50×20cm
ウィーン オーストリア美術館
海蛇Ⅰ
1904-07 50×20cm
ウィーン オーストリア美術館
古代エジプトにおいて蛇(コブラ)は王権の象徴であり、
インドにおいては蛇は神としてあがめられています。
それらのことから華麗な東方世界を連想させるモティーフとなったのでしょう。
一方キリスト教世界で蛇はエヴァを誘惑し、
原罪を犯させたことによって忌み嫌われる存在となりました。
今回取り上げたロセッティの作品に描かれている「リリス」とは
アダムがエヴァ以前に妻にしたとされる、
ユダヤの伝説に登場する半人半蛇の魔女です。
エヴァに知恵の木の実を食べるよう唆したのも彼女だといわれています。
この作品のリリスは豊かな髪を櫛けずり手鏡に見入っています。
このポーズはセイレーンなどの魔女のポーズでもあります。
彼女の一筋縄ではいかない誘惑の罠は
周りを取り巻く花々によって象徴されています。
●白薔薇・・・「無垢」「純潔」
●雛菊の花輪・・・「童心」「優しさ」
の本来は象徴なのですが、これは男たちの油断を誘う罠なのです。
●芥子・・・「死」
●ジギタリス・・・毒草
これらの花が彼女の本性を示しています。
ジギタリスの花の側にハート型の容器が置かれていますが、
これは犠牲者を象徴しています。
洋の東西を問わず「蛇」は女性と結び付けられることが多いようです。
ギリシア神話には人間に恋をして、悲劇的結末を迎えるラミアが登場し、
中国の古典文学にも白娘子の物語があります。
そして日本でも清姫の物語があります。
「蛇」の象徴するものについてもっと詳しく調べて、
また次の機会に記事にしたいと思います。
インドにおいては蛇は神としてあがめられています。
それらのことから華麗な東方世界を連想させるモティーフとなったのでしょう。
一方キリスト教世界で蛇はエヴァを誘惑し、
原罪を犯させたことによって忌み嫌われる存在となりました。
今回取り上げたロセッティの作品に描かれている「リリス」とは
アダムがエヴァ以前に妻にしたとされる、
ユダヤの伝説に登場する半人半蛇の魔女です。
エヴァに知恵の木の実を食べるよう唆したのも彼女だといわれています。
この作品のリリスは豊かな髪を櫛けずり手鏡に見入っています。
このポーズはセイレーンなどの魔女のポーズでもあります。
彼女の一筋縄ではいかない誘惑の罠は
周りを取り巻く花々によって象徴されています。
●白薔薇・・・「無垢」「純潔」
●雛菊の花輪・・・「童心」「優しさ」
の本来は象徴なのですが、これは男たちの油断を誘う罠なのです。
●芥子・・・「死」
●ジギタリス・・・毒草
これらの花が彼女の本性を示しています。
ジギタリスの花の側にハート型の容器が置かれていますが、
これは犠牲者を象徴しています。
洋の東西を問わず「蛇」は女性と結び付けられることが多いようです。
ギリシア神話には人間に恋をして、悲劇的結末を迎えるラミアが登場し、
中国の古典文学にも白娘子の物語があります。
そして日本でも清姫の物語があります。
「蛇」の象徴するものについてもっと詳しく調べて、
また次の機会に記事にしたいと思います。
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最近は ネット出不精になてしまっていますが
ぽつぽつ続けていく所存ですので よろしくお願いいたします
蛇の持つ意味などを知るのは
絵画鑑賞にまた新たな興味がわきますね
アップを楽しみにしています
あと リングの件ではいろいろお手数をおかけしました
あけましておめでとうございます。
昨年はHPおよびブログを開設して
yumi様ともお知り合いになれ、
いろいろとお話させていただくことができ、
大変楽しかったです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
この記事は以前HPで公開していた記事の再録なのですが、
「蛇」と「女」についてはいろいろと興味深いものがあるので、
後日記事を追加したいと思っております。
リリスからイブへの女性像の移行は、男を支配しようとする古代母系社会の女性像と、男に従属する貞節な女性像への移行が隠れているんじゃないかと私は思うんです。
でもリリスはイブに敗れたわけではなくて、イブの中にもリリスは生きているんですね。
おもしろい話題ですね。レポートまた楽しみにしています。
それによると「シュメール、バビロニアの女神をユダヤの神話にとりこもうとしたからではないか」とあります。
しかし神の名前を「エホバ」と呼ぶのが中世の異端であると同じく、リリスなるものを持ち出すのはキリスト教神学にとって異端です。
ところがこの本は「イヴの初体験の相手はアダムではなく蛇小僧であったという」
面白いは面白いですが、想像力の飛躍のしすぎですね、この人は。
絵になるとなんて魅力的ですね
トップのレディ・リリス、凄く綺麗ですね
少女漫画の世界、こういうものに憧れているのかしら・・
蛇と地母神の結びつきについては多くの人があげています。
蛇の髪を持つメデューサはその貶められた地母神の成れの果ての姿のように思えます。
これからいろいろと調べてみます。
>okiさん
中丸明「絵画で読む聖書」は私も持っています。
この人の本はお世辞にも上品とはいえませんが
読み物としてはわかりやすく、面白いですね。
>えみ丸様
実際の蛇は私も苦手です。
この「レディ・リリス」はロマンティックな作品ですが、
女と蛇を描いた作品にはもっと生々しくエロティックなものもあります。
そちらは図版をUPしませんでした。