Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

花のうたを聴きながら

2005-05-03 23:20:16 | 美術
現在渋谷のbunkamuraで「ベルギー象徴派展」が開催されていますが、
私は97年に高知県立美術館で開催された「ベルギー象徴主義の巨匠展」と、
96年に高松市美術館で開催された「世紀末ヨーロッパ 象徴派展」を見に行きました。
世紀末象徴主義というと食指が動くのですが、残念ながら東京は遠く、今回は行けそうにありません。

今回タイトルにした「花のうたを聴きながら」というのは、フェルナン・クノップフの素描「ステファヌ・マラルメの詩」の別名です。
私の最も好きなクノップフ作品です。
小手毬やかすみ草のような小さな花(多分白い花)に顔を寄せ、思いに耽る人物が描かれています。
本当に花々の歌声に聞き入っているかのように見えます。
彼には他にも「沈黙」「香」のように瞑想的な作品が多く見られます。

クノップフはブリュージュの風景も多く描いていますが、現実の街ではなくどこか異世界の街を思わせる光景です。
このような風景画を見ると20世紀のシュールレアリスム絵画を連想します。

「私は自分だけの世界を創り出し、そこに遊ぶのです」とクノップフは好んで語ったそうです。
彼の作品に登場する人物も自分だけの世界の住人であり、
彼の描くブリュージュは現実のブリュージュの街ではなく、彼の創り出した幻想の街なのです。
そしてそれらの作品を見る者たちは、彼の創り出す夢想と静寂の世界へいざなわれるのです。

追記
高松市美術館のサイトを見て発見したのですが、現在「ヨーロッパの古都・ゲント美術館名品展 西洋近代美術の中のベルギー 1800-1945」が開催されています。
新古典主義からシュールレアリスムまでベルギー近代美術を概観できる展示構成のようです。

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8 コメント

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クノップフ (yumi)
2005-05-04 21:17:32
私のブログにお越しいただいてありがとうございました

今回のベルギー絵画展は 上半期のMYベストワンではないかと思っています



花のうたを聴きながら・・・まずこの題がきれいですねぇ

私は今回来た中では「メリザンド」が好きでしたが

色合いとか持ち味が似ている感じがしました



クノップフの絵は なにか不思議な

本当に夢の中にいるような感じを受けます

デルボーのそれと少し違うんです

デルボーの絵だと 人の夢を除いている感じを受ける

クノップフの絵だと 自分の夢のような感じがするのです
Unknown (イッセー)
2005-05-04 23:22:44
千露さん

コメント&TBありがとうございます。

どれも初めて見る作品ばかりでしたが、凄く楽しめました。

特に「三姉妹」が印象的でした。

今後もよろしくお願いします。
ご訪問ありがとうございます (千露)
2005-05-05 00:28:02
>yumi様

コメントをありがとうございます。

今回のベルギー象徴派展は本当に充実した内容のようですね。



私も以前高知の展覧会で「メリザンド」を見ました。

「花のうたを聴きながら」もそうですが、

「メリザンド」もまさに Beautiful Dreamer といった感じの作品でした。

他には「グレゴワール・ル・ロワと共に―我が心は過去に涙す」も

夢想的でとても好きな作品です。

「青い翼」も好きなのですが、実際の作品を見たことがないので、

是非一度見てみたいです。





>イッセー様

コメントとTBをどうもありがとうございます。

ベルギー象徴主義には一種独特の魅力がありますね。

今回の展覧会でベルギー象徴主義へ関心を持つ人が増えるのは

10年来の世紀末芸術ファンとしてうれしく思います。



どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。
Unknown (mizuiro)
2005-05-24 19:28:37
TBありがとうございました。

千露さんのブログは勉強になりしかも全体的に美しいので本当に大好きです。

クノップフの描くブルージュの風景。bunkamuraで見て「ブルージュなのだけどブルージュじゃないみたい…。」と思いました。

>>現実の街ではなくどこか異世界の街を思わせる光景です。

千露さまのこの一文を読んでなるほど…と思いました。

mizuiro様 (千露)
2005-05-24 22:21:53
お褒めいただいて本当に光栄です。

このBlogでは自分の好きなことあれこれを徒然に綴っているだけなのです。

それを「勉強になる」と言っていただいて気恥ずかしくもありますが、

とてもうれしく思います。

ありがとうございます (ヒマロ)
2005-05-28 15:36:31
はじめまして、コメント&Tバックありがとうございました。

ブログ拝見させていただきましたが、随分と西洋絵画に造詣が深いのですね。とても勉強になります。



私も西洋絵画にのめり込んでいったのは19世紀のパリの都市計画について卒業論文で書いて以来なんです。

当時の社会背景や芸術・文化を追っていくうちに、技術文明の勝利といった華やかな表の世界とは別にその裏の世紀末という漠然とした人々の抱える終末観に惹かれていったものです。



クノップフで好きなのは『沈黙』。おっしゃるとおり夢の中のようです。

それから象徴派で好きなのはベックリーンとセガンティーニ。



ラファエル前派も好きですよ。特にバーン・ジョーンズ。

ウォーターハウスも綺麗な絵を描きますよね。

00年の新宿でやった「ラファエル前派展」で『ヒュラスと水の精』見ましたよ。



まわりに絵画好きな人がいないもので、いろいろと情報交換させてもらえたら嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。
ヒマロ様 (千露)
2005-05-28 22:09:27
ご訪問ありがとうございます。



19世紀末の世界について共に語れる方と出会えて

とてもうれしく思います。



私が卒論を書いたころはちょうど20世紀末で

世紀末の世界観というものがそのまま現代に通ずるものがあるのではないかと思ったのです。

19世紀末の混沌から20世紀の世界が開けていったように思えます。



セガンティーニは私も大好きです。

94年に松山で開催されたブダペスト美術館展で展示された「生命の天使」に一目ぼれしました。



こちらこそこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
KATZLIN様 (千露)
2005-06-05 22:33:59
TBありがとうございます。記事を読ませていただきました。



97年の「ベルギー象徴主義の巨匠展」へも行かれたとのことで、

自分と同じことに関心をお持ちの方にTBしていただけると本当にうれしいです。



97年の展覧会では「オルフェの死」がメインだったように思います。

実は私はデルヴィルは少し苦手なのですが

あの青の幻想的な世界は好きです。



これからもどうぞよろしくお願いいたします。